Right and Wide

シンガー・ソング・ライター田中正浩の素顔

続・続・生保レディとの対話

2016年05月27日 | 記事

「○○先生、また部活指導ですか。」
「学年の打ち合わせかな、校外学習も近いし…。」
「いつ来ても先生たち、忙しそうですね。打ち合わせ終わるまで先生とおしゃべりしてていいかな?」
「また仕事の邪魔すんのかいな。まあええけど。明日は校外学習だし…。」
「どこに行くんですか?」
「京都市内の班別行動。自分たちで計画立ててお寺とかいろいろ回るやつ。自分らもやったやろ?」
「チェックポイント通るやつですね。」
「立命館大学国際平和ミュージアムって知ってる?必ずコースに入れることになっているんやけど。」
「どこにあるんですか?」
「立命館大学衣笠キャンバスの近く。行ったことないんかいな。詳しくは、ハイ、ホームページこれね。」
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/er/wp-museum/
 
「ふーん。京都にそんな博物館があるなんて知りませんでした。」
「たとえば、広島の原爆資料館はすごく有名だけど、原爆を投下されたという被害の記録に焦点が当てられているよね。でもここは15年にわたる『アジア太平洋戦争』の全体像が中学生にも理解できるように、豊富な資料や写真、年表などのパネルが展示されている。そもそも日本が中国に侵略戦争を仕掛けていったことが原爆投下にもつながっているわけだよね。被害の面だけでなく、加害の面からも目をそらさないという姿勢が大事だと思うから、その点でここは絶対行っておくべき所だよ。」
「そうそうオバマさんが広島に行きますよね。原爆投下について謝罪するんですか。」
「さあどうだか。新聞には『安倍さんこそ南京に行って謝罪するべきだ』って投書が載ってたけど、日本は中国をはじめアジアの人々にきちんと謝ることをしてこなかった。それが今の危うい事態を招いてしまったとも言えるね。」
「怖いですね。」
「沖縄の事件で翁長さんがオバマさんに抗議するみたいですね。」


「ひどい事件だね。沖縄だけの問題じゃなく、日本の国民が元米兵に強姦された上に殺された。国民の命を守る立場で安倍さんがもっと強く言うべきじゃないかな。お前ら出て行け!って」
「そうですよね~」


「ところでこの写真、アルバムのジャケットだけど、どこか分かる?」
「さあ?」
「今話してた国際平和ミュージアムのロビー。ここでミニコンサートをやったときの写真。後ろに像が写ってるやろ」
  
「ありますね。」
「わだつみの像。こっちの写真は正面から。『わだつみ』って知ってる?」
「うーん。なんか聞いたことあるような…。たしか『きけわだつみの声』という映画がありましたよね。」
「おっ!やるやん。どんな映画だった?」
「中身まではちょっと…。」
「映画のもとになったのは『きけわだつみのこえ』という、戦争で死んでいった学生の遺書を集めた文集みたいなもんや。学生が戦争にかり出されていった『学徒出陣』って社会で習ったやろ。」

「うん、知ってる。」
「当時彼らに生きるという選択肢は与えられなかった。だれも喜んで死ぬものはいない。いよいよ特攻隊に選ばれ出陣するときに思い浮かべるのは天皇陛下じゃなく、やっぱりお母さんなんだね。手記を読めば彼らがどんなに辛い思いでいたかが痛いほど伝わってくる。この像はその本と映画を記念して作られたものなんだよ。」
「へえーそうなんだ。」
「それからこの絵は何か分かる?」
 
「『不死鳥』かな?」
「そう、不死鳥。手塚治虫の『火の鳥』。永遠の命を持つと言われる『火の鳥』をつかまえようと、過去から未来まで、いろんな登場人物が現れては、夢かなわず消えて行くという話。過去と未来はつながっている、というメッセージが込められている。過去をきちんと見つめ、反省した上に未来が開ける、ということが言いたいのだと思う。」
「そうですよね。戦争はもう二度と起こしたらダメですね。」
「戦争のための基地もいらない。基地がなくならない限り、今回のような悲劇が繰り返される。ところがだ!『基地をなくせ、米軍は沖縄から出て行け』と頑張っている人たちを『キチガイ』呼ばわりする議員がのさばっているのが現状だ。」
「ほんと自民党はあきませんね。」
「でもそれを選んだのは有権者だからね…。」
「今度の選挙、先生が応援しているとこが伸びたらいいですね。」

「今日、うちの子遠足中止になってしまって…。」
「雨降ってないのに。弱気だね~」
「でしょ。せっかくお弁当作ったのに。お手紙には『小雨決行』って書いてあったのになあ。延期になったらまたお弁当作らないと。」
「たまにはお弁当も作ったりいな。」
「そうですね、中学校に上がったら毎日お弁当作らないと…。それはそうと、打ち合わせ、まだ終わんないみたいですね。」
「僕もそろそろ帰らな。トモとマツの介護が…」
「もしかして同居されてる…?」
「母と伯母。『トモとマツ』っていう歌、知ってる?これやけど。」
http://ha5.seikyou.ne.jp/home/Masahiro.Tanaka/Weblog/TM.mp3
「楽しそうな歌ですね。」
「『ヘルパーさんに付き添われて/今日も行くお買い物』ってくだりがあるけど、これを作った当時はそういうこともできてたんや。2年もたたないうちに買い物どころかまともに歩くこともできなくなってしまって。今では四六時中介護なしではやっていけない。」

