本日、諏訪清陵高校・附属清陵中学校の公開授業がありました。昨日の「校長日記」で記したとおりです。学校に車を置いて、徒歩で、「清陵」まで行ってきました。今年度の私の目標の一つ、「高校訪問」の第三弾になります。
諏訪清陵高校は、明治28年(1895年)諏訪郡立実科中学校として創立。今年で120周年を迎える諏訪地方の伝統校です。昨日の「校長日記」の写真にあります作家新田次郎氏も、戦前の「諏訪中学校」の出身者でした。明治34年(1901年)に県に移管し、長野県立諏訪中学校と改称しています。昭和23年(1948年)に、新学制により、高等学校に移行し、長野県諏訪清陵高校となりました。校章「梶の葉」を制定しています。
平成26年(2014年)、附属中学校が開校し、併設型中高一貫教育校に転換することになりました。よって、今年度は、中学生は、1年生と2年生が学んでいます。
清陵のグラウンドから見た、諏訪二葉高校方面 南校舎の2階・3階・4階がよく見えます。
中学生の通学路を行きましたので、中学生に多く、出会いました。霧ヶ峰に登る道路と清陵に入る道の交差点にある信号のある横断歩道では、中学校の先生が安全確保をしていて、感心しました。
グランド横を通り、生徒昇降口に向かう途中、朝練中の野球部の諸君が、「こんにちは」と声をかけてくれて、大変すがすがしい気分になりました。
生徒用昇降口では、石城校長先生が、生徒に「おはよう」と声をかけていました。その様子を写真に収めました。寄っていって、ご挨拶をしますと、「一緒にやりますか」とのお言葉。二葉の校長の私が、清陵生に挨拶をするのも変な気がしましたが、石城校長先生と並んで、「おはようございます」と、登校してくる高校生と中学生に挨拶をしましたよ。皆、本校生徒同様に、にこやかに挨拶を返してくれ、大変、いい気分になりました。しかし、「石城校長先生の横にいる、あのおじさんはだれだろう」と思ったことでしょう。清陵生が、この校長日記を読んでいるとは思いませんが、いちおう、「二葉の校長」ということでよろしくお願いします。
公開授業ということで、小学校6年生とその保護者、中学校3年生も、数多く訪れていて、昇降口の中に設けられた受付は、来校者でごった返していました。清陵の教務の先生方も、お疲れ様でした。高校の後輩が清陵に勤務していて、受付にいましたので、挨拶をしました。また、本校の教育実習生も約束どおり、清陵に来ましたので、昨日私が話したことを確認して、それぞれ、目的の授業会場に向かわせました。
公開授業の時間割を拝見し、かつて一緒に勤務した先生のお名前を発見し、懐かしく思いました。廊下でお目にかかり、「4時間目に授業をしますから、どうぞ」といわれたのですが、午後予定が入っていたために、2時間だけ授業を見る予定で、清陵に行きましたので、参観できないことをわびました。
私は、高校の授業はもとより、中学校でどのような授業が行われているのか、大変興味がありました。校長室と中学校棟講義室は、何度も伺っていますが、高校の校舎内に立ち入ったことがなかったので、1階から4階まで、最初にぐるぐる回ってみました。気がついたんですが、生徒諸君は、授業のたびに、教室を移動するんですね。廊下に置かれたロッカーで、教材を入れ替えて、次々と自分の授業教室に向かっていました。HR教室で授業ということではないんですね。例えば、国語6教室とか数学5教室とか、そういう案内になっていましたから。大学みたいで少し驚きました。
ただいま、学校では、先生方との面談を行っていますが、どうしたら「双方向性の授業」ができるのか、意見交換をしているところです。そんなこともあり、特に附属中学校の授業を拝見したいと思った次第です。
今日の授業は、中高ともに、通常の65分授業ではなく、60分授業でした。
1時限は、中学2年生の数学と高校2年生の世界史を参観させていただきました。
2時限は、中学2年生の社会を参観させていただきました。
合間に、北澤教頭先生、佐倉副校長先生にもご挨拶申し上げました。
どの授業も、教室の前の廊下に、今日の教材が置かれていて、参観者に優しい心遣いを感じました。世界史の授業担当者は、私もよく知っている先生で、さすがでした。非常におもしろい。アレクサンドロス大王の東方遠征を、まるで見てきたかのように、実況中継しているかのように、物語として語っていました。深い教材研究と学識に裏打ちされた素晴らしい授業でした。プリントもよくできていました。「ゴルディアスの結び目」って知っていますか。知らない方は、ネットででも調べてみてください。
数学の授業は、高校の授業を踏まえて、中学生バージョンにした、中高一貫校らしさのあふれた授業でした。
いただいた「プリント」によりますと、図はありましたが、この「校長日記」では書けませんので、文章にしますが、
動く図形を追ってみよう
