せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

Un cane arrabbiato nella gabbia.

2008-04-13 01:22:36 | その他
かつり、かつり、音が鳴る。火を灯した真っ白い蝋がひたひたと床に垂れる。ひたひたと手にかかる。痛くて熱い、でも綺麗!上機嫌で歩く今日は真っ暗で、きっと地下のどこか。檻の中で誰かが叫んだ、此処から出してくれ!でもマ・メールは絶対に何も言い返しちゃ駄目だって言ってたからずっとずっと何も聞こえないふりをした。でもそうしている内に白い何かが柵を通り抜けて飛んできて頭に当たった。ハンプティ・ダンプティのお兄様とお話しているときのように頭が痛くなって、でもお兄様にされるより痛かった。どろりと伝った生暖かいもので火が消えて、何故かとっても頬がかっとなって。文句を言ってやろうと思ってそちらに顔を向けて吃驚!既にその人は死んじゃってた、お首が皮一枚だけで繋がってるような不恰好な状態で。

「オレのリジーに何しちゃってんの、囚人の分際で」

アントワネット!アントワネットは飛びつくわたしを快く受け止めてくれていつも抱き上げてくれる。長い前髪で表情は見えないけれど、わたしとお話をする時だけはいつも笑って居てくれている気がする。髪の毛の長い銀髪の方とは全然違うのね!そう言ったらアントワネットは唇をつり上げて笑いながらこう言ったわ、あいつに聞かせてやりたいよ、だからもちろん言ってあげた!でも酷いのよ、あの人ったらわたしのお腹を左手で殴るの。変な音がして甘ったるい匂いがした、でもマ・メールの匂いだからわたしは好きよ、でもなんだかあの人にされたっていうのは気に喰わない!

「うしし、ホンットよくわかんねー女。だからそれはチだって言ってんじゃん、チ。虐待受けてるっていい加減気付けよ」

だからチってなあにアントワネット。そう言うといつもアントワネットは大きく息を吐き出してからわたしに銀色のティアラをくれる。一本の時もあれば、ワイヤーに通したまま千本くらいくれることもある。だからわたしは城内を歩き回ってアントワネットと出会うことを楽しみにしてた、だって彼はマ・メールの次に大好きだから!

「どこがいいんだか?うしし、そうだ。あんな奴よりオレにしちゃいなよ、リジー」

何だか含んだように笑うアントワネットの笑顔が近付いて来た。視界が金色に染まりかけたとき、また白い円盤状のものが飛んできた。でもアントワネットはティアラを投げて打ち落とし、それから指を動かすだけで空気をティアラでなでる。それからそれから地下一杯に甘ったるい匂いが充満して何もわからなくなった。マ・メールの匂い、良いそうな気分!視界が金色に染まろうとしたときわたしは思わず叫んだ。

「ああ、銀の仙人掌だわ!」

アントワネットの肩口が覗いた。

―――
(狂気のせめぎ合い)


リジー16歳程度。この異様な物知らずと精神状態は
軟禁と虐待と情報制限によって出来たもの。重い…(…)

通称アントワネットは初書き。一人称忘れた(貴様)
ちなみに「仙人掌」はサボテン、と読みます。
まあ誰かはわかるんじゃないかな、と思ったり。
マ・メール>>>>>>>>アントワネットぐらいです。
その次がウッドチャックで、四番目がMr.メリー。
後はヤンキー・ドゥードル、コール王(結構下)
ソロモングランディーと続きます。ソロモン爆笑。