湧水めぐり・まち歩き 藤川格司

水を調べている日々を書き込む予定です。最近は熱海のまち歩きを楽しんでいます。

かっちゃんの矢穴石 大湯間欠泉で矢穴石を見つけた

2022年10月29日 | 熱海のまち歩き
かっちゃんの矢穴石 大湯間欠泉で矢穴石を見つけた

なんと大湯間欠泉のところに矢穴石がありました。この間、ガイドをしていて気づきました。
発見者の名を取って「かっちゃんの矢穴石」と呼びます。


かっちゃんの矢穴石
矢穴がきれいに並んでいます。まち歩きガイドのテキストに矢穴石は出ていません。2009年からまち歩きガイドの会は活動していますから、13年以上も発見されなかったようです。


この状態では、ここに矢穴石があるとは気づかないです。




ここまで近づくと・・・「かっちゃんの矢穴石」。
あとで取り込んだように見えます。たぶん、間欠泉の改修のときにその辺にあった矢穴石を入れたのだと思います。間欠泉には、玄武岩、柱状節理の石など雑多に組み合わせられています。


間欠泉に注目しているので、写真を撮ると、このようになります。かっちゃんの矢穴石はこの右の方になり、誰も注目していなかったようです。
大発見でした。
ガイドしていて、大湯間欠泉で噴いた後に到着すると、次の噴出まで魔の15分が空いてしまいます。しかし、「かっちゃんの矢穴石」もあるので余裕で説明できます。

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富士宮市小田貫湿原を守れ 20221025

2022年10月28日 | 富士山の地下水
富士宮市小田貫湿原を守れ 20221025 

小田貫湿原

富士宮市にある小田貫湿原が乾燥化して、貴重な植物たちが危ないということで、見に行きました。富士宮市の花と緑と水の課が少ない予算で一生懸命守ろうと苦労しているところです。この日は寒くて、雪の富士山でした。


小田貫湿原の看板と位置図
小田貫湿原の基底には、古富士泥流(田貫湖岩屑なだれ)が分布し、これを層厚1mぐらいの新富士火山新規テフラの黒土層(腐食質風化火山灰:黒ボク)が一面に覆って分布している。そこに、水がたまって、標高680mぐらいなので湿原になったようです。富士山麓唯一の湿性地植物群落があり、環境省の「重要湿地」に指定されているらしい。
富士山の溶岩流は届いていないので、湧玉池や白糸の滝のような大量の湧水は期待できません。また、大量の湧水があると湿原でなく池や湖になってしまいます。


用水路と道路


用水路と道路と湿原(柵の内側)の関係
小田貫湿原の乾燥化の原因は、上流の大洞川(スゲノ沢)の水を用水路で田貫湖に運んでいるからだと思います。湿原に流入する水は、上流で取水されて減少したようです。そして、湿原の南側に用水路と道路を建設した為に、周辺の山から供給されていた地下水や表流水を遮断したことによるダブルパンチの影響と考えています。




池の周りは草原になっている。


ススキが侵入している。湿原が乾燥化している。




南側の山の斜面には、水が流れた跡がありました。しかし、表流水は用水路に供給されているようです。


対策として水が必要です。


そこで、用水路から水を少し分けてもらっています。


用水路からの水が供給されている。しかし、全く足りません・・・。


簡易的な堰による湿原からの流出量測定状況
地下水や地表水の供給が見込めないなら、湿原の流出口付近に人工的な堰を作って、雨水や少ない地下水を溜めて、湿原の地下水位を上昇させるたらどうかという案があります。
試験的に堰をつくたら、水がたまっています。人工的ですが、湿原にはいいみたいです。
今後、大規模な堰を検討するようです。




さて、小田貫湿原はどうなるでしょうか。少し時間がかかると思います。
富士山はみている。

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越前大野の湧水をめぐる 御清水(おしょうず)2022.10.04

2022年10月06日 | 湧水めぐり
越前大野の湧水をめぐる 御清水(おしょうず)2022.10.04

福井県の大野盆地は、名水百選の選定された「御清水」や「本願清水」などに代表される地下水が豊かな地域です。湧水めぐりをしてきました。


御清水(おしょうず)


さすが歴史ある湧水地です。本日の地下水位は0.90mです。0mはどこかわかりませんが。


湧いているようです。周辺と合わせると5L/秒くらい流出していました。最近は地下水位が下がって、昼間は動力による汲み上げと文献にはありました。今日は自然流出かな。


由緒正しい湧水でした。


位置図(大野市の看板から)
赤い丸の4ヶ所の湧水をめぐりました。


義景清水


朝倉義景公の墓地にある湧水らしい。


湧水で遊べるようになっているのかな。ジャブジャブ池みたいに・・・。


本願清水


この自噴は本物?


イトヨの生息地になっているようです。


新堀清水




冷たいです。
この自噴もあやしい。


七間清水


まちの真ん中にありました。


七間通りで400年以上続く朝市があるようです。




地下水の流れ(大野市)
御清水のある真名川以西の大野市街地などでは、地表から20m前後まで扇状地性の砂礫層が分布し、その砂礫層に多量の地下水があるらしい。
御清水をはじめとする市街地の湧水は、木本扇状地内を流動する地下水であるといわれている。(高村 他1993地下水学会誌35,3)


御清水の水質
なんと、飲用できる。すばらしい!
昔、「おいしい水は宝もの」大野の水を考える会(1988)築地書館を読んで、どんなところだろうと思っていました。どこを掘っても飲める水が湧くようです。すごい。

ついでに恐竜博物館も見てきました。



恐竜と湧水めぐりの旅でした。
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