ということで、
高校3年生の教科書に次の問題が載っています。サイクロイド曲線といいます。
座標平面上で、1つの円がx軸に接しながら、すべることなく回転するとき、この円周上の定点Pがえがく曲線の媒介変数表示を求めてみよう。
ということで、中学生には以下の問題が出され、4人グループで、その問題の解答を考え、黒板に出て、そのように考えた理由を説明していました。
問題は以下のとおり。
長さの単位はcm
△ABCは、∠A=30°、∠C=90°、BC=1の直角三角形である。いま、下の図のように(図が書けなくてすみません)、辺ACが定直線Lに重なるように△ABCを置き、△ABCの頂点を中心にして回転させるようにして、△ABCがもとの状態に戻るまでに、△ABCが通過する部分の面積を求めよ。
というものでした。生徒諸君は、すぐにコンパスと定規を取り出し、扇形をつくっていましたが、答えの説明も、非常に理路整然としたもので、聞いている私もよくわかりました。
「何で、この角度が60°となるのか」という、先生の質問にも、「180°からわかっている角度二つの合計をひいたものが60°」といった説明は、非常にわかりやすかったですね。感心しました。
三角形のあと、正方形、正六角形で、同じようなことをしていましたが、つきつめると、冒頭の円の問題に行き着くという「落ち」があり、非常に興味深い授業でした。
中学生が4人ずつ机を並べて、問題を解いているときに、「どうぞ、ご自由に生徒の議論をごらんください」と、担当の先生がおっしゃったので、生徒の様子を間近で見られたことも収穫でした。
2時限の社会、日本の諸地域ー九州ーの授業は、期待通りの双方向性の授業で、いな、生徒中心の授業といったほうが正確な授業でした。私たち参観者も巻き込んだ非常に活気にあふれた授業でした。
九州地方はどのような地方か
ということで、生徒たちが予め、学習問題を設定し、今日の授業の中で、プレゼンを行ってくれました。
ネットサイト「日本全国お取り寄せランキング」の中の、九州各県の特産物につて、「なぜ、それが各県の特産物になっているか」、各自が調べてきて、それをまず4人のグループに中で発表し、さらに、われわれ参観者に発表し、その後、全体に対して発表するというものでした。
例えば、宮崎県のマンゴーについて、鹿児島県の焼酎について、熊本県の馬刺しについて、各自が豊富な資料を基にプレゼンをしてくれました。
私は、鹿児島県の焼酎についてのプレゼンを聞きましたが、先日、ネット上で、鹿児島県の焼酎を頼んだこともあり、俄然、興味を覚えながら話を聞きましたよ。
サツマイモ、シラス台地、ブランド等のキーワードで説明できるかと思いますが、そのブランド力を高める人間の営みがどのようなものだったのか、ネット上や本での知識だけではなく、現地に行って(それは難しいのですが)、フィールドワークをすると、奥行きがあるといいましょうか、もう大学生の地理学専攻者の卒論レベルの研究にもなりそうなテーマ設定でした。
単に知識を教えるだけでなく、自ら、課題を設定し、調べていくというところに、斬新なものを感じました。もちろん、キーワードとなる単語といった基礎・基本もおろそかにせずです。
最後に担当の先生が、「気候」、「地質」、「利益」といった観点から、さらにまとめてくるようにと、指示をされていて、その点も感心しました。
昨日、教育実習生とは、「明日、清陵で落ち合いましょう」と話しましたし、本校の若手教員中心に、授業参観させていただきました。「部活動指導の合間に、清陵に行きます」と、昨日話してくださった先生方もいます。
部活の遠征があり、「伺えないのが残念だ」と話してくださった先生もいます。
本校の先生方は、様々な面で、意欲的な先生方が多く、本当に感謝しています。
清陵中学校3階から、諏訪二葉高校方面を写真に撮る
「清陵」から「二葉」に戻り、中庭で、書道部の生徒が部活動をしている様子を写真に収め、用を足しに、佐久の自宅に戻ってきました。書道部、結構部員がいるんです。学校を出る前に進路指導室を訪ねると、野澤進路指導主事と馬場学習係主任、竹田2学年進路担当の、進路室常駐の皆さんが、仕事をしていて、少し話をしました。昨日の県外視察についての話題が中心でした。
戻ってくる最中に、第二グラウンドにより、野球部の諸君の様子を見て、海沼部長に挨拶をして、官舎に戻り、この校長日記を書いています。野球部は午後、駒ヶ根工業高校と練習試合をしたそうです。部員の諸君が、気持ちの良い挨拶をしてくれました。また、マネージャーもわざわざ現れ、にこやかな挨拶をしてくれました。野球部、いいねぇ。夏の大会に向けて、がんばってください。試合の応援には、行きたいと思っています。
今日は、本校の関係記事より、清陵の関係記事が多くなりましたが、本校の関係者の皆さん、ご勘弁ください。