今月は、台風対応に苦慮した印象的な月でした。2週連続で、週始めに2つの台風が上陸し、休み中及び最終的には当日朝に判断しなければならなかったからでもあります。
特に3連休明けの台風の来襲には、苦慮しました。休み中に刻々と状況が変化したからでもあります。
また、マラソン大会の開催についても、難しい判断を強いられました。
本校は、それぞれの連休前に、一定の方向性を定め、生徒に周知しました。こうした対応が必要なことだと私自身は思っています。
また、クラス緊急連絡網による周知、オクレンジャーによる周知(未登録の保護者の皆さん、是非登録をお願いします)、本校公式ウェブサイトへの情報アップを併用していく、今後の方向性も固めました。
http://www.nagano-c.ed.jp/futaba/okurennja-.pdf
前任の軽井沢高校では、「朝の段階で、しなの鉄道が運休していた場合は、休校」と予め決めていましたので、そんなことも参考にしました。
さて、本日放課後の掃除は、恒例の「月例大掃除」になります。来週、公開授業週間ということで、外部からのお客様も増えますので、内掃と外掃ともに、日頃できなかったところを含めて、念入りに行うことになっています。生徒諸君よろしくお願いします。
終了後、清美委員が、点検して回ることになっています。
昨日夕方、書道科の荻原先生が、「校長先生、第30回長野県高等学校書道展が、11月12日(水)から16日(日)の間9時から17時(最終日は14時30分艶)、松本市美術館でおこなわれます。よかったら見に来てください」と、プリントを渡してくださいました。ありがとうございます。本校からは、1・2年生14名が出品しているとのことですので、土日の中で、何とか都合をつけて見に行こうと思っています。
話は変わり、昨日、来週の火曜日に行われる三者講演会がいつから始まったのか、内山事務長に調べて欲しいと宿題を出しましたが、私も少し調べてみようと、かつての『学校要覧』を見返していました。
本校の教務室には、昭和41年度(1966年度)からの学校要覧が残っています。
思わず、綴りを見入ってしまいました。進路実績の変遷については、また、いつか機会をつくりこの校長日記で書きたいと思います。今日は、昭和41年度の「学校要覧」に焦点をあて、少し紹介したいと思います。
この年に入学した生徒達は、昭和25年度(昭和25年4月2日から昭和26年4月1日)に生まれた人たちです。ベビーブームが昭和22年度から24年度生まれの人たち(生まれた人は250万人を超えていました)ですから、少し出生率が下がった年でしょうか。しかし、今より断然多いのです。
この昭和41年当時の高校進学率は、以下の資料を参考にしてください。
昭和40年(1965年)の統計によりますと、
高校進学率は、70.7%、短大進学率は、6.5%、大学進学率は、12.8%という時代でした。
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Data/Relation/2_Factor/3_work/1-2-C08.htm
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001015843
この中の、4進学率のエクセルファイルを開いてください。
ちなみに、昭和40年度の本校の卒業生の進路状況を見ますと、
卒業生総数 357人
進学者 159人 45%
就職者 169人 47%
家居(自家営業、浪人) 29人 8%
国公立大学 7名(お茶の水女子大学1名、金沢大学1名、東京学芸大学3名、信州大学2名)
私立大学 44名(東京女子大学1名、日本女子大学4名、明治大学5名など)
国立短期大学 1名(図書館短大、後に図書館情報大学となり、筑波大学と合併)
公立短期大学 12名(長野県短期大学12名)
私立短期大学 62名(共立女子短期大学10名など)
各種学校 32名(東大医学部付属看護1名、信大医学部付属看護1名、県保育専門学院11名など)
とあります。
就職は、諏訪精工舎5名、オリンパス光学6名、中部電力4名、八十二銀行10名、諏訪市役所9名などです。
その前の資料もあり、
38年度は、卒業生267名のうち、国公立大学18名、私立大学21名
39年度は、卒業生304名のうち、国公立大学17名、私立大学35名でした。
たぶん1クラスの人数は、50人前後だったと思います。
それでは、さらに、『学校要覧』を読み解いていきましょう。
まず住所から、今は、諏訪市岡村2−13−28ですが、当時は、諏訪市大字上諏訪字百姓地6170番地でした。
教育課程表を見てみましょう。
1年生だけを見ますが、教科総単位は32単位。その内訳は、国語(現代国語3単位、古典乙1が2単位)、社会(地理4単位)、数学(数学1が5単位)、理科(生物が4単位、地学が1単位)、保健体育(体育3単位、保健1単位)、英語5単位、家庭一般2単位、ここまでが必修教科。音楽・美術・書道が選択教科で2単位というものです。
