ニュースでは「極めて異例」と言ひたれど本気に方向予告はなきと
いわし漁の船は無事との報道を弁当作りながら聞く我
円買ひとL字テロップ出る様をアラート鳴らぬ地で伝え知る
「脅威ではないと評価する」国をひたすら頼る他に策なきや
夫(つま)も吾(あ)も平常通りにスタートす Jアラート鳴る地の人も
さ夜中に届くmessage(メッセ)は繰上げの帰国とメキシコ出張を告ぐ
国の名をググればもれなく「治安」付く さふいふ処へ子は行くといふ
コンビニにおでん売らるる候となり夏物一枚ずつ仕舞ひたり
髪の毛の十分の一の誤差競ふ子の母一分(ぶ)は誤差内と和裁
街のさま西条八十の夜曲とはまるで異なる工業地らし
タクシーでホテルと職場の往復す 運河も刺繍も知らぬ夜更けに
愚息儀。
お盆の帰省の際に「行きたない」と散々きかされた中国出張に、本日無事に出発いたしました。
半導体を生産するマシンのプログラムをしてるらしいけど詳しいことは把握せず。
というか、聞いたら色々言うてくれるのですがさっぱり理解できず。^^;
唯一分かったのは髪の毛の十分の一の誤差までしか許されないということと、失敗は許されないということ。
「蘇州て運河の都やろ?
蘇州刺繍のお土産欲しいなぁ。
ちゃんとしたお土産屋さんは高いやろし、エエとこ取りして半衿になりそうな端切れあったらそれでエエし。」
なーんて言おうものなら、
「遊びとちゃうわ!
大体、朝から日付が変わる頃まで2週間ぶっ通しで働くねんぞ。
休みないし、観光なんてできんわ。」等々前回、前々回の愚痴があふれます。。
身体に気をつけて、プロジェクト成功しますように。
北の将軍様が暴走したりしませんように。
元気でお気張りやす&お早うお帰りやす!!
*画像は「蘇州夜曲」の歌詞(by 西条八十)です。
息子の話と全く違いますが、蘇州というと私はこちらのイメージですね。
そうそう、1分(鯨尺)は約4㎜です。
和裁を4年しても「誤差内」でざっくり縫う私の息子とは思えん細かいことしてるみたいで、密かに尊敬しております。
帰省せし子のため息は癖なるや 気兼ねなく吐けせめて実家(うち)では
盆明けにまた海の外(と)へ出張るらし まともな料理食べさせぬ間に
街中に陽気な外国人をりて「はっぴーお盆!」と言ふ声を聞く
引越し後ひと月経ちて訪へば幾筋もの帯たちまち出さるる
電話するほどにもなきとひたすらに待ち給ひしか蒸し暑き日々
まるで里帰りの娘にもたすやう夕餉の酢豚を取り分け給ふ
ミラーには角曲がるまで映りゐて料亭時代のお見送りのやう
お稽古帰りに 女将さん を訪ねました。
引越し1か月…少しは落ち着かれた頃かな…と。
色々いただいた中に使わなさそうなサロンエプロンがあったのでそれであずま袋を作り、お土産の黒豆茶を包みました。
開口一番、
「あんたに貰て欲しいもんがまだあるんやけど電話かけてわざわざ来てもらう程でもないし、いつ来るかなてずーっと待ってたんえ」と。
玄関入ってすぐの物入から紙袋を出し、「ほら!」って。
なんか、胸が熱くなりました。
そして今までリスペクトの対象の女将さんを初めて可愛いと思ってしまいました。
帯の他にも「もんぺ作りたいけどお手本がない」と言ったのを覚えてくれたはって、わざわざ発掘したもんぺ等も入ってました。
「来るって分ってたらもっとようけ作ったのに」
と夕食に作った酢豚を取り分けて持たせてくれはった。
女将さん、お元気そうでよかった。。
モノそのものもありがたいけど、女将さんのキモチがすごく嬉しかったです。
おおきにありがとうございます。