「たいへんですね。」
「ほんとに。それで条件のあるときだけは家でみるようにしているけど、とてもじゃないけど2人の面倒をみてたらはこっちがつぶれそう。介護施設のショートステイとかデイサービスがどれだけありがたいか。」
「切実ですね。」
「ところがだ!」
「また来ましたね。」
「今の政府は介護報酬を引き下げたんやで。そんなことするから施設の側も給料を下げるか正採用を臨時採用で置き換えたりしてコスト削減せざるを得なくなり、結果として介護の質が低下してしまってる。ただでさえきつい仕事なのに、給料が下がっては『やってられっか』となるわな」
「そういえば介護施設で事件がありましたね。」
「ベランダから突き落とした。無認可の施設で火事になってたくさんのお年寄りが亡くなったってニュースもあった。
http://www.care-mane.com/news/567.html?CID=&CP=1
保育所の問題も深刻だね。とにかく、福祉にお金をかけない今の政治がアカン。」

「消費税は福祉のために使うって嘘ばっか。この上消費税を上げるなんて、とんでもないですね。」
「とにかく、今の政権には退場してもらいましょう。国民が安心して生きていける世の中にするために。」
「とりあえず中学校給食を実現してほしい!」
 

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続・生保レディとの対話

2016年05月02日 | 記事

前回に続き、某生命保険会社の若い外交員が登場。


「また来たん?ひまやな」 
「○○先生、家庭訪問みたいだし、帰ってこられるまで先生と話でもしよかなって。」
「こっちは忙しいっつーの。まあ、ちょっとぐらいならいいけど、何の話?」
「昨日、メーデー行ったはりましたよね。うちの父も行ってたって。」
「そうなん、それはええこっちゃ。」 
「給料上げてもらわんと!」
「ほんまやな。だいたい、消費税上げておいて給料も年金も下げるてどういうこと?お金持ちはタックスヘブンで税金逃れ。アベノミクスで1兆円稼いだ人おるけど、それって想像できる?」
「なんか、前もその話聞いたような…」
「1日1億円ずつ使っても死ぬまでに使い切れんお金やで。」
「すごいですね」
「感心してる場合じゃないで。そんな金あるんだったら困ってる人に回せって話。」
「そういえば熊本大変ですね。」
「あれな、わざわざオスプレイを2機だけアメリカに頼んで飛ばせたやろ」
「そうなんですか。」
「あれは『オスプレイは災害の時にも役に立ちますよ』という宣伝や。実際には段ボール箱200個運んで、ハイさよなら。引っ越しかっちゅうねん。しかも一刻を争うときに、自衛隊の部隊を先回りさせてお膳立てしてから出動してもらったっていう話や。それなら自分らで運んだ方が早いんちゃうん?」
(詳しくはここに書いてあります)

「へえー」
「そのオスプレイ1機で大体いくらか知ってる?」
「それも前に聞いたような…」
「覚えてへんのかいな。新車が1万台買えるって話したやろ。それをなんと17機も買う予定だってことも。そのうちの1機でもいいから買うのやめて震災の支援に回すぐらいのことできひんのかって言いたい。」
「そうですね!」
「うちの生徒会は校門に3日朝立ちして5万円集めよった。職員室でカンパ袋回したら1万円しか集まらへんかったけどな。」
「生徒会の勝ちですね。」
「このあいだ、僕らが駅前でカンパ集めたときも1時間弱で1万円以上集まったよ。多くの人が心を痛めて、少しでも役に立てばの気持ちを込めて募金に応じてくれるんや。貴重やね。だけど、そういうのって本来は国がやるべきことと違うんかな。」
「そうですよね~」
「有り余るお金を持ってる人からそれ相応の税金を取って、困っている人に分けるのが本来の税制というものやと思う。今の政権はお金の集め方、使い方が根本的に間違ってるんや。」
「困ったもんですね~。それにしても○○先生遅いですね。」
「僕も疲れてきた。そろそろこの話やめよか?」
「ううん、おもしろいし、もっと聞かせて。」
「そうか、わかった。今、いろんなことが日本中で吹き出てきてるのは知ってるか。」
「それもこの前聞いたみたいな…」
「戦争法反対だけじゃなく、沖縄とかTPPとか、最近では保育所とか学費の問題とか…」
「うん、なんとなく知ってる。」
「このままでは何ともならん。何とかしてほしい、と色んな人が声を上げ始めてるよね。」
「けっこう、若い人も頑張ってますね。」
「それで北海道5区の選挙があった。町村信孝さんていう、文部科学大臣もやったことある人が亡くなって、補欠選挙になった。それで、自民党は町村さんの娘婿を立てて圧勝を狙ったんだけど、結果は僅差で辛くも逃げ切った。」
「ふーん」
「対立候補に立ったのは2人の子どもを育てるシングルマザーの池田真紀さん。その人を野党が統一して応援することになったわけ。野党の皆さんも市民の願いをかなえるためにはあれこれ言ってる場合じゃないと、力を合わせることにしたんや。そしたら予想を遙かに上回る善戦健闘で、もうちょっとで勝てるというところまでいった。2カ月後に迫った参議院選挙に向けて野党の側は手応えを感じたし、一方の与党はかなりびびってるって話だよ。」
「それにしても○○先生まだですかね~。」
「遅いね…。ところで、子ども2人だったっけ?」
「うん、小2のお姉ちゃんと年中の弟。ねえ先生、誰かいい人紹介してよ!」


そういえばここにも頑張ってるシングルマザーがいました。こんなに聞き上手な人をお嫁さんにもらってくれる人、どこかにいませんか?

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