ふくらく通信

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馬九行久その2・浪江の太っちょ:2012年7月19日の記録

2017-11-17 14:16:05 | 東北被災地の歩み:福島

「何事も馬九行久(うまくいく)」と、袋の赤い縁取りに書いてあった。

願いを込めた言葉も、語呂合わせで面白みを忘れないところがいい。


旭屋の「太っちょ」が、道の駅「南相馬」で売られていた。

「太っちょ」は、浪江名物の「なみえ焼きそば」である。

一袋に、麺と特製ソースを一組にして三食分入っていた。


この「なみえ焼きそば」には、ちょっとした決まりがある。


具は、もやしと豚肉だけというのが、基本の「なみえ焼きそば」である。

もやしが、麺の量より少なくてはいけない。



何しろ、「なみえ焼きそば」は、「安くて旨くて腹持ち良く」と思って作られたというから、簡素で力強いわけだ。仕上げに一味唐辛子をかけるといいらしい。



「太っちょ」は名前の通り太麺で、もやしと同じくらい太い。

だが、うどんとはまた違う味わいだ。

見事に、そばの滑らかさと、うどんの弾力とを併せ持っているのである。


もやしの多さも、食べて「なるほど」と思う。


もやしの歯切れ良い食感とみずみずしさが、太っちょ麺の弾力や、肉とソースのコクとも調和して旨いのだ。ソースも、程よい甘味とコクがあり、酸味が穏やかで良く合う。


色々試したが、少し肉に下味をつけて作ると、好みの味になっていい。


浪江の人々は、原発事故によって町を離れることになってしまった。

けれども、ふるさとで培った産品は大事に守り、作り続けている。


旭屋は今(2012年)、郡山に仮事務所を置き、仙台に生産委託しているそうだ。

どうにか、浪江名物として人々に親しまれた「なみえ焼きそば 太っちょ」を作りながら、相馬や双葉地区での操業を目指しているという。(2015年から相馬の新工場にて製造再開)



「太っちょ」に添えられた、「何事も馬九行久」の願いも広がるだろう。

その願い、きっと叶えたいものだ。



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