Right and Wide

シンガー・ソング・ライター田中正浩の素顔

作曲者冥利

2021年04月03日 | 記事

1人の画像のようです

7年前にこんなことがありました。見ず知らずの人から声をかけられたのです。僕の作った曲「MY FRIENDS」がそのきっかけでした。

2014年6月11日Facebook

今日、すごい出会いがありました。
今日の休憩時間にカフェレストランきはだで食事をしていると、突然相棒の黒田さん(まさひろとその仲間のメンバー)から声をかけられました。コーラスの練習の帰りだそうです。退職教職員は平日も優雅だな~と思っていると、もう1人の連れの女性がわざわざ歩み寄ってきてあいさつされました。
「実は私、だいぶ昔田中さんの作った「MY FRIENDS」を学校で子どもたちに歌ったことがあるんです。ピアノで伴奏したんですけど、間奏のところ、楽譜がなかったので耳で聞いて自分なりに練習してやりました。これを作曲した人はどんな人かなとずっと思っていました。名前だけ覚えていたのですが、今日こうしてお会いできてとても嬉しいです。」
僕は、感激のあまり、言葉が出ませんでした。そして、固い握手をして記念撮影をしました。
https://www.facebook.com/photo/?fbid=1438792996387655&set=a.1407160912884197

なぜこのことを思い出したかというと、今朝なにげなく見たTwitterで作家の川上未映子さんが以下のように投稿していたからです。

2021年4月3日Twitter

夕方、あるカフェに行ったら目の前の女の子が凄く集中して本を読んでいた。見覚えがある表紙、え、と思ったら彼女が読んでいたのはイギリス版『夏物語』つまり『Breasts and Eggs』。深いため息をついて彼女が顔を上げたあと、目が合った。思わず「それ書いたんです、読んでくれてありがとう」と言っちゃって、そしたら彼女も「えっ?えっ?ちょっと待って、ミエコ・カワカミなの?わたしあなたの本が凄く好きで、えっ、今何が起きてるのかわからない。こんなことってある?あるの?」と言いながら、ふたりでちょっと泣いた。
刊行から毎日snsで沢山の人が写真やメッセージを送ってくれて、新聞もインタビューも書評もリストにも物凄く取り上げてもらって、沢山の人が読んでくれてるんだなあ、有難う、といつも思っているけれど、今日の思いがけない生の出来事に、ああ、本当に沢山の人に届いてるんだなと、本当に思いました。彼女が『Breasts and Eggs』を読んで、顔を上げてため息をついた瞬間の感じ、忘れられない。色んな国で、どこかで、みんな、こんなふうに読んでくれているんだ。翻訳をしてくれたデビッド、サム、本当に有難う。刊行まで尽力してくれたチームのみんな有り難う。これからもどうぞよろしく。本当に有難う
https://twitter.com/mieko_kawakami/status/1378010614627373064?s=20

僕は川上未映子さんにとても共感しました。(プロの小説家とアマのシンガーソングライターもどきを比べるのはおこがましい限りではありますが。)
小説も歌も作者の手を離れると同時にそれは「作品」として一人歩きします。そして運がよければ誰かがそれを見つけ、共感してくれたり、批評してくれたり。作者は自分の作った作品がどのように受け止めてもらえているのか、知る由もない。それがこのようにあるとき偶然にも出会ったりすると思わず涙したりします。
この間、「真実の歌PART-2~傘じゃない~」が日本のうたごえ全国協議会「全国創作センター」の推薦曲に選ばれ、「季刊日本のうたごえ」に楽譜が掲載されたことで見ず知らずの人からお祝いやレビューをいただくことが続きました。
https://www.facebook.com/groups/125408754820981/permalink/799554790739704/
今は昔と比べてSNSとかですぐにレスポンスが得られるようになりました。メッセージを読むのはとてもうれしいのですが、オフラインでの出会いに勝るものではありません。

写真の説明はありません。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする