「おかわり」8話

2011-12-19 20:26:13 | みなみけ おかわり
8杯目「プールは別腹です」

冬なのに無理やり水着回。ハルカが駄菓子屋で隣町の先週オープンした温水プールの招待券をもらってきた。
喜んだカナは内田とトウマとマコちゃんと吉野を呼んだ。
あと誰を誘うか考えていたらちょうどタケルが来る。
藤岡も同じチケットを手に入れていて、誘われたカナは普通にOKする。
高校では、食堂でプールに行く話をしていたらざるそば食ってる保坂が聞いていた。……いつも弁当じゃなかったっけ。
保坂もチケットを持っていた。速水に見つかって奪われて、これで女子バレー部も行くことに。
夜。憂鬱なチアキだが、テレビで誰か(黒くない)がインタビュー受けてるのを見たらやる気が出てきた。

南家に集まったメンバーは小学生たちと運転手のタケルと藤岡。マコちゃんとして誘われたマコトはトウマに相談して水着を着てきた。でかい車に乗って隣町のプールへ向かう。
この辺の話は38話、海に行く途中で道に迷う話が原作になっていて、タケルが藤岡にからんでる間に道に迷って2時間以上かかってしまう。
プールについたらもう昼だった。昼食を食べたらやる気のチアキが泳ぎの練習を始める。ここからプールで泳ぐ59話と60話に、違いはあるけど、多くは原作通りに。保坂も来る。

この回、原作を組み合わせた結果、いろいろ不都合が生じている。隣町のプールに車で2時間かかるってどういうこと?隣の県の間違いじゃないか?
目的地が海じゃなくて隣町に変更されてるのに、時間は原作通り出発の時点で2時間だと言ってしまってる。時間くらい脚本レベルで簡単に変更できるはずだが、そのまま原作通りにしてしまった。
そして昼を回ってからぞろぞろと現れる中学・高校組。車で2時間かかるところに昼食べてから電車か何かで来たのだろうか。

原作との大きな違いで、マコトがプールに来てる。マコトの水着姿は原作に先んじた。このアニメでやってしまって良かったのだろうか、スカートつきの水着でなんとか性別をごまかしている。
それはいいとして、海ならともかくホテルのプールでどこで着替えるんだよという問題もあるが、それも些細な問題だろうか。(更衣室は通過するはずだし帰りもあるし、最初から着てればいいという問題でないことは確か)
マコト以外の水着は原作に忠実なデザインになってる。トウマも当然女子用の水着。水着を着てもトウマが女だと藤岡が気付いてないことにトウマ自身がツッコミを入れてるが、それツッコミ入れて済む問題じゃないだろ。アニメのアレンジでおかしな状況になってるのに、アニメ自身がツッコミを入れても何も解決しないだろ。弟みたいな小学生がいきなり女子の水着になってたらショック受けるよ。
さらに藤岡が出発前からいることで、偶然居合わせた藤岡がカナにドキッとする描写も成立しないので、ドキッとする状況が少し変化している(お姫様抱っこを指摘されて照れたのだが、無理に原作と同じ結果にしていてわかりにくい)
藤岡が最初から同行している38話と、藤岡が偶然居合わせる59話の相性が悪すぎる。この話のおかしな部分は、だいたい原作のミックスに起因しているものだ。アレンジが不足してる。

上記以外は、チアキが泳ぎの練習に燃えるくだりとか、オリジナル部分含めて良く出来ているほう。多少の不整合には目をつぶればいいということか…

あと、これは単純に疑問なんだが、なんで「ホテルの」温水プールなんだろう。普通の温水プールじゃダメな理由があるのだろうか。

「おかわり」7話

2011-12-18 22:16:18 | みなみけ おかわり
7杯目「噛めば噛むほど甘くなるんだよ」

バレンタインが近いのでハルカがチョコを作って友達と交換するんだという話をしてる。カナは原作通りチョコを横取りする話を考えてる。
で、内田と吉野、そしてメイド姿のマコト(マコちゃん)がチョコレートつくりをするのをカナがジャマする話。本当にジャマである
トウマはカナのせいで足りなくなったチョコを買いに行かされる。途中で藤岡と会って、チョコの情報をもらしてしまって、翌日変な期待してしまった藤岡だがカナからチョコもらえる気配なし。で原作どおりカナからチョコをわけてもらえる。
チアキはチョコを誰にも渡す様子がない。フユキに渡すのかと周囲と視聴者に思われていたがそういうわけではなかった。フユキは他の女子からチョコもらっていた。
ハルカは宣言どおり友達(黒い)とチョコを交換していた。

