湧水めぐり・まち歩き 藤川格司

水を調べている日々を書き込む予定です。最近は熱海のまち歩きを楽しんでいます。

富士宮市小田貫湿原を守れ 20221025

2022年10月28日 | 富士山の地下水
富士宮市小田貫湿原を守れ 20221025 

小田貫湿原

富士宮市にある小田貫湿原が乾燥化して、貴重な植物たちが危ないということで、見に行きました。富士宮市の花と緑と水の課が少ない予算で一生懸命守ろうと苦労しているところです。この日は寒くて、雪の富士山でした。


小田貫湿原の看板と位置図
小田貫湿原の基底には、古富士泥流(田貫湖岩屑なだれ)が分布し、これを層厚1mぐらいの新富士火山新規テフラの黒土層(腐食質風化火山灰:黒ボク)が一面に覆って分布している。そこに、水がたまって、標高680mぐらいなので湿原になったようです。富士山麓唯一の湿性地植物群落があり、環境省の「重要湿地」に指定されているらしい。
富士山の溶岩流は届いていないので、湧玉池や白糸の滝のような大量の湧水は期待できません。また、大量の湧水があると湿原でなく池や湖になってしまいます。


用水路と道路


用水路と道路と湿原(柵の内側)の関係
小田貫湿原の乾燥化の原因は、上流の大洞川(スゲノ沢)の水を用水路で田貫湖に運んでいるからだと思います。湿原に流入する水は、上流で取水されて減少したようです。そして、湿原の南側に用水路と道路を建設した為に、周辺の山から供給されていた地下水や表流水を遮断したことによるダブルパンチの影響と考えています。




池の周りは草原になっている。


ススキが侵入している。湿原が乾燥化している。




南側の山の斜面には、水が流れた跡がありました。しかし、表流水は用水路に供給されているようです。


対策として水が必要です。


そこで、用水路から水を少し分けてもらっています。


用水路からの水が供給されている。しかし、全く足りません・・・。


簡易的な堰による湿原からの流出量測定状況
地下水や地表水の供給が見込めないなら、湿原の流出口付近に人工的な堰を作って、雨水や少ない地下水を溜めて、湿原の地下水位を上昇させるたらどうかという案があります。
試験的に堰をつくたら、水がたまっています。人工的ですが、湿原にはいいみたいです。
今後、大規模な堰を検討するようです。




さて、小田貫湿原はどうなるでしょうか。少し時間がかかると思います。
富士山はみている。

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