東日本大震災 現地復興支援センター

・・・真宗大谷派(東本願寺)の東日本大震災による被災地での支援・復興活動ブログ・・・

2018年3月4日~5日 北海道教区有志災害ネットワーク「じゃがネット」/福島県相馬市・南相馬市・浪江町、宮城県若林区・名取市沿岸【視察】

2018-03-09 15:32:06 | 活動日記

北海道教区有志災害ネットワーク「じゃがネット」による視察です。

じゃがネットは、これまでも被災地において炊出し等のボランティア活動を行っていただいていたほか、北海道教区においてもボランティア研修会や映画上映など様々な活動を行っておられる有志の団体です。

1日目は、参加者それぞれが航空機を利用して仙台入り。

2日目は、レンタカーで一路福島県へ。車中では現地復興支援センターの木ノ下嘱託からいろいろなお話をお聞きしながら向かいました。まず初めに訪れたのは、相馬市の「相馬市伝承鎮魂祈念館」です。館内には、相馬市の歴史や震災前の市の様子、そして地震と津波によって甚大な被害を及ぼしたことを説明する資料が展示されています。映像資料では、津波が襲来した際の映像を見ることができます。

 

その後、祈念館の近くにある松川浦の食事処「たこ八」で昼食をとりました。ここでは、新鮮な海の幸を堪能することができました!

昼食後は南相馬市の原町別院へ。ここでは現地災害救援本部福島事務所内で、福島県内各地域の現状や放射能測定器を使った放射線の説明など、普段はなかなか聞けない実際の現場のお話をお聞きしました。

    

そして、浪江に向かう途中で小高区の大悲山の磨崖仏へ立ち寄りました。ここは、国指定史跡で東北地方で最大最古の石仏です。また、県指定の天然記念物の大杉は圧巻です。ここでは、山間の放射線量なども確認しつつ視察を行いました。山あいでは生活レベルに比べると放射線が多少高いところもあるのだと実感いたします。

その後、浪江町の請戸海岸へ。この日はあいにくの暴風雨で、海岸から福島第一原発は目視することは残念ながらできませんでした。そして、すぐ近くの慰霊碑を視察。その慰霊碑には、震災の日は津波が沿岸部を襲ったが、原発事故による避難指示によって捜索活動を行うことができなかった無念さが刻まれています。

3日目は、まず仙台市若林区の荒浜地区へ向かいました。以前は海水浴場としてたくさんの人の笑顔があふれていた海岸沿いに建設された長く高い堤防の上から、慰霊碑と津波浸水区域を望みました。ここから見ると、本当に仙台市中心部が近く感じます。

その後、若林区の海楽寺様を訪れ、坊守様と前坊守様からお話をお聞きしました。

海楽寺様を後にし、震災遺構の荒浜小学校跡へ。ここでも、津波の来るまでの小学校内の様子を当時の関係者の証言をもとに説明した映像を見ました。一つの判断が命を大きく左右する。だからこそ、普段からその意識的な備えをしなければならないことがよくわかります。

その後は、名取市閖上地区へ。災害公営住宅が建ち、閖上小中学校の新しい建物がほぼ完成していました。そして、閖上さいかい市場で昼食となりました。

昼食後は仙台空港へ。丸2日間の視察日程が終了しました。

今回の視察で特に印象的であったのは、海楽寺様での坊守様のお話です。7年という月日が経過する中で、震災を経験したたくさんの子どもたちの心の状態を心配しているというお話でした。幼いながら、目の前でたくさんの方が無くなる経験をした子ども。そんな中「いのちなんて軽いものだ」というご自分のお子様の発言に驚き、心配をされたそうです。しかし、よく聞いてみると「いのちなんて軽い。簡単に死んじゃう。だから、大切に生きていかなければならないんだ」と言われたそうです。子どもたちはそれぞれ、小さいながらに一生懸命震災と向き合おうとしている。それを、私たち大人はどのようにケアをしていくのか。大きな課題をいただきました。

じゃがネット視察報告→http://shinranweb.com/wp/?p=3833

 


2018年2月20日~22日 真宗大谷派三条教区教化センター第11期/福島県、岩手県陸前高田市、宮城県南三陸町【視察】

2018-03-09 14:05:03 | 活動日記

三条教区教化センター第11期の研修生と修了生、職員による東北三県の視察です。教化センターは、それぞれの期でこれまでも研修期間中に被災地視察を継続的に行っていただいております。

今回は、1日目に福島県二本松市や原町別院など、2日目に岩手県沿岸部から宮城県を南下する形で視察を行いました。

1日目は、はじめに二本松市の眞行寺様を訪れ、佐々木道範住職から震災後、原発事故を受けてどのように活動されてこられたのか、お話をお聞きしました。その後、南相馬市の原町別院を訪れ、現地復興支援センターの木ノ下秀俊嘱託よりお話をお聞きしました。その後、飯館村や浪江町をまわりましたが、居住制限区域が解除になった場所でも未だに住民が戻ることのできない現状などの説明がありました。

2日目は、今度はバスを北に向け、まず岩手県陸前高田市を訪れました。陸前高田では、市の建設部都市計画課の永山悟さんから市の復興計画について説明をしていただき、その後、一般社団法人マルゴト陸前高田の伊藤雅人さんから奇跡の一本松とその周辺をまわりながら、民間として市と協力しながら町をどのように再生していくか、そのビジョンや課題をお話しいただきました。そして、本稱寺様に向かい、佐々木隆道住職のお話をお聞きしました。その後は、南三陸さんさん商店街をまわりました。

3日目は、宮城県石巻市や松島の沿岸をまわり、新潟に帰られました。

今回の視察では、何度も被災地に訪れている方もおられましたが、前回来たときと町の様子が大きく変わっていることに驚いておられました。被災地は復興に向け、町の様子が日々変わっていきます。陸前高田市の職員の方の説明でも、「どのように外から人に来ていただける街に再生するか」ということをお聞きしました。復興に向けて前を向いて歩んでいく事は明るいことではありますが、その一方で「忘れられていく」という悲しさ、不安を抱えておられる方もたくさんいらっしゃいます。ですので、今回の三条教区教化センターの皆さまのように、継続して視察に来ていただけることが大変ありがたいことだと感じました。

これからの支援の形は「聞き 伝える」ことが大切だということを実感する視察でありました。