チアキのチョコはハルカに渡すためのものだった。ハルカがふじおか型のチョコをくれた。
食べるのがもったいないと言ってたらカナがふじおかチョコを食べてしまった。

6話に比べると破壊力が足りない回だが見ていて疲れる。フユキとのフラグ立ては何事もなかったが、視聴者の警戒心を煽るには十分である。
原作はカナがチョコを奪いにいく27話を斬り分けて使用している以外はオリジナル。でも久しぶりに原作のある回だ。

で、せっかくのチョコを食われるところで終わっていて、またも後味が悪い。どうもこの番組はオチのつけ方を間違えている気がする。この漫画はオチが無いのに不思議と面白いと編集者からも指摘されているのだが、オチをつけようとするとこういうしょうもないオチ方になってしまうのか。
いや、もっと上手くできる気がする。

「おかわり」6話

2011-12-18 19:57:07 | みなみけ おかわり
6杯目「冷めてもあったか、ウチゴハン」
で、これが『おかわり』が伝説になった回、らしい。

大雪の日、カナはフユキから漫画を借りていた。ハムスターの飼育係はチアキとシュウイチであるとか、フユキは敬語を使うからいいやつだとか、どうでもいいような話をしている。
やがて雪は積もり、食料も尽き、ありもので腹をふくらす。フユキは今日も父親が仕事だという話をしている。
雪合戦して遊んだり、窓開けて雪を見ながら風呂に入ったりする。
やがて停電する。地域全体を覆う大停電。苦しむ三姉妹は隣にガスボンベもらいにいく。
フユキが一人でいた。フユキに家に来ないかと誘う。固辞するフユキにイラついたチアキが雪玉投げつける。ようやく怒ったフユキと投げあい、もう一回雪合戦する。ガスボンベでお湯沸かしてフユキといっしょに毛布にくるまって4人で寝る。
起きたら停電は直って、フユキは消えていた。外を見るとフユキが雪かきしていた。チアキ、そういうやつなんだと納得する。

どうしてこんなことに?

この6話は姉妹とフユキ以外は一切登場しない。だから半分くらいフユキの為の話である。4話でも十分な存在感があったフユキが、それを越える威力で登場する。
舞台も理不尽に、街が沈むほどの大停電に、外に出るのを嫌がってるのに2回も雪合戦する三姉妹。(そういえば外と連絡が取れないと嘆いているが、5話に携帯出まくる『おかわり』でも三姉妹は携帯電話持ってないらしい。そこは何か原作を尊重してるようだ。この家の電話は停電でも使えるタイプに見えるが…)
ただこの話、前半部分は割かし「みなみけ」っぽいんだよね。ひょっとしたら『おかわり』で一番原作っぽい話かもしれない。原作も多少理不尽なところあるし、停電前の一回目の雪合戦までは、そんなにおかしくないんじゃないかって。
だからまずいのはフユキのキャラ立てなんだろう。キャラが立ちすぎている。父親が帰ってこなくてかわいそうなのは分かったから、なんでそんなに陰気で影のように存在感を発揮する。それにフユキの親父こんな停電の日に何してるんだ。「何の仕事なんだ?」とカナのツッコミそのままの感想だ。

キャラが多少違っても一応原作に沿ってるキャラクターたちと違ってフユキは恐ろしいほどに「みなみけ」のキャラクターじゃなく、それをこの一話で必要以上に表現しすぎた。この話の違和感は、たぶんそういうこと。
アニメオリジナルキャラは違和感を持たせるくらいでちょうどいいのだとしても、それでも。

