風のこたろう

'05年4月6日~'07年4月7日 ウランバートル生活日記
'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

吟道大会

2017年04月15日 | 詩吟
高校の先輩のご縁で、さる流派の吟道大会を拝聴してきました。

驚くことがたくさんありました。

まず、マイクを一歩横に外して吟詠する女性吟者がいらっしゃったこと。


         これはその方の独吟風景です。


着物の方が三人いらっしゃいましたが、そのほかの方たちは、白いブラウスに黒のロングスカートの服装でした。

何か違うと感じました。

しばらく考えて、わかったのは、オーバーブラウスにしたブラウスのすそのラインがすべてそろっていて、統一感があること。

お手洗いで、お目にかかった女性に、思わず質問しました。
「みなさん横に並んで、ブラウスの下のラインをそろえるのですか?」と。
答えは、「いえ、スカートの中にいれるとみなさんそれぞれですからねぇ。」とのお答え。

それ以上は、突っ込んで聞くことができず、さらに、考える。

そうか、手首のラインにきっちりとあわせた袖丈に、その袖のラインとブラウスの裾があっているのだ、そして、その位置は、ヒップの一番張った位置で、そこから、きれいにスカートが裾に向かって、すっと落ちている。

なんて、きれいなんだろう。

それぞれが、お召しのブラウスは、個性的なのに、統一感があるのは、そのラインが一番美しく感じる位置であるということなのだろうねぇ。



さらに、驚いたのは、特別番組として、大正琴、詩舞とは、普通にあることですが、フラダンスが、あったこと!
可愛い子供たちから、素敵なお嬢さんまで、幅広い年齢層のチーム編成で、それは楽しそうに、素晴らしい笑顔で、踊ってくれました。

さらに、これは私の知識不足なのかもしれませんが、写真のような渋い色のスレンダーなワンピースで踊るフラもあったことです。

あとで、お聞きしたら、そのワンピースの色は、グレーだったそうです。照明の関係で、緑と紺とが混じったような色で、ビロードのような落ち感と手触りを思い浮かべる様な布でした。

強いライトを浴びた時、あんな上品な光沢を帯びる布って何だったのだろう。
舞台の衣装は、光を吸いすぎても地味すぎるし、反射しすぎても派手になるし。

心躍る、驚きばかりの舞台でした。


会員さんの独吟は、熟練の順番で、落ち着いて聞いていられました。
そして、何か違うと感じたのは、吟詠が、出だしよりも後半に行くにつれて、魅力と味を出してこられるということでした。

出だしの一声が肝心なのだと言ってきたけれど、ほとんどの方たちが、あれっと思うほどに、出だしでイメージした時よりも、転句から結句にかけての吟詠の趣が、まるで違う人であるかのように変わっていくのです。
吟力とかそういうのではない、それだけでは表してはいけない吟詠のすべてのことが、クレッシェンドなのです。

静かに入って、豊かに終わっていくというか、何か表現しがたいものが、胸に迫ってくるというか、インパクトなんていうものは、求めていないというか、自然の流れでそうなっていくというか。


まるで、重いトロッコが、ゆっくり滑りだして、気が付いたら蒸気機関車のように、風を切って走っているように、そして、重々しく停車して、存在感がまるで違うものになっていたというような。

こんな吟詠もあるんだなぁ。
きっと創始者の吟詠そのままを、写し続けてきた結果なのだろうと思う。
その創始者の音源と人となりをもっと知りたくなります。


そして、吟詠の長さが、それぞれが、とても違っているということ。

キーボードの伴奏付きで、その人の吟詠を尊重して、自由に詠わせる優しい奏法でしたから。

あまりにテンモ竰キさが違うので、思わずスマホの「吟トレ」を出して、時間を測りたくなりました。

測った10人の内、長い人は、2分17秒、短い人は、1分42秒でした。

最近、この流派では、CD伴奏の「カノン」を使い始めたそうで、ちらほらとCD伴奏の方も居らっしゃいました。

ゆかりの方たちの吟詠を聞き、最後まで都合で聞いていることができなかったのですが、驚きの連続の吟詠大会でした。

お招きありがとうございました。

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