引き続き、2年と3年の教育課程も紹介します。
2年生
必修科目
国語 現代国語 2単位 古典乙1 3単位
社会 政治経済 2単位 世界史 5単位
数学 数学2 5単位
理科 物理 3単位 地学 1単位
保健体育 体育 3単位 保健 1単位
外国語 英語 5単位
選択科目
数学1 1単位
芸術 音楽・美術・書道から2単位
英語 1単位
商業一般 2単位
3学年
必修科目
国語 現代国語 3単位
社会 日本史 4単位
数学 なし
理科 化学 5単位
保健体育 体育 2単位 保健 1単位
外国語 英語 5単位
選択科目
国語 古典乙2 3単位
理科 物理 3単位
数学 数学2 2単位 数学3 3単位あるいは5単位
芸術 音楽・美術・書道から2単位
外国語 英語2単位
家庭 被服・食物 5単位 保育・手芸 2単位
商業 商業一般 2単位
というものです。選択科目も少なく、きわめてシンプルです。
社会科でいうならば、まだ、「現代社会」がありませんし、そもそも、地歴・公民科になっていませんね。
「総合的な学習の時間」もなければ、教科「情報」もない時代でした。
日課は以下のとおり。
月曜日から金曜日 土曜日
予鈴 8時30分 8時30分
SHR 8時35分~8時45分 8時35分~8時45分
1時限 8時55分~9時45分 8時55分~9時45分
2時限 9時55分~10時45分 9時55分~10時45分
3時限 10時55分~11時45分 LHR10時55分~11時45分
昼休み 11時45分~12時25分 週番巡視 12時30分
4時限 12時25分~13時15分
5時限 13時25分~14時15分
6時限 14時25分~15時15分
週番巡視 15時45分
水曜のSHRは生徒会の時間とありました。
この頃は、土曜日も毎週3時間授業があったのです。といいますか、感覚的にはかなり最近まで土曜日に授業を行っていました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/week/index_b.htm
○ | 学校週5日制は、子どものたちの生活全体を見直し、ゆとりのある生活の中で、子どもたちが個性を生かしながら豊かな自己実現を図ることができるよう、平成4年9月から月1回、平成7年4月からは月2回という形で段階的に実施してきました。 |
○ | 平成8年の中央教育審議会答申においても、子どもたちに「ゆとり」を確保する中で、学校・家庭・地域社会が相互に連携しつつ、子どもたちに生活体験、社会体験や自然体験など様々な活動を経験させ、自ら学び自ら考える力や豊かな人間性などの「生きる力」を育むため、完全学校週5日制の実施が提言されました。 この提言を受け、平成14年度から完全学校週5日制を実施しています。 |
年間行事予定で、おもしろかったのは、
4月4日に始業式、4月5日に入学式、5月30日と31日が「農休み」、競歩大会は5月14日、学友林作業が5月9日、地区懇談会が6月18日~6月26日、クラスマッチが6月29日、文化祭が7月22日~24日、夏休みが7月28日~8月22日、10月3日から5日の間に「農休み」がまたあり、音楽会は10月22日、冬休みが12月28日~1月7日、スケート大会が1月21日、寒中休みが2月2日~8日、卒業式が3月8日でした。高校入試は3月11日と12日(確か9教科入試だったと思います)です。修学旅行は3月21日~25日というのも驚きました。
生徒会誌『天つ野』第27号(昭和42年3月発行)から
進路路指導を見ますと、1年で校外模試はありません。2年・3年で旺文社模試を受験しています。当時は、旺文社の模試に頼っていたといいましょうか、校内の実力テストで受験校を判断していたといったことだったと思います。ベネッセも河合塾も模試はなかったと思います。
生徒出身地は、ほとんどが諏訪地方です。上伊那郡は辰野町が多いですね。今もその傾向は変わりません。その他県内が、1014名の在籍人数中、17名、山梨県から12名というのも特徴でしょうか。下宿に18名、寄宿舎に13名という統計もあります。当時は今と同じ4通学区制でした。
学納金関係では、授業料が毎月納入するものとして、1・2年生800円、3年生600円、PTA会費150円、学習教材費180円、特別施設費100円、二葉会費100円、合計で3年生が1130円、1・2年生が1330円となります。この当時は、振り込みではありませんでした。学校に金融機関の方がきて、お金を集めていきました。私の高校時代もそうでしたから。
入学時納入するものとして、
PTA関係で 入会金 500円 PTA施設拡充費 1000円 公務員住宅建設費 1000円 学校整備準備金 3000円
二葉会入会金 200円
同窓会入会金 300円
合計で6000円となります。
いかがだったでしょうか。
今後も引き続き、この『学校要覧』関係の記事を書いていきたいと思います。