Right and Wide

シンガー・ソング・ライター田中正浩の素顔

続・5分で語る森友問題

2017年03月26日 | 記事

「4月中に新しいCDをリリースします」とFBで宣言してから2週間、何一つ着手できていない。

その理由は言うまでもなく森友問題。この問題に絡む話題が毎日のように(まるであの土地の下に埋まっている生活ゴミのように)出てきては、テレビやネットで大々的に報じられるようになったからだ。

地元の市会議員が「おかしい」と声を上げ、共産党が国会で取り上げ、ついにマスコミがワイドショーのネタにしだした。
妻から森友学園の先生の教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている」「いわば、私の考え方に非常に共鳴している方」と言っていた安倍首相がわずか1週間後には「学校についてはよく承知していなかった」、11日後には「教育の詳細は全く承知していない」と掌を返す。
いったん「認可適当」の答申を出したはずの大阪府私学審議会も「やばい」とばかりに認可取り下げに動き、ついには森友側が申請を取り下げ、4月に小学校が開校される事態は回避された。塚本幼稚園の廃園も噂されている。

しかし、もしもこうしたことが表沙汰にならなかったとしたら「瑞穂の國記念小學院」は戦後日本初の教育勅語を暗唱させる小学校として堂々と入学式を迎えるところだった。(そう思うとぞっとする。)

名誉校長に就く予定だった安倍昭恵首相夫人は、2015年9月5日、塚本幼稚園で行った講演で「普通の公立学校の教育を受けると、せっかくここで芯ができたものが揺らいでしまう」と語った。
そして籠池理事長の証言によれば、その直後「安倍晋三からです」と言って100万円が入った封筒を籠池氏に渡した。
これが真実なら「私の考え方に非常に共鳴している方」が小学校をつくろうとしているので、励ましの意味を込めてポンと寄付をした、というふうに読める。

この問題に詳しいノンフィクション作家の菅野完氏は昨日の講演の中で、籠池氏は2006年に教育基本法が「改正」されたことをきっかけに、その時流に乗ることで悲願の小学校開設に動き出したのではないかと指摘している。
安倍政権を事実上牛耳っている「日本会議」はそのHPに以下のように掲載している。

平成18年12月、国民待望の中59年ぶりに教育基本法が全面改正されました。私共は、全国各地における大会や街頭キャンペーンの推進、365万人の国会請願署名や37都道県420市区町村での地方議会決議などを促進し、その実現を図ってまいりました。改正された教育基本法には、道徳心、公共心、愛国心など日本人の心を育む教育目標が掲げられ、これにより混乱を続けてきた戦後教育を改革する大きな手掛かりが作られました。

以後、籠池氏は教育勅語を暗唱させる、隣国のことを悪く言う、など、彼らの歓心を買うべく「愛国心教育」を推し進めてきた。そしてそのことによって、脆弱な財政状況にもかかわらず、結果として「あと一歩で開設」というところまでこぎ着けることができたのだ。
菅野氏はこの10年間の歴史を見つめ、教育基本法「改正」後、日本の教育がいかにゆがめられてきたのかを検証する必要性を説いた。「瑞穂の國記念小學院」はいわば彼らの「申し子」であると。

それは的を射た指摘だと思う。そして考えてみたい。
もしも森友学園が十分な資金力を持っていたとしたらどうだろう?(たとえば今話題になっている家計学園にように)
あるいは、既存の学園がこうした「教育方針」に変更した場合、大阪府は認可するのか。


(↑「塚本幼稚園幼児教育学園」HPより)

森友問題はまだまだ謎に包まれており、籠池氏の証人喚問で幕引きは許されない。
そしてこれを入り口に、その背景にある闇に光を当てることができるならばと願う。
まだしばらくCD制作には取りかかれそうにない。


(↑「しんぶん赤旗」3/26 より)

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5分で語る森友問題

2017年03月12日 | 記事

つい先日、スペイン留学中の娘が帰ってきた。
今朝、駅まで送るついでにちょっと尋ねてみた。

「『森友学園問題』って知ってる?」
「さぁー???」

もう20歳なんだから新聞ぐらい目を通せよな、と思いつつ、駅まではあと5分。ごく簡単にまとめて説明してやった。

  • 森友学園という私立の学園があって、幼稚園と保育園を持っている。そこが小学校を作ろうとしたんやな。
  • それがや、名誉校長はなんと安倍首相の奥さん(辞任したけど)、名称も最初は「安倍晋三記念小学院」だったんやって。
  • しかも幼稚園では教育勅語を暗唱させたり、運動会で「あべしゅしょうがんばれ」「あんぽほうせいこっかいつうかよかったです」と宣誓させたりしている、まあ戦前の「軍国主義教育」がやられてたんやね。

  • もっとスゴイことに、9億円する国有地がタダ同然で払い下げられたことが分かって、国会でも大問題になってんねんか!

もう駅に到着してしまったんで説明は以上。
これで娘が理解できたかどうか?
おそらく、常識では理解できない事態が進行してる、ということは理解できたと思う。
たった2カ月留守にしている間にスゴイ展開だ。これからどうなっていくのか。まさか申請取り下げで幕引きってことはないでしょうな。それで国民が黙ってたらこの国は終わり!誰かのお友達だけが甘い汁を吸い、あちこちの学校で教育勅語が暗唱させられ、ヘイトスピーチがまかり通る…。そんな世の中にしては絶対いけない。

東京では築地市場の移転に絡んで石原元知事の口利き疑惑がクローズアップされていて「とよすのもりど、とよなかのもりとも」が東西の火種になっている。
豊中の問題には安倍夫妻と同時に、松井知事や橋下元知事の関与も疑われており、自民党、維新の会、日本会議を巻き込む一大疑獄事件の様相を呈してきた。

 

蛇足だが、昨日(2017年3月11日)、東大阪市の大阪府立中央図書館にあるライティホールで「福島・熊本震災チャリティコンサート」が開催され、娘も演奏させてもらったが、この大阪府立中央図書館にも「橋下維新」による自治体リストラの影が残っている。以下はWikipediaからの引用。


2008年、大阪府知事に就任した橋下徹は財政再建策の一環として、大阪府立国際児童文学館(吹田市)を本館へ統廃合し、児童文学館の約70万点に及ぶ資料を移設する方針を表明した。当初、本館の書庫に児童文学館の資料を全て受け入れる余裕が無く書庫の増築やデータベースの更新に新たな支出が発生することから、実現性を疑問視する意見や財政再建の方針に反するのではないかとの指摘があったが2009年3月に国際児童文学館の廃止条例が可決され、大阪府立中央図書館への資料の移転が決定された。 

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