せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

破壊玩具劇

2007-03-27 16:02:01 | 小説


あたしは壊すことも作ることもできない、ただの半端者さ。


ああ悪いね、変な言葉を聞かせちまった。なんだい、えーっと・・そう、剣だ。両刃かい?片刃かい?・・両刃だね、わかった・・・その顔はなんだい。今の話の続きを聞きたいって?・・・物好きも居るもんさね。いいだろう、少し付き合ってもらおうかね。

あたしの正体は知ってる?なんだ、知らないのかい。

あたしは東の方の国で作られてる精密機械さ。聞いたことぐらいはあるんじゃないかね、アンドロイド。この体には沢山の爆薬や銃弾やその他もろもろの銃器が埋め込まれてるんだよ。
あっはは!そんなに驚かないでおくれよ。あんたが今から買う剣だってその内さね。

あたしは作られたその瞬間から"心"ってものを持ってたんだ。はじめて人を殺したときは、それはそれは怖かったよ。でもそれ以上に死ぬのが怖かった。だからあたしはその辺のアンドロイドと同じように振舞ったさ。無表情に、無感情に、主人の命令は絶対、ってね・・。
おや。聞き出したのはあんただよ、最後まで聞いてきな!
あっはははは!もう少しで終わるさ、もう少しだけ、付き合ってくれないかい。

それからね、あたしと同じようなアンドロイド・・まぁ、平たく言えば感情を持った奴等さね。そいつ等が脱走して、一時期大騒ぎになったもんさ。あたしは・・・逃げられなかったよ。
それからしばらくして、あたしの作られた国の城が落ちた。そいつ等が反戦派の奴等を連れて攻め込んできたんだ。ああ助かった、と思ったよ。涙は出ないさ。あたしはアンドロイドだからね。

それからあたしはこんな遠くまで来て、武器屋をやってるんだ。

ああつまらない話を聞かせちまったね・・でも聞いたのはあんただよ。さあこの剣なんかどうだい?・・・え?知り合いが同じようなのを使ってる?そりゃあ奇遇だね!その剣の御代はいらないよ、持っていきな。いいってことさ。
ああ待っとくれ。最後にあんたの名前を聞かせてくれよ。もう会うことも無いだろうけどさ。

・・・ロレインっていうのかい?そりゃあ奇遇だね!あたしの知り合いにもロレインっていうアンドロイドが居るのさ!


(破壊玩具劇)

この店に来たのは"人間の方の"ロレインですよ(何
というかこの人誰だろう。ルッツァの友達でいいや(なげやり
というか題名があってないねうんごめんわかってるって。

千年桜

2007-03-27 13:55:11 | 小説


ちょいとそこ行くお方、俺の話を聞いてくれよ。


ありがとよ、優しいお方。
俺ァは旅の傭兵さ。名前か?名前なんてのはとっくの昔においてきちまってなァ。生憎だが持ち合わせてないんでェ。
嗚呼、今日はいい桜日和さなァ。だがちぃと咲くのが早過ぎたみてェだ。
んじゃあよ、あんたも折角止まってくれたしよ、そろそろ話し出そうか。

あるところにな、病気の女が居たんでェ。

そいつにゃ2人の兄とひとりの弟が居てなァ。2人の兄はァ、その国の戦争に借り出されてさァ、看病どころか顔も見せられやしなくてよ。ひとりの弟はァ、まだ子供でな。女の面倒どころか自分の面倒も見られやしねェ年だったんだ。
案の定、弟は死んじまった。女はァ動かねェ足を引きずってよ、動かねェ弟を抱き上げて、そりゃあ涙で洪水ができるくらい泣いたんでェ。
そしてな、2人の兄のうち、ひとりは戦争で死んじまってなァ。もうひとりの兄はよォ、それを見て、さっさと戦争なんざ終わらせてェと思ったわけさァ。
んでな、そいつァ敵味方区別無くよォ、切り捨て続けたんでェ。最早無敵さァ。そいつがよォ、気付いた時にゃ、周りには原型も止めねェくらいの死体が山のように転がっててなァ。そいつァ、指名手配になっちまったんでェ。

女だがよォ、その兄が行ったときにゃ、もう死んでたんでェ。

病かって?いいや違ェ。指名手配の兄の親類ってこって、切り捨てられてたんでェ。埋められることもなくよォ、地面に転がっててなァ。そいつァ女を埋めてなァ、旅に出たよ。女の仇を見つけるためになァ、その憤りをぶつける為になァ、傭兵になったんでェ。
千年近く経った今もよォ、そいつァ千年桜の近くの岩に座ってよ、道行く人にこの話を聞かせてはァ、雇ってもらうのを待ってるのさァ。

ッハハ、そんな顔しねェでおくんなせェ。

でもよォ、俺の座ってる岩の上が、かの有名な千年桜さァ。・・さァてな、この話を信じるか信じねェかはあんたの自由さァ。
・・あんだって?俺がその傭兵?・・・ッハハハハ!こりゃあおもしれェ人に出会ったもんでェ!今まで百と四十六人に話してきたが、んなこたぁ言ったのァあんたがはじめてだ!

俺ァしがない旅の傭兵さ。名前なんてのはとっくの昔においてきちまってなァ。生憎だが持ち合わせてないんでェ。
嗚呼、今日はいい桜日和さなァ。だがちぃと咲くのが早過ぎたみてェだ。

俺ァもう誰が憎いのかもわからねェ、ただの狂戦士さ。


(千年桜)

ありがち(何!!
口調が定まらないなー・・。