バスケ青春の詩

平成25年12月22日をもって33年9か月ほど勤務した仕事を定年退職をしました。これを機会にまた想いを綴ります。

指揮者とオーケストラ…2013

2013-10-19 06:49:48 | やっぱりミニバス!
平成25年10月19日 土曜日
 
「指揮者とオーケストラ…2013」


だいぶ以前のことです。

通勤時にラジオを聞いていたら…

「そうなんだ」と聞き入ってしまう話しをしていました。

語り手は、宮本文昭(ふみあき)氏です。

この方は、1949年生まれで、日本のオーボエ奏者の第一人者として知られている方です。

2007年3月31日にオーボエ奏者としての活動を終了。

その後、指揮者としての活動などを行っています。

桐朋女子高等学校音楽科卒業後18歳でドイツに渡り、最終的には、ケルン放送交響楽団の主席オーボエ奏者を務めたました。

まさに18歳のときから、夢を追いかけ…その努力と行動力で夢を手にされた方です。

その方が、オーケストラと指揮者の話しをされていました。

私が思っていた指揮者って、その交響曲の出だしと終わりの合図をするだけで…

あとは、手順書みたいな楽譜にしたがって各パートの奏者が演奏すればいいんじゃないの?

演奏の途中は、指揮者は特に必要ないのではないか?…と思ってました。

指揮者を見ていると、演奏の途中って、コンタクトと言われる指揮棒を振って、自己陶酔しているだけで、誰でもできるでしょう…と思ってました。
(スミマセン(>_<))

ところが違うんですね。

宮本氏がおっしゃるには、指揮者とオーケストラが一体にならないと、聞く人達が心から感動できる音楽にはならないということです。

交響楽団と言われるオーケストラ自体が、各楽器を演奏する各パーツを担当する人達で成っていて、そのパーツは選りすぐられた一流の人達です。

その一流の「個」が集まって…各パーツを演奏することで、

「交響楽」という「全体」の「楽曲」が創造されるのです。

この「個」には、それぞれの個性があります。

その個性を…「全体の楽曲」(チーム)として、最高度に発揮させるためには、「調和」が必要です。

ある部分では、強調される「個」があり、

ある部分では、控え目にする「個」があって、

それが「全体の楽曲」を創り出す。

それを創り出すのが、まず…指揮者なのです。

それぞれの「個」は、指揮者が考える「全体の楽曲」の姿はわかりません。

たしかに、楽譜(計画)はあります。

しかし、そこに魂を入れるのは、指揮者の想いなのです。

その想いを「個」に伝えるためには、繰り返し全体の演奏を行うのです。

いわゆる、練習を繰り返します。

そして、あるときに…指揮者と「個」としての奏者の集団が、チームとして一体化する瞬間があるというのです。

そのときに指揮者の想いはチーム全体に共有される。

宮本氏が語るには、著名な指揮者・小澤征爾氏が指揮されていたときに、小澤さんが指揮の途中で、右手の拳を天空にかかげて、天空を見上げ目をつぶり、楽曲に渾身の想いで聴き入っていたそうです。

この瞬間に、指揮者の指揮という動作は止まったのですが…

この瞬間に、指揮者と「個」の集団である奏者は、交響楽団(チーム)として一体化しました。

「個」の奏者は、自らやるべきことを理解し、それは、指揮者の想いと重なり、指揮者と奏者はひとつになったのです。

あとで小澤征爾氏が宮本さんに語ったことによれば、

「指揮者が、あのような状態になるのは、ふたつの場合だよ」

として、ひとつは、

『これだ!奏者は理解し、ひとつになった。

創造される楽曲は自然に奏でられる最高のものになっている。』

ひとつは、

『違う! これではない。何を指示してもだめだ。』

という…ふたつだと言うのです。

「個」がチームの中で、自ら為すべきことを理解し、納得できたなら、チームが成すべきことが…「個」全体に共有される。

そうしたら、あとはそれに向かって繰り返し演奏(練習)すること。

その練習の中で、また創造が繰り返される。

それは、「個」としての奏者が、「全体」の立場に立って自ら創造していく状態です。

こうなったときに、指揮者は、細かい指示を必要としなくなるのです。

指揮者は、そういう「全体」を創り上げるために、練習を創造していくのです。

あとはチームに考えさせるのです。

チームも指揮者の想いを成すために、

指揮者に、「こういうのは、どうでしょう。」と語ります。

指揮者は、その想いを共有していますから、「いいね、ちょっとやってみようか。」となるのです。

交響楽団にかかわらず、スポーツにおける、チーム競技の指揮者、指導者は、そのようなチーム造りをするべきだと思ったのです。

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