「おかわり」5話

2011-12-17 23:56:48 | みなみけ おかわり
5杯目「出した茶碗は引っ込められない」

カナが台所の引き出しをあさっていると小さな箱が出てきた。チアキと協力して開けるとウサギのネックレスが出てきたが、踏んづけて耳が折れてしまった。修復もうまくいかず、テンパったカナが藤岡とケイコと内田とマコトとトウマにむちゃくちゃに電話をかける。「ウサギを、ニンジンが好きなアイツを探せ」と、それはもう無茶苦茶に。
この指示で正しく動ける者がいるはずもなく、暴走した藤岡とケイコがむちゃくちゃな行動をするという、コメディ?
だがそこは『おかわり』、ギャグで済ませるはずもなく、ようやく自分で動き出したカナが結局代用品が見つからずに悲しみの表情で帰ってきたら、ケイコからの電話で事情を知って憎しみに染まったハルカが待っていた。ネックレスが壊されたことを怒っているのではない。関係各位に迷惑をかけたことに怒っている。
全力で泣くカナ。
また後味の悪い終わり方だ!

いや、こんなんギャグにでもしなければ成立しない話なのに、何でガチな感じになってガチ泣きに?
藤岡がウナギを釣りに行くとか、行動もアニメの保坂みたいでおかしい。途中で保坂も出てきて警官に捕まってるが、これらは『みなみけ』的じゃないにしろ、ギャグ的な話だよね? オチも実は笑うべきところなのか?
この回も特に原作の無いオリジナルで、ふじおかが特に意味もなく鍋に入っているあたりだけ原作に元ネタがあるが、小ネタレベルでの使用だ。
そしてハルカのネックレスだが、大事にしてたやつだとカナは言ってるのだが、ハルカは忘れてたようで、しかもマキの親戚の誕生日プレゼントに送るというので、どうも大切なものじゃなかったようなんだが、こりゃ単にカナの記憶違いってことなのか? なんで台所にしまった?
この話もネックレスに秘められた背景が不明瞭だ。このアニメは大体がシチュエーションありきで、裏づけとなる説明が基本的に足りてない気がする。

『おかわり』の評価はこの回でほぼ決まったようである。
そんな回だけどフユキはちょっとしか出てこない。

ところでサブタイトルが何のことを言ってるのかわかりませんぞ。

「おかわり」4話

2011-12-16 19:28:25 | みなみけ おかわり
4杯目「片付けちゃっていいですか?」

ゴミ出しに行ったハルカ。フユキが土曜の町内清掃に来てくれるという話を聞いて、まだ寝てる妹たちのふがいなさを見て怒りを炸裂させる。
チアキもカナも学校で仲間を呼んできて町内清掃に来る。マキと保坂も来ている。フルメンバーで清掃活動。
すぐサボるカナにハルカが激怒し、たくさんゴミを集めてるフユキと比べられ、ちゃんとしないとご飯抜きという話になる。
フユキに対抗するために町内遠出してゴミ集めるが、同じところにフユキも来ていた。最終的に冷蔵庫の中に詰まっていた石にムカついて腹いせに投げていたらハルカが来て遊んでいると思われてごはん抜きにされた。
オチは無い。
起きてきたら腹をすかせたカナとチアキが先に起きていたところで終わっている。本当にメシ抜いた。非常に後味が悪い。

『おかわり』といえば「こわいハルカ」である。実は怒ってるのは4話と5話だけだが、この2話のハルカ姉様はこわい。怒りの番長だ。ちょっと遊んでただけで怒りすぎ。それに石の詰まった冷蔵庫って、どういう嫌がらせだ。
この4話も完全にオリジナルで、原作に出てきそうもない町内の行事なんかが出てくるわけだが、隔週でやってる大規模な町内清掃をこれまで完全スルーしてた南家もすごいし、昼過ぎても掃除やってたり(ケイコが途中で帰ってるので)清掃エリアが町内全域(!)だったり、このイベントの運営自体も不審な点が目立つ。この規模で年始から隔週でやってるの?
漫画でほとんど描かれない現実に手をつけたものの、これ自体も現実ではないように見える。だって夕飯抜きになる以前に、誰も昼食を食べていないんだもの。時間の経過がおかしい。

