小沢映子 わたしが伝えていきたいこと

「愛する富士市を、愛せる富士市に」 静岡県富士市議会議員 小沢映子ブログ

友人S君

2013年12月22日 14時48分16秒 | 共生・共育
 先月、浜松での「普通に生きる」上映後、大学時代の友人と旧交を温めました。浜松市で中学校の教師をしているS君は、大学時代独特のキャラクターの持ち主でした。ちょっと不器用な熱血漢、良く言えば親しみやすい、悪く言うといじられキャラでした。そのS君は55歳、教育学部の同期や先輩・後輩は校長・教頭の管理職に多くがついています。「自分は管理職にはならんかったけど、なんの引け目も感じとらん」といいます。確かに管理職になるタイプではありません。

 しかし、S君は、教え子の結婚式に40回以上呼ばれているというのです。特に目をかけた覚えはなくても「先生だけは私のことを分かってくれていた」といわれ、時々教え子に呼び出されるそうです「先生、今私結婚しようと思う人といるんだけど、来て会ってほしい」と飲み屋に呼び出されることもあると言います。
 S君と私と考えが一致したのは、「子どもは正しい、子どもはみんな分かっている、教師を見抜いている」
という点です。S君はうわべではなく心底子どもを理解しているのです。

それはこんなエピソードからも伝わりました。
 知り合いの親から、「ダウン症の娘を普通クラスに入れたい。この子はこれから先も何十年とこの地域で生きていく。地域の子どもと共に過ごさせたい。」と頼まれ、それもそうだと考え主任だった彼は、周囲の教師の反対を押し切って、普通学級に入れたそうです。その子たちの成人式の時の事、ダウン症の女の子も晴れ着姿で、お母さんが付き添って会場に来たそうです。その後、場所を変えて祝賀会があります。その席にもその親子が来ました。同級生たちは一同に、「お母さん帰りなよ。大丈夫みんながいるから、なんかあったらお母さんに連絡するからいいよ。」とお母さんを帰したそうです。その様子を見守っていてS君は涙が出そうになったそうです。そのダウン症の子のおかげでみんなが育った。いじめもなにもない羨ましがられるほどのいいクラスになった。

 S君には優秀な息子がいます。文武両道で、学校の広告塔になるため、高校の教師たちは京大かノーベル賞を排出した名古屋大学の理学部を受けるように説得します。ところが息子はどうしても静大の教育学部に行って教師になると言って聞きません。最終的には静大に入ったのですが、親せきがどうしてそんなに教師になりたいんだと聞くと、黙って父親のS君を指差したそうです。

改めてS君を見直したのは言うまでもありません。


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