中小企業診断士 福田 徹 ブログ

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人口ボーナスと日本の未来

2009年12月11日 | 福田徹の視点

 皆様、おはようございます。私は中小企業診断士の福田徹です。


 今日は、大きな、そして長い期間を考えた経済の話です。

 人口ボーナスとは「一国の人口構成で、子供と老人が少なく、生産年齢人口が多い状態。豊富な労働力で高度の経済成長が可能。多産多死社会から少産少子社会へ変わる過程で現れる。」(デジタル大辞泉)

 一方、人口オーナスとは「一国の人口構成で、高齢人口が急増する一方、生産年齢人口が減少し、少子化で生産年齢人口の補充はできず、財政、経済成長の重荷となった状態。」(同、「オーナス(onus)」は重荷・負担の意)


 別の説明をこころみると、

 一般にある国が経済成長を遂げる過程では、栄養・衛生状態の改善や医療の普及が進み、そして人々の生活と意識が変化することから、その国は多産多死から少産少死社会へと転換します。

 その転換時に、一時的に生産年齢人口と非生産年齢人口のバランスが崩れた状態が、人口ボーナスと人口オーナスです。

 その際に、まず最初に現れるのが人口ボーナスです。

 考えてみてください。

 ある国がある時から多産多死から少産少死に変化すると、まず子どもが少なくなります。

 子どもが少なくなると言うことは非生産人口が少なくなると言うことです。

 さらに、その子どもが働くようになるまでは20年近くかかるわけで、その間は子どもが少なくなってはいても生産年齢人口には(そのことによる)影響はないのです。

 だから、少ない子供を多くの大人が養う状態になります。

 単純に言えば、少子化後、減少した代以降の子どもが成長して、働くようになる20年後までは、生産年齢人口の比率が高い人口ボーナスの状態となるわけです。

 そして、その20年後からは、非生産年齢人口に対する生産年齢人口の比率に、影響がではじめます、そしてその国の人口ピラミットの状況によりますがある時点からは、人口オーナスの状態になります。

 つまり、少子化の影響は少子化傾向が始まってから、約20年後以降に出始めるのです。

(言い方を変えると、たった今出生率が上がり少子化が改善されたとしても、その経済的なプラス効果が現れはじめるのは20年後からということです。)


 このバランスの悪い状態からは、やがて時が進んで行けば脱することができます。

 しかし、それまでの間の人口オーナス状態はその国の経済に重い足かせとなります。


 ところで、現在、アジアの新興国、例えば中国は人工ボーナスを得ている状態にあり、それに対して現在の日本は人口オーナス下にあります。

 かつて日本が人口ボーナスを得ていた時期がそうであったように、現在の中国などは人口ボーナスを得て経済成長を速めています。

 そしてこれが、かつての日本と現在の中国及びアジア新興諸国とがダブって見える理由の一つです。


 こうして考えると、中国など国力の隆盛期にある国々との経済的競争は、まともにはできません。

 ましてや、足かせ付きの日本は、なかなか戦うのが難しい状況です。


 しかし、暗い話ばかりではありません。

 考え方を少し変えてみると、中国など国力の隆盛期にある国々が輸出相手と国として、近くにあることは、日本にとって有利な条件です。

 それに、ライバルの中国の人口ボーナス期は2015年までだということです。他のアジア諸国もいずれはボーナス期を終えます。

 だから、長期的に考えると、日本が戦える機会はまだあるのではないでしょうか。
 


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