フユキ、早くも存在感を発揮する。フユキが既に参加して名が知られてるってことは、3話から2週間以上経過したのか?
ハルカ姉様は黒い人たちといっしょになって、いろいろ手伝うフユキを褒め称える。早く来て大人の頼みをホイホイ聞いていろいろやってくれる偉い子。
しかも誰に対しても丁寧語だったのが、この回の途中からチアキに対してだけ九州弁で話すという余計な設定が追加される。なぜチアキだけにそうする。フラグか?フラグ立てなのか?
空はひたすら暗くて、とうとう雪まで降ってくる。保坂と話しているモブが中途半端に黒くて表情が見えているが、そこまでして黒く塗るか?

あと、ハルカが保坂の顔と名前を覚えている。
これは不味い。無印アニメでも原作でも面識はあって無きがごとしであるはずなのだが、『おかわり』では前提なしに設定が崩れている。いつ知ったのか。
このアニメではハルカはバレー部の応援に行くことがあるようなので、知ってないほうが不自然なのかもしれないが、それにしてもだ。

「おかわり」3話

2011-12-15 20:35:52 | みなみけ おかわり
3杯目「もてなしの夜、そっと出し」

冬休みを前に、小学校で宿題がたくさん出た。そんなわけで小学生たちのお泊まり会に決まる。カナの横槍でパジャマパーティになる。

まだ冬の話である。「おかわり」は時間の流れが遅いので冬の話ばかりであり、画面が暗くなりがち。
原作44話と45話のパジャマパーティの話を、こまごまとアレンジしながら使って30分にまとめあげている。
パジャマパーティが目的だった原作と違い、宿題が目的で集まっているのが大きな違い。これでトウマがパジャマを持ってこなかった理由がうまく説明できている。
メンバーも少々違う。原作ではチアキら2組女子3人と、トウマたち1組の女子3人。対する『おかわり』では無名の1組女子2人は案の定無かったことにされた。この世界では無名キャラは黒く塗られるか、存在そのものを許されぬのだ。
代わりにマコトと藤岡が来るが、これには問題がある。パジャマパーティなんていう祭りが成立するのは参加者が女子ばかりだからだ。
というより、マコトはまだ出入り禁止じゃなかったのか。何で普通に参加してる。そしてシュウイチは何故スルーされたのか。
正式に呼ばれたマコトが自ら女装してきて、カナに諭されて男に戻る流れは、原作62話の完全に逆である。62話は後でアニメになってるので、読んだ上で、あえて逆にしたのだろうと考えるが、吉野がいるのに女装したマコトがいっしょに来てるのも不自然である。

藤岡が来るのはチアキが夕食に呼んだから。自分から藤岡を呼び出すのは積極的すぎやしないだろうか、トウマが女子といっしょに風呂に入っているのを見た藤岡は何か思うことはないのだろうか、設定忘れてるのか。藤岡のねじ込み方が適当である。
だがこうして状況が変化した結果、女子たちが風呂入ってる間に台所に追いやられたマコトと藤岡の貴重な絡みが生じた。男子の少ないこの漫画で、マコトが男子と話す機会は本当に珍しい。ここは評価すべきなのだろう。
風呂の作画に全力を尽くす手法も一話と同様といえるが一組女子が消えた都合で、代わりに吉野がのぼせている。無理やり他のキャラに出番を当てはめた。こういうやり方は評価すべきではない。

宿題をやってないことに気付いた時点で終了。この後どうなったのかが語られず、後味の悪い終わり方をしている。オチをつけた結果、オチてない感じになってる。

この話より『おかわり』の象徴『フユキ』が登場する。
原作には全く存在しないキャラクター。メディアミックスの必然として、ついに登場したアニメオリジナルキャラだ。
だが、3話の時点では顔見せ程度。彼の登場が「みなみけ」に何をもたらすのか。それは4話からだ。

「おかわり」2話

2011-12-14 19:29:21 | みなみけ おかわり
2杯目「味は代々受け継がれていくもの」

あらすじ。
三学期が始まる。入院した委員長の代理をハルカに、という話が出ている。それが中学でなぜかハルカが番長として復活という話になって伝わって、カナはハルカを支援するため、情けない藤岡を排し自ら番長となり、軍団の拡充を企むが、間違いだと気付いて飽きていつもの日々に戻る。

