「企業を元気にして日本の明るい未来をつくりたい」
皆様、おはようございます。私は中小企業診断士の福田徹です。
リスケジュール、通称リスケは、銀行などからの借り入れについて、約定通りの返済ができなくなったときに、銀行と交渉することによって、返済計画を変更してもらうことです。
銀行に対する金融庁の指導により、銀行は債務者からのリスケの申し出を受けたら交渉のテーブルに着かなければならず、リスケ交渉期間中には債務者からの返済が無くても、デフォルト(債務不履行)扱いにはしないことになっています。
そういう意味では、申し出の時点からリスケは始まっているとも言えます。
この交渉の結果によっては、1年程度にわたって支払を止めることができる場合もあります。
ただし、あくまでも返済することには変わりがありません。
また、通常は返済期日は変えることができません。
どういうことかと言うと、約定で現在から5年後までに返済することになっている場合、リスケを認めて貰ったとしても、5年後までに返済することには変わりがないと言うことです。
たとえば、リスケ交渉により1年後からの返済にリスケしてもらうとすると、支払再開後から5年後までに返済する計画になるのです。
この場合、本来5年掛けて返すものを、1年後からの4年間で返済する計画となるわけですから、返済再開後は、月々の負担が大きくなります。
この点を考えずに安易にリスケ交渉をすると、あとあとになって自分で自分の首を絞めることになります。
それから、リスケは銀行に譲歩させて、あらたに取り付けた銀行との約束事だということも忘れてはいけません。
約束事ですから、一度決めたリスケ時の返済計画を、さらに変更することはなかなか難しくなると考えた方が良いのです。
ですから、リスケ交渉時には余程慎重に実行可能な返済計画をたてることが重要であり、一時しのぎの返済計画を銀行と約束することは危険です。
また、リスケによる返済停止中も利息は払い続けることになることが通常です。さらにリスケにあたって、利率の上乗せを求めてくる金融機関もあります。
以上見てきたとおり、リスケは支払の猶予というよりも、支払計画の変更に過ぎません。
亀井大臣がかんばってモラトリアム法を通したおかげで、現在リスケ交渉のハードルが低くなっていますが、けして安易にリスケをするものではありません。
あくまでも資金繰り悪化時の緊急避難措置として使用するものであって、根本的解決策にはなり得ないこと、不用意にリスケしてもらうことによって自滅の道を速める場合もあることに注意して下さい。
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