熱海のまち歩き(14) 伊豆山の走り湯
今回は七湯から離れて、熱海のもう一つの温泉である伊豆山の走り湯を紹介します。
全国でも珍しい「横穴式源泉」で、お湯が走るように流れるから走り湯と呼ばれています。


位置図
まち歩きのルートは秋戸郷→逢初橋→逢初地蔵堂→走湯神社→走り湯→走り湯浜浴場→伊豆山神社階段です。温泉の泉質は、伊豆山温泉、般若院、ウェルハートピア熱海のHPからです。

まずは秋戸郷(あきとごう)です。これは大江戸温泉物語ホテル水葉亭の敷地にあります。

秋戸郷跡


秋戸郷の説明看板

後ろの露頭に注目、多賀火山等の噴出物です。陸上で堆積したように見えます。ホテルの敷地なので、歩道から観察しましょう。

秋戸郷の近くからの海の眺め
真鶴半島の三ツ石が見えました。


逢初橋(あいぞめばし)
古文書によると伊豆山神社根岸谷バス停の所にあった御嶽社の森の下に架かっていた橋が本当の遭初橋であると記載されており、現在の赤い橋は明治13年に国道として建設されました。古代、伊豆山沖で難破し、初島に漂着した初木姫が後、伊豆山に渡りここで伊豆山彦命(いずやまびこのみこと)と初めて出逢った所といわれ、後の人はここを逢初橋と呼んでいます。若き頼朝と政子が初めて逢った所とも言われています。


逢初地蔵堂とその由来
大姫(頼朝と政子の長女)の病気回復を願った政子が、お経を記した紙を練って延命地蔵二体を制作させたうちの一体を安置したお堂です。しかし、秀吉の小田原攻めの際に焼失、再度収められた地蔵尊も盗難にあい、現在の御堂は、昭和46年に木造で再建されたものです。

走湯神社
走り湯は奈良時代に発見されたと言われています。平安時代も書「梁塵秘書(リョウジンヒショウ)」に修験者の霊験の地と記されています。神様の湯とあがめられて、温泉の守り神として社が建立されました。



日本でただ一つの横穴式源泉。湯が断崖中腹から吹き出し、滝のように流れ落ちたので「走り湯」と名づけられたという。現在は人工的に噴出させている。
「伊豆の国 山の南に出づる湯の 早きは神のしるしなりけり」「金槐和歌集」と源実朝が読んだように、「神湯」と信仰されていた。
明治大正時代に滝湯として利用していた写真があります。
日本三大古泉も湯気でうまく映りません。(日本三大古泉:道後温泉、有馬温泉、走り湯の説)

走り湯の看板 ここが伊豆山神社の階段の入口でもある。

伊豆山温泉の旅館

伊豆山温泉の中田屋さんの所に、「伊能忠敬測量隊一行宿泊の宿」の碑が立っていました。創業は1801年だそうで、古くからあったようです。

伊豆山温泉の所が伊豆山神社の階段の始まりです。本殿前まで837段だそうです。国道手前の走り湯浜浴場まで登ってみましょう。


階段途中にある走り湯浜浴場です。逆に国道135号線から降りたところにあります。350円で源泉かけ流しの温泉に入ることができます。最近はなくなりましたが、私のマンションの大浴場が修理の度にお世話になった温泉です。

階段の数では220段目の国道135号です。

伊豆山神社までは600段以上の階段が残っています。
次に温泉の泉質について調べました。

伊豆山走り湯のヘキサダイアグラム(1=11.70meq/Kg)熱海温泉誌(2017)
走り湯の成分量は大湯より格段に小さい。カルシウムイオンが最も多く、次にナトリウムイオンが多く、マグネシウムイオンはごく微量です。一方、陰イオンは硫酸イオンが最も多く、次に塩素イオンが多く、炭酸水素イオンは微量しかない。大湯のヘキサダイアグラムにカルシウムイオンと硫酸イオンを加えたものになります。
大湯のヘキサダイアグラムでは1=64.20 meq/Kgですから、走り湯は総成分量が少ないです。高地の浸透域で地層から石膏類が溶かし出されて、大湯型の温泉水も混合して、カルシウム・ナトリウムー硫酸塩泉の温泉となりました。この解釈でいいのかな。

般若院のヘキサダイアグラム(1=11.95meq/Kg)(一郷一会100名湯のHP)

ウェルハートピア熱海のヘキサダイアグラム(1=5.83meq/Kg)(ウェルハートピア熱海のHP)
伊豆山地区の高地部で掘削された源泉の泉質も、走り湯と同じです。

大湯のヘキサダイアグラム(1=64.20meq/Kg)
大湯の泉質はナトリウム・カルシウムー塩化物泉です。高温の93℃のお湯です。このヘキサダイアグラムは熱海温泉誌の1886年頃のデータから作成しました。
熱海中心部の高温泉はこの型です。ナトリウム+カリウムイオンが最も多く、次にカルシウムイオンが多く、マグネシウムイオンはごく微量です。一方、陰イオンは塩素イオンが最も多く、硫酸イオンと炭酸水素イオンは微量しかない。
走り湯の泉質と大きく異なります。