2話、ほぼアニメオリジナル。だが65話の腕相撲の話を部分的に使っているみたい。しかしカナ軍団に加えるべき剣道部と柔道部の各エースが抹消されて、代わりに黒いモブに変わっている。
この2話から、有名な『黒モブ』が本格的に登場する。この番組、名を持たぬ人物の顔は墨で塗りつぶしたように黒くなっている。何故かと問われても、これが何を意味するのか誰も知らぬ。
(黒モブは1話にも少しだけ出てるが、目立つようになるのは2話から。それに1話に出てくる温泉のおばちゃんは黒くない。こうした例外があるのも演出意図なのか、単なる塗り忘れなのか判断がつかぬ)
確実に言えるのは黒モブが画面で異常に目立つということで、これが背景を歩いてるだけならまだしも、メインキャラと会話したりすると、もうメインを食うほどの存在感を発揮する。それなら剣道部と柔道部はそのままでいいだろ!

また、デザインの変わった学校が初めて出てくるが、高校の様子がおかしい。校舎の雰囲気が新しく、教室は階段状になってる。いくら舞台設定が変更されても、教室が階段状にはならないと思うのだが、なってしまった。

あとは、なぜかアツコが番長伝説を知っていたり、小学校でハムスターを飼い始めたり、吉野が黒いというか狡猾な子みたいになってたりといった話。
カナが自ら番長になりたがるなど、キャラクターの性格が原作と結構違うのをよしとしても、委員長に推薦されるとか、ハムスターを飼うとか、学園ものの定番みたいな、ありきたりな展開ではある。どうも、このあたりの「ありきたり」こそが『おかわり』の病床のような気がする。
基本なまけもののハルカは委員長タイプとは思えないんだよな。実はこの番組のハルカ、最後まで全く怠けたりだらしないところを見せず、まさに完璧。それは最終話を想定して調整したのかもだが、けっこう致命的なキャラの違いだと思う。
吉野の性格が違うのは難しいキャラだからしょうがないかもしれない…この時点の原作で黒い吉野が出た回数少ないし。

けっきょく番長の話は誤解で、委員長の話も流れて終了だが、どこからハルカの委員長が番長という話になって伝わったのか、情報源が説明されない。単にヒロコちゃんの情報収集ミスなのか。
ヒロコとユウの両名は『おかわり』のOPに映っているにもかかわらず、出番はこの話だけである。ユウとケイコが携帯のアドレスを交換してるらしい様子など、このアニメ以外で見る機会はないだろう(原作には携帯電話自体がロクに出てこない。ちなみにケイコは無印アニメで携帯を買ってもらっている)。

キャラの違いは気になるけれど、リコとかマキとか、うまくいっているキャラも少なくなく、だいいちショートでないみなみけというのはそれだけで新鮮なものだ。
このあたりの話は、まだこういう評価が成立する。いや、あるいは原作が存在しない虚無から30分練成した手腕は称えるべきなのかもしれない。

「おかわり」1話

2011-12-13 21:12:39 | みなみけ おかわり
1杯目「温泉、いただきます」
いきなり風呂回。自重することなく風呂を一話に持ってきた。

まずOPから。主題歌『ココロノツバサ』は、およそ『みなみけ』らしからぬスピード感のある曲で、人物がぬるぬる動きながら、意味不明の空間をさまよう姉妹たちの映像。
映像は本当に意味不明である。学校の窓に映った異様なリアル顔の三姉妹、背景に映った機械仕掛けの構造物、空を飛ぶ魚のメカを撃墜するふじおか。
これらが何を意味するのか、表向き意味がわからない。あるいは、この先の未知なる展開への不安、漂う「やっちまった感」か。

物語は『無印』の続きのように新年から始まる。チアキが手帳をなくしたり、カナがだらけた正月を過ごしている。カナが騒いで、家に呼んだやつらといっしょにタケルに外に連れて行ってもらう。道に迷って温泉に到着する。
外を歩いたりしながら何度も、そう何度も温泉に入る姉妹。どっちに入ればいいかわからないマコトがトウマを引き止めてなかなか温泉に入れない。

