せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

終焉ターミナル

2007-09-09 13:06:00 | その他
『別れてくんね』


授業中、無遠慮に届いたメールには題名もなにもなしにその一言だけ書いてあった。ああやっぱりと思いながら、必死で涙をこらえた。
女が居たんだ。気付かれてないと思ってたみたいだけど。
とっくに気付いてて、でも知らないふりしたのは、まだ好きだったからなんだけど。口ではまあいいやと言いながら、そう割り切れないのが私の悪い癖だと思う。


『私から言おうと思ってたんだけどね。そうしよう』


送信ボタンを押してから、ばちん、と乱暴に携帯のディスプレイを閉めた。反動で、横の席で寝ていた野球部のエース君(名前忘れた)がおきて、周りを見回していた。その拍子にばっちり目が合って、何よ、と文句を込めて睨むと、笑顔で返された。(何アイツ!)
それからしばらくして、またメールが届いた。どうせあいつからなんだろう、と思いながら開けると、そこには知らない名前。「やまもと、たけし」反射的に口に出してからしまった!と思っても、後の祭り。横を見れば、悪戯が成功した子供みたいに笑っていた。


『今にも泣きそうな顔だけど、どうしたんだよ』


そんな馬鹿な、と思った。気付かれるはずなんかないと思ってた。今まで誰にも気付かれたことなんかなかったのに!あいつはこともなげに見破ってしまったのだ、(信じられない)(きっとあてずっぽうだ)


『根拠の無いこと言わないでよ。思い違いでしょ』


―――
中途半端の何が悪い(帰れ
これ、差出人不明 宛先君への没ネタ。
というより一文を抜き出して書いたやつ。