歌よみもどきの書

歌詠み「もどき」のあかんたれが吐き出す、短歌になりきれない五七五七七の羅列です。

3Dパーツ

2017-05-26 | 五七五七七




愛用のレンズキャップの失せたればダメ元【ゆるぼ】をつぶやきてみむ


ゆくりなくわれの不運を救ひたる人ゐ給ひて Viva Twitter


早々(はやばや)と届くは備前の消印に「3Dパーツ在中」の文字


丁寧に試作も同梱し給へり 彼の人もしやロボコニストか












iPhone用のクリップ式のマクロレンズを買ったのはGW(といっても連休なんてなかった)のことでした。^^v
いつでもどこでも持ち歩けてさっと出せてパシャ!って撮れれば用の足りる私には、デジイチはおろかコンデジでさえ面倒だったもので。^^;
またこれが優れモノでして!
1380円でこんなに遊べるのかwと調子に乗って見境なく撮りまくり、常日頃からきものの衿に挟んでおりました。











で…
はい、一々お片づけをしない私が悪うございます。U_U
入手してひと月も経たぬ間にレンズキャップを落としてしまいました。T_T
自分ではいかんともしがたいのですが仕事中に(ごめんなさい)ふと思いついて、ダメ元でTwitterで呼びかけてみました。^^v

【ゆるぼ】クリップ式のレンズキャップを落として不自由してます(´༎ຶོρ༎ຶོ`) 3Dプリンタで作れるよ!という方、送料込のお見積りをDMくださいm(_ _)m 数量:3ケ 納期:要相談(早い方が嬉しい)普通郵便でOK 心優しい方のご協力をお待ちしてます(o^^o)



と。
(今考えると、断面図もない下手くそなマンガですねw)
すると、なんということでしょう!
1時間もせぬうちに、試作の写真つきでDMをいただき、3日もせぬうちに送ってくださる心優しい方がいらっしゃいました!!
申し訳ないほどに良心的なお値段の上、「だめなら切手代だけでいい」とメッセージが添えられていました。






ぴったりフィットで使えます!(トップ画像)
試作品もノープロブレムです!
これだけあれば、いくら落としても大丈夫!?
あ、いえ、スペアを使わなくていいように大切にいたします。*^^*
本当に、助かりました。
ありがとうございます。m(__)m
この場を借りて改めてお礼申し上げます。




理屈を形にするのが技術って誰かが言うたはりましたが。
こんなにスゴイことが、こんなに身近に可能になるんて。
かつ一般人に優しく使ってもらえるなんて。
ニッポン万歳!って、ちょっと誇らしく思った次第です。(`・ω・´)ゞ


『口実』Ⅲ

2017-05-13 | 備忘録

今更感が漂いますが、昨年末に入手して感想を下書きトレイに書きかけで放置して…現在に至りました。^^;

『口実』は、創刊号2号と出て、この3号がラストになります。
(詳細はリンク先の記事をお読みいただければと思いますが)たまたまTwitterで知って結構ツボにはまってファンになって…からの最終号。
正直淋しいですが、何事も終わりはあります。
そしてそれが次なるステップの始まりでもあるのですから、今までおおきにありがとうございます!な思いを込めて(間抜けなタイミングはご容赦いただくとして^^;)つつしんで感想記事を上げさせていただきます。m(__)m



先ずは装丁。
離婚届じゃあ~りませんかっ!?
人妻たちの同人誌の最終号でテーマの「別れ」にもかけて終わりの始まり、ってことですね。
モノクロのぼかし加工でよかったです。
あまりリアルすぎて品がなくなると嫌やもん。
等身大で身近で、けど、どこかカッコいいなって惚れるファンの(いや私個人の?^^;)人妻のイメージを大事にしたままで終わってほしいもん。


メインのお歌の連作については後に譲るといたしまして。
以下、ざっくりと内容の紹介を。

短歌をもとにした短編小説<短編の実>
創刊号では、短歌も短編小説も同じ人が書くリレー形式。
2号では誰かの短歌に他の誰かが小説という形。
最終号ではそこからまた進化して、それぞれが一首詠み、他の3名がその短歌をもとに短編を書くという形でした。
私も、最初に短歌を黙読して、音読して、もう一度かみしめて黙読して、自分なりのイメージを浮かべてから三者三様の短編を続きで一気に読みました。
4名の方の個性が際立って面白かったです。
(四つ目の「テオティワカン」は、鳥栖さんと同じ発想で地味に感激しました。←)
短歌の解釈がぶれるのあまり良くない(気がします)けど、そこから広がる世界観は読み手の自由なんだ!って改めて思いました。


