◆犬の散歩◆

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構造偽造問題・証人喚問・家宅捜索

2005年12月21日 02時12分31秒 | 政治・世相・スポーツ等
まず証人喚問。
参考人招致の時は体調不良として欠席していた姉歯さん、理由なく拒否したら捕まってしまう証人喚問には出席。不自然な髪型がさらに不自然になっていたとかいうことはおいておいて、質問には真面目に答える姿勢が見えたように思える。

ええ、国会中継見てましたよ。彼の主張の根幹は今まで明らかになっていたことと大差ない。しかしはっきりと、公の場で、偽証をしたら犯罪になる場において発言したというのは、意味のあることだ。
木村建設(東京支店長のハゲ)からの圧力があったこと、チェック機関がザルだということ。でたらめな構造書など、見る人が見ればすぐにわかるレベルなのに、誰も気づこうとしなかったことなど、はっきりと証言した。これは、こういった重大な組織犯罪に関与したものとしての責任を果たしていると言える。彼の罪は消えないが、今後もこの姿勢で事実解明に協力してほしいものだ。
彼以外の関与していたと思われる人物、組織は、全て自分に責任がないという。しかしそれはあり得ない。なぜならば、姉歯1人で行うには利点が全くないからだ。彼も「私1人で出来ることじゃない」と言っているし、彼が1人で行って誰が得をするのか。
イーホームズは見抜けなかったのはウチだけじゃないという。だからなんだというのだ。よそが見抜けなくてもお前らが見抜かないでどうする。なんのための検査機関だ?どの口がそんなことをいうのか、厚顔無恥とはこのことだと思った。

これではっきりした構図はこうだ。
総研(経営コンサルタント会社)→ヒューザー→木村建設→平成設計→姉歯設計という流れで、上から順番に「震災レベルで崩れてもいいから、普段崩れさえしなければ鉄筋を減らしてもOK」という強制ともいえる指示があったこと、一個でも上の段階からの命令は逆らえないほどの力関係があったこと。そして、彼らは盲目的にその指示に従う優秀な兵隊だったこと。チェックするべきイーホームズが、とくにザルで、「ほとんど見てないのでは(姉歯証言)」ということ。
総研から姉歯へのラインは、悪の枢軸という関係であり、姉歯から木村へのキックバックもあったというし、下に行くほど儲けてもいないし抜けたくても抜けられない状況であるのがわかる。しかし枢軸から飛び出した格好であるイーホームズはどうか。単なる怠慢者か、なんらかの関わりがあってあえてそうしているのか。そこは今後の捜査によって明らかになっていくことだろう。

そして、この悪の枢軸ラインについて、総研の代表も証人喚問に立った。そんな指示していない、建築会社ではないので指示出来る者などうちにはいないなどと証言していたが、民主党の議員によってそれが嘘であることがわかるメモが存在することが明らかになった。曰く、総研の四カ所という人物が、事細かに鉄筋を減らすよう指示しているものだった。
馬淵議員の「これは指示じゃないですか!指示じゃないですか!」はパフォーマンスが過ぎると思ったがw、まあ、グッジョブといえるだろう。それに対して自民の議員は・・・殆ど自分が喋ってて、話にならん。同じ事ばかり聞くし、あんなじじいは即刻クビにしろ。

で、総研のこの文書に対する返答は「そんな指示があったことは私は知らない、調べてからお答えする」と言うに留まる。さらに後日、総研HPに載った弁明によると「そういう方法もあるということで、そうしろというものではない」とあるが、これはもう苦しすぎる言い訳だろう。こういう文書が圧力にならないわけがないことは自明である。
しかも、件の物件については経済的、時間的余裕がなくて訂正させるには至らなかったともあるが、これも結果論であり、なんら「圧力」の存在を否定するものではない。むしろ、姉歯証言を肯定する部類のメモである。
そもそも四カ所氏というのは何者か?総研の説明によると、彼は1級建築士ではあるが、最近の構造計算については、コンピュータが扱えないこともありそれほど知識はないとのこと。じゃあ、なんでコマゴマと鉄筋を減らせと指示できるのか?全く筋が通らない説明である。なんとも微妙な立場な人物だが、そんな老人が幅をきかせているというのも、悪の枢軸論について肯定的な状況証拠と言えるように思えるのは私だけではあるまい。

姉歯証言もいわゆる「悪人側の証人」であることや、それを肯定する要素が今のところ状況証拠しかないことなど、まだ解明されたとはほど遠いとはいえるけど、悪の枢軸論が事実だとすると、ストーリーがきれいに繋がるというのは確かであり、さらなる捜査が望まれるところである。

あと明らかになった事実は、ヒューザーの藤沢の物件は姉歯による偽造が明らかになった後に居住者に引き渡されたとのこと。これが事実であれば、ヒューザーの詐欺罪の成立を妨げるものはないと考えるのだが、当局はどう考えているんだろうか。
ヒューザーの社長は、自身が偽造の事実を知ったあとに、公表を遅らせる工作を行っていることも明らかになっている。その一環として物件の引き渡しが行われているとすれば、これは明らかに公表がされないことを前提とした行動であり、公表を遅らせるために動いたという弁明が嘘ということになる。これは、報道されている事実だけで導かれることなので、近いうちになんらかの動きがあるだろう。それにしてもこのハゲもいい死に方しないだろうな。

んで、本日、一斉に家宅捜索が行われた。これはオウムの一斉捜索に匹敵する規模だという。この問題はそれくらい重大な、かつ組織的な犯罪だということだ。今後の展開に期待したい。