原作として正月にチアキが手帳をなくす話(72話)と、温泉でトウマが藤岡相手に立ち回る話(73~74話)のミックス。あと69話に出てくる「アツコ」らしい猫がチラっと映ってる。69話は後で出てくる。
『おかわり』は4巻の単行本収録分あたりが主に使われているようである。

原作のある部分については、かなり原作に忠実に作られていて、温泉に向かうメンバーも原作通り藤岡とトウマとマコト(女装)。
その一方で原作に無い話も多く追加されていて、冒頭で内田を呼び出す話に始まり、現地で湧き水を探して雪の中で迷ったり、温泉に何度も入りなおしたりと、8ページの原作では見られない長めの話をやっている。
原作の組み換えではなく、話を膨らませる方向でのアレンジで、ストーリーも普通の漫画のように成立している。
しかし前半いなかった藤岡が後半に急に呼び出されて出てくるあたりは、力技で原作に合わせていると言える。

もちろん風呂の話を一発目に持ってくるのも一つの戦術であろう。いろいろ手を使って三度も風呂シーンを投入することで視聴者を獲得しようという、当初パンツで客を釣っていた「みなみけ」らしい手法ともいえるし、だがもう4巻の時点でパンツ漫画とは言いがたいのも事実で、このやり方は既に雲行きが怪しいかもしれない。
とはいえ、原作のクールな感じが若干薄れているものの、「みなみけ」を一本30分のアニメに落とし込むなら、こういう感じになるものなのかもしれない。

この第一話の致命的な問題として、温泉の話の前提となる「トウマと藤岡が知り合う話」を『無印』でやってない。無印で説明された基本設定を踏襲した『おかわり』のはずだが、藤岡に性別を隠している理由がアニメのストーリー上では語られていない。「急に原作設定が出てきた」という状況になっている。
これは単に前期とのストーリー上の連携が上手く行っていないと見るべきだろうか。(無印OPにはトウマと藤岡がいっしょに映っているシーンがある。これを見ればスルーすると思わなかった可能性は高いが、見てから一話を作ったかどうかは定かでない)

まだ一話の時点ではこんな感じの評価でよかったんだと思う。

みなみけ おかわり

2011-12-13 21:01:04 | みなみけ おかわり
アニメのみなみけにはそれほど強い思いいれがあるわけでなく、まして「おかわり」については前に一応一回見ただけだが、一度見直してまとめようと思った。
結構しんどかった。

「みなみけ おかわり」とは?

アニメ『みなみけ』は、最初から13話のシリーズを2作続けて放送することが発表されていた。
そして『みなみけ おかわり』は、前作『みなみけ』(以下『無印』)の13話を無事放送終了した直後に次の番組として13話放送された。
ただしスタッフはほぼ総入れ替え。
何故こういうスタイルになったのか?
わからない。
キャラクターデザインだけでなく家のレイアウトも学校の構造も違う。共通しているのは声優と音楽関係のスタッフ。音楽は共通なんだ。

無印は放送時期とぴったり合わせるように大晦日のエピソードで終了していて、続く『おかわり』は正月の話から始まる。
違うのは時間経過が『無印』よりゆっくりしていることで、作中の時間経過も放送時期に合わせてる。無印の全13話は春ごろから大晦日までの話だが、おかわりは残りの正月から春先までの話であり、そのため全13話の多くは冬の話である。

また原作と同じようにショートエピソードの積み重ねだった一期と違い、連続したひとつの話で30分持たせるようになっている。
その結果なのか、あるいはそういう方針だったのか、丸ごと30分原作に無いエピソードでアニメにしていたりするが、しかし全く原作を使ってないのかというとそうでもなかったりして……どういう扱いにすればいいのだろう。
無印も意外とオリジナルが多かったりするので単純な比較は難しい。

まずこのアニメは原作ファンかどうか関係なしに、視聴者からの評判は大変悪いで一致しているので、いまさらここで愚痴を言っても仕方ないのである。
では何をやろうというのか?
わからない。