匿名連作の<アイリスハイツ城池F棟ー短歌ミックス>は今号も面白く拝読しました。
創刊号でD棟やったのがF棟になってるのは舞台が違うってことやとしても。
なんで「アイリス」なんやろ、花言葉やろか、ギリシア神話やろか…と深読みしたいのを置いといて。(笑)
先ずはメンバーの、雨宮真由さん、柴田瞳さん、鳥栖なおこさん、温井ねむさんのお歌を嗅ぎ分けてやるwとゲーム的な楽しみ方ができます。
不勉強な私が「らしい」などと口にするのは軽々ですが。
それでも「あ、これ〇〇さんかな」「●●さんっぽい」「□□さん臭がする」と表現や目線を推理したり、(他にもゲスト参加の方の短歌が混じってるのですが)「これは4人の誰でもない!」とか、ひとりで盛り上がれました。
それと今回は、妻バージョン、夫バージョンとあり、男性も女性も妻や夫になって詠まれているのですが。
夫バージョンがいずれも未練たらしさ全開で、男性女性ともに「上手いことなりきって(別れを)詠んだはるな~」と感心いたしました。


それでは巻頭の<短歌連作>の感想を…
無理から拙い短歌(もどき)にしてみますと。。



朝な夕な 口実・企て・愛・歌を人妻たちは育みてをり

家の数、妻の数ある歌ひ方 見事に整ひ四十奏(カルテット)なす



お粗末さまです。m(__)m
なんか、自分でも詠みたくなりました。
3号通して読み逃げしたらあかんかな~的な。^^;
後で、四名のお歌から私の好きなものを引かしていただきますが。
今回は四名がそれぞれに「口実」の歌を一首詠まれてます。
難しいことは分かりませんが、題材や、表現、トーン等、当たり前ですが、それぞれから受ける感じは違います。
雨宮さんのお歌は、尖った切なさがたまりません。
柴田さんのお歌の底流に感じる潔い日常が快いです。
鳥栖さんのお歌は、もしかしたら私と感性似てるかも…と近しいものを感じます。
温井さんのお歌は、重い静寂があって背筋が伸びます。
(いずれも、あくまで私個人の感想です…てなんか広告の言い訳みたいですね。^^;)
けれど、うまい具合にまとまってるんです。
足し算じゃなくて掛け算されてるみたいに、調和して広がってるんです。
巻末の紹介欄で、柴田さんが「わたしに何かあったら歌集より口実から代表歌を選んでほしい」と書かれてます。
ああ、そんなに気合入れたはるんや、やっぱり…と納得しました。
(脱線しますが『月は燃え出しそうなオレンジ』は『月は…』で私は好きです。版元の仕打ち?で嫌な思いを起こさはるなら悲しいです。作風が違うのは進化の証。また次に「代表歌はここから!」と言われるものを作っていただきたいです!)

うだうだと書くよりも、百聞は一見にしかず。
私好みのお歌三首ずつと「口実」の入った一首を、それぞれに引いて冗長な感想文を〆させていただきます。
『口実』、ええ同人誌でした。
ありがとうございます!
メンバーの4名さまの今後のご健詠・ご活躍を陰ながらお祈りしております。m(__)m




作戦は幾重にも張る狙うとは必ず奪うことの前段

やりきれぬ思いのにじむ爪先へ私の聞けない弱音が溜まる

間違った予言はたださず次に会う口実として静かに握る

前髪を風にやらせて佇んで私の危ない光がわらう

  (危ない光   /   雨宮 真由)





少しずつ小さな庭を整える生活とのきまじめな関わり

前世でも逢ったのでしょう口実をひねりだしては会社をぬけて

星ひとつ滅びるころに光量の足りない部屋で捧げる祈り

きみというひとに出会えてあとはもう余技でしかない人生をゆく

  (たまゆら  /  柴田 瞳)



ゆるし方忘れた夜のぬか床の右手に纏わりついたしずけさ

口実を用意できないまま君に電話をかける 星うつくしい

アボカドの種をくるっと取るように丸ごとわすれてほしい夕暮れ

アスパラの先端部分をあげること愛と気付かぬ男と暮らす

  (キッチンと幸福の亡霊  /  鳥栖 なおこ)



生きるという気持ちどうしても弱い子が犬の額の窪みをなでる

かみさまの留守を口実にあらたまの春の三越にかたち溢れる

青磁器の水差しのごと足いっぽんなげだされたり朝の風呂場に

手を振って息継ぎをせぬクロールの正しいフォームで夏がゆきたり

  (正しいフォーム  /  温井 ねむ)