歌よみもどきの書

歌詠み「もどき」のあかんたれが吐き出す、短歌になりきれない五七五七七の羅列です。

歌会始

2015-01-15 | 学習ノオト

歌会始の儀については、宮内庁のサイトに詳しくありますが。
中世にはすでに存在し断続的に継承されていたものが、生涯で93000首の短歌を詠まれた明治天皇の御代に現在の形になったようです。
詠進の根性のない私も、皇室の方々のお歌に触れる機会で楽しみにしております。

平成27年のお題は「本」でした。
こちらより両陛下の御歌を引かせていただきます。




天皇陛下御製

夕やみのせまる田に入り稔りたる稲の根本に鎌をあてがふ



皇后陛下御歌

来し方に本とふ文の林ありてその下陰に幾度いこひし





天皇陛下の詠まれる御歌には、大きさ、広さ、深さというものを常々感じておりましたが。
今年は、強さを感じるというか畏怖の念をもたずにおれぬ気を感じました。
解釈について色々と賑やかなようですので、私はこれ以上は申しません。

それより!
と申しますか。
そうやったんや!
と気づいたことがあります。
ここ数年。
何か物足りない?気がしておりまして。
その訳が分かったのです。




眞子内親王殿下

呼びかける声に気づかず一心に本を読みたる幼きわが日



佳子内親王殿下

弟に本読み聞かせゐたる夜は旅する母を思ひてねむる




お二人の姫宮さまの御歌を拝読して気づきました。
紀宮さま(現:黒田清子さん)がいはらへんしや!と。(今頃^^;)
当時の紀宮さまの御歌、好きやったなぁ。。と。
マシな歌はあってもまともな歌がひとつもない私が、お上手とか素晴らしいとか言える筋ではないのですが。
歌のもつ、魂に訴える力みたいなモノを、お優しい心根でさり気なく、けど心底まっすぐに詠み込まれていて、表現が美しい!

例えば、(20年の節目なので)紀宮さまが詠まれたもので阪神大震災関係のものを引かせていただきますと・・・


  水仙
傷ましきがれきの上に手向けたまふ君が水仙は白く花咲く (平成9年)
     両陛下、阪神大震災被災地お見舞ひ   


  
被災より五年(いつとせ)迎ふ神戸なるみやしろのえとに添ふる折り鶴 (平成12年)


     
  
白木蓮(はくもくれん)のつぼみゆるらかにひらくらむ六年(むとせ)を経たるかの被災地に (平成13年)
     阪神・淡路大震災より六年が経ちて



心を寄せる、思いをいたす、とはこういうことかと思います。
特に折り鶴の御歌は、宮さまのお優しさがよう現れているようで好きです。
もう少し、留め置かせていただきます。

紀宮さま御歌

  
散りしける桜の花を舞ひあげて坂こぎくだる自転車の少女 (平成8年)

  歌会始御題 春
降りやみてあしたいよいよ春めかむ窓にきき入る苑の雨音 (平成14年)

  蜜柑
投げあぐる高みの空は青ひといろみかん冬陽(ふゆひ)に照りかがやけり (平成15年)

  手袋
雪に遊ぶわが赤き手にはめたまひし手袋は御手(みて)のぬくみ残して (平成16年)

  つばめ
子つばめの羽ふるはする電線にきぞのよの雨白く光りぬ (平成16年)





美しく凛々しくご成長された眞子さま・佳子さまの御歌が、歌会始でも華を添えられる時代になったことに感慨をこめて。。




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