中小企業診断士 福田 徹 ブログ

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クロスマーチャンダイジングが徹底した店とは(2)

2009年02月26日 | 福田徹の商業

 おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。2月26日木曜日、今朝3時の東京・小平はくもり、気温は8℃です。

 今日のブログは、一昨日の記事クロスマーチャンダイジングが徹底した店とは(1)のつづきです。前回は、クロスマーチャンダイジングについて基本的なお話をいたしました。今回は、クロスマーチャンダイジングを徹底してやっている店舗を紹介します。



 先日見に行った都内の某スーパーマーケット(私鉄系チェーン)のある店舗では、クロスマーチャンダイジングが徹底されていました。

 たとえば、写真のカレーフェアでは、家庭で作るカレーのレシピとその材料を冷蔵平ケースにすべて集めてメニュー提案をしています。



 配置は、下の図のようになっています。

 

 実際に使う材料が集めてあるため、顧客がレシピを見たり、陳列された材料の組み合わせで、家庭で作るメニューを簡単にイメージできるところがこの平ケースのミソです。顧客の頭の中でイメージが湧いたら、きっとケース内の食材を組み合わせて買ってくれます。


 次は、鮮魚コーナーです。


 ご覧のように、刺身を食べる際に使う調味料や薬味になる商品がお造りのコーナーに組み合わされています。お造りのコーナーでは、他の店舗でもしょうゆやわさびが組み合わされていることがあります。でも、ここまで徹底してやっている店舗はあまりありません。


 もう一例、レジ近くのゴンドラエンド※で提案されていた「餅」コーナーもおもしろく見させていただきました。このスーパーマーケット店内のおよそ餅に関係する商品のほとんどが集められていました。(冷蔵が必要な生鮮は除く)それは、数種類の餅を中心に、のり、しょうゆ、あんこ、小豆、きなこ・・・などです。

 この店は徹底してやっています。

 単なるお店側の都合による商品陳列では、野菜類は青果コーナー、調味料は一般食品コーナーなどに陳列します。それに対して、顧客が実際に食べるシーンを考えたり、買い物の利便性を考えに入れたクロスマーチャンダイジングの発想では、お刺身を食べるときに使う物を集めるということになるのです。この店舗は、その発想を徹底してやっているように見受けられました。

 ところで、現実にはクロスマーチャンダイジングはとても難しいものです。なぜなら、発想だけではクロスマーチャンダイジングはできないからです。
 顧客視点の商品レイアウトを実現するためには、店長以下、店舗内の部門担当者間の連携が必要です。各担当者が集まる販促会議等で構想を練り、仕入れやレイアウトに反映した上で、POSデータの変化を見て、試行錯誤を繰り返す。そんな、日常の努力の結果が買場のクロスマーチャンダイジングを支えているのです。

 今回紹介したお店は、そうした日常のたゆまない努力をされているお店です。そうでなければ、こうしたクロスマーチャンダイジングを取り入れた買場は造れません。

 この店は、クロスの他にも、賑わい感をだす人(従業員)の動き、ガラスを開けてスライス作業を見せる精肉コーナーなど、随所にこだわりを見せるおもしろい店でした。
 この店には、買場づくりの様々な工夫をいろいろと勉強させていただきました。ありがとうございました。

※ゴンドラエンド
陳列台(ゴンドラ)の一番端の部分。顧客からよく目に付く場所であり、特売やメニュー提案・季節感の訴求などを行う。ゴンドラエンドの役割については、また記事にします。

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