援軍として送られた山本が着いた時にはもう全てが終わっていた。ローレンは遅過ぎる、と心の中で眉を寄せて、ナイフについた血を払った。そして彼がローレンにはじめて掛けた言葉は
「いつ見ても残酷」
だった。ローレンは「失礼」と謝罪とも社交辞令ともつかない言葉だけを残して、前を進もうとした瞬間靴に当たった胴体を蹴り上げた。ぐしゃ、という音で、それがこの16階から落ちたことを告げた。
「全員即死、か?」
「何か文句でも?」
「最後の言葉くらい残させてやってもいいんじゃないか?」
あら、とさも驚いたような表情を作ってから、挑発するように笑んで、そんなことが可能だとでも、とローレンは呟いてみせた。
「最後の一言を言える程度の傷で、攻撃の力を残させない殺し方なんて私には無理だわ」
「現実的過ぎじゃねーの?」
「もっと言わせてもらうなら」
顔を歪めた山本を振り返って、ローレンは冷酷そのものの表情で言う。
「そんなことが可能"だった"のはリボーンだけでしょうね」
瞬間的に眉を顰めた彼になど目もくれずに、ぶつかる死体を手当たり次第蹴り飛ばしていくローレンを見て溜息を零しながら、山本はさくらの背を追った。
「どいつも喉を掻っ切られてる。しかも即死するやり方で」
「"死ぬ気で"仕込まれたから。それに即死でない意味なんてないわ」
「・・なあ、獄寺がお前のことなんて呼んでると思う?」
ローレンはふと目線だけを山本に移し、何?と呟く。
「アーレース」
「!」
「ギリシャ神話の破壊神だ。またの名を『城壁の破壊者』」
「・・いやぁよ。人間のディオメデスに負けてるじゃない。誰にも負けたくなんてないわ。ほんと失礼にも程があるんじゃなくて、あのボウヤ」
間違ってるわ、と、ローレンは微笑む。目には狂気を滲ませて。
「名を呼ぶならユスティティアと」
――
(アーレースとディオメデス)
ありえない、と男は声を上げて笑った。
気に入らない(ドーン
アーレースはローレンでディオメデスが山本。
偽者山本。通称「や魔王様」(ださッ!!!
付け焼刃の神話系は難しいですね。
もっと知りたい。神話好きなので。
ちなみに題名は「こわれたメシア」。
ナイトメアという曲の歌詞です。
大体ユスティティアはローマ神話なんだけど。
「いつ見ても残酷」
だった。ローレンは「失礼」と謝罪とも社交辞令ともつかない言葉だけを残して、前を進もうとした瞬間靴に当たった胴体を蹴り上げた。ぐしゃ、という音で、それがこの16階から落ちたことを告げた。
「全員即死、か?」
「何か文句でも?」
「最後の言葉くらい残させてやってもいいんじゃないか?」
あら、とさも驚いたような表情を作ってから、挑発するように笑んで、そんなことが可能だとでも、とローレンは呟いてみせた。
「最後の一言を言える程度の傷で、攻撃の力を残させない殺し方なんて私には無理だわ」
「現実的過ぎじゃねーの?」
「もっと言わせてもらうなら」
顔を歪めた山本を振り返って、ローレンは冷酷そのものの表情で言う。
「そんなことが可能"だった"のはリボーンだけでしょうね」
瞬間的に眉を顰めた彼になど目もくれずに、ぶつかる死体を手当たり次第蹴り飛ばしていくローレンを見て溜息を零しながら、山本はさくらの背を追った。
「どいつも喉を掻っ切られてる。しかも即死するやり方で」
「"死ぬ気で"仕込まれたから。それに即死でない意味なんてないわ」
「・・なあ、獄寺がお前のことなんて呼んでると思う?」
ローレンはふと目線だけを山本に移し、何?と呟く。
「アーレース」
「!」
「ギリシャ神話の破壊神だ。またの名を『城壁の破壊者』」
「・・いやぁよ。人間のディオメデスに負けてるじゃない。誰にも負けたくなんてないわ。ほんと失礼にも程があるんじゃなくて、あのボウヤ」
間違ってるわ、と、ローレンは微笑む。目には狂気を滲ませて。
「名を呼ぶならユスティティアと」
――
(アーレースとディオメデス)
ありえない、と男は声を上げて笑った。
気に入らない(ドーン
アーレースはローレンでディオメデスが山本。
偽者山本。通称「や魔王様」(ださッ!!!
付け焼刃の神話系は難しいですね。
もっと知りたい。神話好きなので。
ちなみに題名は「こわれたメシア」。
ナイトメアという曲の歌詞です。
大体ユスティティアはローマ神話なんだけど。