2011年4月14日閖上付近 (↓小塚原下田辺り)
震災から1ヶ月を越える。
所用があって、作業の邪魔にならないようにと、気を使いながら閖上へ行った。
壁に車が刺さっていた知人宅、その後の車が取り除かれた現状を確認。
名取市役所から東へ進むたびに、次第に様子が変わる。
田畑に物が散乱し、瓦礫は進むたびに多くなっていった。
浜から幾分か離れた道沿いで、民家の脇に、本来あるはずの無い舟が乗りあがっている。
重機で瓦礫を集め、道の端に寄せている。それで道が通れるようになっていた。
最前線で働く自衛隊員たちに、頭が下がる。
任務とはいえ、毎日のこの作業は、大変な作業であると一目で察しがつく。
店や家が並んでいた場所も、何もかもが滅茶苦茶だ。
ここが、あの場所だったろうかと、分らなくなる。
水揚げがあると、赤貝丼ののぼりが出ていた港の周辺も、かつて猫が横切った長閑な光景はもう無い。
あんなに緑に囲まれていた道が、浜辺のようになっていた。
帰り道、田んぼの一角に座り込む男性の背中を見た。
切なかった。