大湯を中心とする熱海七湯と伊豆山温泉の位置
熱海の温泉の泉質として大きく異なる二か所の位置です。
今回は七湯から離れて、熱海のもう一つの温泉である伊豆山の走り湯を紹介します。
全国でも珍しい「横穴式源泉」で、お湯が走るように流れるから走り湯と呼ばれています。


位置図
まち歩きのルートは秋戸郷→逢初橋→逢初地蔵堂→走湯神社→走り湯→走り湯浜浴場→伊豆山神社階段です。温泉の泉質は、伊豆山温泉、般若院、ウェルハートピア熱海のHPからです。

まずは秋戸郷(あきとごう)です。これは大江戸温泉物語ホテル水葉亭の敷地にあります。

秋戸郷跡


秋戸郷の説明看板

後ろの露頭に注目、多賀火山等の噴出物です。陸上で堆積したように見えます。ホテルの敷地なので、歩道から観察しましょう。

秋戸郷の近くからの海の眺め
真鶴半島の三ツ石が見えました。


逢初橋(あいぞめばし)
古文書によると伊豆山神社根岸谷バス停の所にあった御嶽社の森の下に架かっていた橋が本当の遭初橋であると記載されており、現在の赤い橋は明治13年に国道として建設されました。古代、伊豆山沖で難破し、初島に漂着した初木姫が後、伊豆山に渡りここで伊豆山彦命(いずやまびこのみこと)と初めて出逢った所といわれ、後の人はここを逢初橋と呼んでいます。若き頼朝と政子が初めて逢った所とも言われています。


逢初地蔵堂とその由来
大姫(頼朝と政子の長女)の病気回復を願った政子が、お経を記した紙を練って延命地蔵二体を制作させたうちの一体を安置したお堂です。しかし、秀吉の小田原攻めの際に焼失、再度収められた地蔵尊も盗難にあい、現在の御堂は、昭和46年に木造で再建されたものです。

走湯神社
走り湯は奈良時代に発見されたと言われています。平安時代も書「梁塵秘書(リョウジンヒショウ)」に修験者の霊験の地と記されています。神様の湯とあがめられて、温泉の守り神として社が建立されました。



日本でただ一つの横穴式源泉。湯が断崖中腹から吹き出し、滝のように流れ落ちたので「走り湯」と名づけられたという。現在は人工的に噴出させている。
「伊豆の国 山の南に出づる湯の 早きは神のしるしなりけり」「金槐和歌集」と源実朝が読んだように、「神湯」と信仰されていた。
明治大正時代に滝湯として利用していた写真があります。
日本三大古泉も湯気でうまく映りません。(日本三大古泉:道後温泉、有馬温泉、走り湯の説)

走り湯の看板 ここが伊豆山神社の階段の入口でもある。

伊豆山温泉の旅館

伊豆山温泉の中田屋さんの所に、「伊能忠敬測量隊一行宿泊の宿」の碑が立っていました。創業は1801年だそうで、古くからあったようです。

伊豆山温泉の所が伊豆山神社の階段の始まりです。本殿前まで837段だそうです。国道手前の走り湯浜浴場まで登ってみましょう。


階段途中にある走り湯浜浴場です。逆に国道135号線から降りたところにあります。350円で源泉かけ流しの温泉に入ることができます。最近はなくなりましたが、私のマンションの大浴場が修理の度にお世話になった温泉です。

階段の数では220段目の国道135号です。

伊豆山神社までは600段以上の階段が残っています。
次に温泉の泉質について調べました。

伊豆山走り湯のヘキサダイアグラム(1=11.70meq/Kg)熱海温泉誌(2017)
走り湯の成分量は大湯より格段に小さい。カルシウムイオンが最も多く、次にナトリウムイオンが多く、マグネシウムイオンはごく微量です。一方、陰イオンは硫酸イオンが最も多く、次に塩素イオンが多く、炭酸水素イオンは微量しかない。大湯のヘキサダイアグラムにカルシウムイオンと硫酸イオンを加えたものになります。
大湯のヘキサダイアグラムでは1=64.20 meq/Kgですから、走り湯は総成分量が少ないです。高地の浸透域で地層から石膏類が溶かし出されて、大湯型の温泉水も混合して、カルシウム・ナトリウムー硫酸塩泉の温泉となりました。この解釈でいいのかな。

般若院のヘキサダイアグラム(1=11.95meq/Kg)(一郷一会100名湯のHP)

ウェルハートピア熱海のヘキサダイアグラム(1=5.83meq/Kg)(ウェルハートピア熱海のHP)
伊豆山地区の高地部で掘削された源泉の泉質も、走り湯と同じです。

大湯のヘキサダイアグラム(1=64.20meq/Kg)
大湯の泉質はナトリウム・カルシウムー塩化物泉です。高温の93℃のお湯です。このヘキサダイアグラムは熱海温泉誌の1886年頃のデータから作成しました。
熱海中心部の高温泉はこの型です。ナトリウム+カリウムイオンが最も多く、次にカルシウムイオンが多く、マグネシウムイオンはごく微量です。一方、陰イオンは塩素イオンが最も多く、硫酸イオンと炭酸水素イオンは微量しかない。
走り湯の泉質と大きく異なります。

大湯を中心とする熱海七湯と伊豆山温泉の位置
熱海の温泉の泉質として大きく異なる二か所の位置です。
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