本校の使命として、生徒の学力を伸ばし、その結果として、生徒の希望する進路を保証することが求められています。
そのために、本校は何をすべきか。様々なことを考えていかなければなりません。
先日行いました、進路研究会で伺った話を、今日は書くことにします。
特に1年生において、重視したい指導方針とは何か。
全国的に見て、
1 基礎学力の積み上げ
2 自主的な学習習慣の確立
となります。
ある調査に基づく、近隣の国公立大学に合格するための学力についてです。
もともと、合格できる学力を持って高校に入学してきて、そのまま、その学力を維持する生徒がいますよね。このパターンをA→Aとしましょう。
一方、もともとは合格できる学力を持っていても、いつの間にか合格できない学力層に落ち込んでしまう生徒もいます。同様に、A→Bとしましょう。
さらに、もともとは、合格できるほどの学力がなくとも、高校3年間の中で、合格できる学力を身につけた生徒もいます。同様に、B→Aとしましょう。
もう一つのパターンもあります。もともと合格できそうもない学力であり、そのまま3年間を過ごしてしまうパターンです。最後に、B→Bとしましょう。
ちょっと特徴的なことをいくつか記します。
国語古文知識における学力推移分析です。上昇グループ(B→A)と下降グループ(A→B)の逆転は1年生後半期に起きています。上昇グループ(B→A)は2年生春段階になると、合格ラインの最下層ライン付近に到達します。
次に、国語古文読解における学力推移分析です。上昇グループ(B→A)と下降グループ(A→B)の逆転は1年生後半期には起こり、2年後半期には大きな差がついています。
国語漢文知識における学力推移分析は、上昇グループ(B→A)は2年前半期には合格ラインの最下層ライン付近に到達し、3年次は、下降グループ(A→B)と大きな差がついています。
国語漢文読解における学力推移分析は、漢文知識同様の結果となっています。
数学の分析は以下のとおりです。
入学時は、上昇グループ(B→A)と下降グループ(A→B)で特定分野で差がついているわけではありません。1年生秋の段階で差がつくという分析結果です。それは何かというと、「二次関数」に関する分野です。
英語の分析は以下のとおりです。
英語語彙における学力推移は以下のとおり。
上昇グループ(B→A)と下降グループ(A→B)の逆転は、1年後半に起こり、上昇グループ(B→A)は2年秋段階で合格ラインの最下層に到達している。
英語文法における学力推移は、両者の間の逆転が2年春で起こり、2年次にその差が拡大していく。
英語文構成における学力推移は、2年生春段階で両者の間に逆転が起きています。
英語読解における学力推移分析の結果からは、1年の秋に両者の間に逆転が起きている。
上記の結果はどうしたところから起こるのでしょうか。
まず学習時間の推移から見てみましょう。
下降グループ(A→B)も、平日1時間以上の学習時間を確保している生徒が多いが、上昇グループ(B→A)の方が、下降グループ(A→B)より学習時間を確保している。私にいわせると、平日、1時間学習時間を確保していない生徒は論外になってしまいます。たぶん、B→Bにあたるのではないでしょうか。
自宅学習状況の推移を見てみましょう。
上昇グループ(B→A)は、ひとりで学習に取り組めない割合が減り、宿題以外の自主学習にも取り組んでいる生徒が増えています。
結論的には、国公立大学に合格するためには、土台となる低学年の基礎・基本の定着と主体的な学習スタイルを身につけることが重要になります。本校の生徒の1年次の進路希望を見ますと、多くの生徒が「国公立大学に行きたい」と答えています。それを実現するためには、相当の覚悟が必要なことを自覚して、学習に取り組んで欲しいと思います。面談した3年生がこんなことを言っていました。「1・2年の時にもっと勉強しておけばよかった」と。
上記の写真は、2学年沖縄修学旅行、平和学習の一こまです。急遽、引率をお願いしました百瀬教務主任撮影の写真です。