神宮外苑いちょう並木近く「おおした鍼灸院」のブログです

2004年神宮外苑いちょう並木近くに開院。痛みの無い浅刺接触の経絡鍼灸治療院です。

定期健診は必要なの??(3)

2005年09月12日 | 健診・ウイルス・予防接種

昨日は突然の雨。外出中で驚いた方も多いのではないでしょうか。

私も子どもを連れて外出していましたが、どうしても帰んなきゃいけなくて雨の中を子どもを乗せて自転車を走らせました。丁度、こどもの城の所と青山通りと骨董通の交わる所が水浸しで、”海になっている”って言って、子どもたちはしゃいでいました(被害は無かったようなのでよかったですね。近隣のお店の方、びっくりされたと思います)。

で、そのあとは我が家の「男組」で東京ドームへ…さすがに広島カープの帽子をかぶって行くことはしませんでした。

(とてもいい席でした。ありがとうございます。)

応援する球団では無いのでドキドキ感は少ないのですが、緊迫した試合で面白かったです。

(でも、カープは阪神をちゃんと叩いてペナントレースを面白くしなきゃあ…。全く何考えているのだか…。山本監督も引退が決まってやる気なくしたのかなぁ。)

 

では、本題にはいりましょう。

胸部エックス線(レントゲン)検査について調べてみました。

胸部エックス線検査は「肺がん検診としての有効性を支持する証拠はない」と判断されましたが、国内の研究では、「日本の肺がん検診は有効」としており評価が割れました。

 

そのことに関して気になったので調べてみました

 
闘論:胸部X線検査、必要か 近藤誠氏/冨田友幸氏(05年8月22日毎日新聞)

 

ここでは北里大名誉教授・富田友幸先生は胸部エックス線検査について

「予防医学に実績ある 廃止論は少数意見」

と言っているのに対し、慶応大医学部放射線科講師・近藤誠先生

「利益なく、がんの恐れ 義務付け、憲法違反」

とまで言っています。

 

(富田)「職場の健康診断での胸部エックス線検査は長い歴史があり、予防医学に大きな成果を上げてきた。健診は国民の健康保持に有効で、現行通りの存続が必要だ。

というのが富田先生の考えです。一方で近藤先生は、

(近藤)「見かけ上は健康な人を対象にした胸部エックス線健診の有効性を証明する論文やデータはない。一方、害は確実にある。法律での受診義務付けは、生命・身体の自由を侵す人権侵害で憲法違反だ。」

とエックス線健診の有害性を強調しています。

胸部エックス線検査が有効な手段だという前提で富田先生は

(富田)「法的義務がなくなれば、大抵の人は自覚症状がない限り、胸部エックス線検査までは受けないだろう。そうなると見つかるはずの病気が見つからなくなる。不利益は大きく、福祉の切り下げになるのではないか。」

と言っていますが

(近藤)「病気の人が一人でも見つかるなら健診すべきだ、と言う人もいるが、それでは確実に、発がんなど健診の害が利益を上回る。」

と近藤先生はここでも有効な手段であるどころか有害なものだと断言しています。そこでまず

「健診の実施より、症状が出ても忙しくて病院に行けない、などの現状を改善すべきだ。」

と提案しています。

 

では近藤先生は有害であると指摘した被曝に関してですが、 (被爆と被曝の違い、分かりますか???

(富田)「(エックス線検査の)間接撮影は放射線被ばくの量も、CT(コンピューター断層撮影装置)の160分の1程度と少ない。被ばくの不利益より検査を受ける利益の方が大きいのは明らかだ。」

(近藤)「エックス線健診の主な害は、放射線被ばくによる発がんの増加だ。検査で浴びる放射線はわずかだが、それでも浴びた量に比例して発がんの可能性は増す。これが放射線による発がんを計算する場合の世界的原則となっている。これに従えば平均的な被ばく量で、数万回から十数万回の受診で1人、がんになる人が増える。全国で年間数百人だ。しかも同じ検査でも医療機関によっては放射線量が多く、がんの危険が増す。」

どちらが本当なんでしょう??  ということで調べてみました。

 

平成17年 5月17日に厚生労働省で開催された「第2回労働安全衛生法における胸部エックス線検査等のあり方検討会」において配布された資料に

労働安全衛生法66条で規定する健康診断で胸部レントゲン検査を実施する目的とその有用性」 というものがあります(帝京大学医学部、矢野栄二教授)

それによると

平成11年地域保健事業報告によると、職域の定期健診での結核発見率は0.007%、10万人あたり7人という数字です。

これに対して胸部レントゲン間接撮影(120kV、3.2mAs、120cm)を、「1Gyの被曝で10万人あたり500人ががんになるという数値報告」(国際放射線防護委員会(ICRP)1990勧告の「低線量、低線量率放射線被曝に伴うがん死亡の生涯リスク」より)に照らし合わせてみると、10万人あたり0.13人となる。つまり現行の職域健康診断では、結核患者を54人見つけるために1人のがん患者を作っていることになるそうです。

また矢野教授は

「今日結核の罹患率が下がり、わが国の結核の健診での発見率は既に諸外国がレントゲン撮影の広範な実施によるスクリーニング検査を中止したレベルをはるかに下回っている。」

と述べておられます。

(放射線医学を専門とする委員によると、低線量放射線が健康に及ぼす影響について、量的なものに関し諸説があるそうです。資料を読んでいると基準値がどこにあるかで論点を変えようとしている部分があります。これらの資料、なかなか面白いですよ。

実際の数値から見ても結核対策に胸部レントゲン間接撮影は無効であるどころか、有害だと断言できます。

(富田)「この健診で心肥大や動脈硬化も分かる。問題になっているアスベスト肺の診断にも役立つ。肺がんも毎年の検診で死亡する率が減ることが、厚生労働省研究班の研究で明らかになっている。結核もまだ過去の病気とは言えない。日本の結核罹患(りかん)率は先進国の中では飛び抜けて高く、職場での対策を怠ってはならない。」

(近藤)「もう一つの関心である結核は、今や患者が少ない。厚生労働省は、一般人を対象に無差別に検査をしても結核発見に無意味と認め、結核予防法における一般の職場でのエックス線検査の義務付けを廃止した。」

上述の結核発見率から考えても富田先生の言っていることは論点がずれているような気がします。結核が過去の病気ではないことは確かですが、それが集団検診で確実に発見できるかが問題だと思うのですが…。

 

(近藤)「ヘビースモーカーだけを対象にした健診でも、肺がん死を減らせなかったとの結果がチェコや米国の研究で出ている。米国などにエックス線健診の義務付けはない。

日本は健康保険制度が充実しているので簡単な比較は難しいところですが、米国にエックス線健診の義務付けがないとは……。

(富田)「全国労働衛生団体連合会が全国の大学病院などに行ったアンケートでは「職場健診の胸部エックス線検査が結核を含めた胸部疾患の診断に役立つか」との問いに、大多数が「役に立っている」と答えた。「役に立っていない」との回答はわずか5%だった。」 

このアンケートの評価はとても難しいです。

役だっていないって書きにくいような雰囲気がある…って思うのは私が反対派だからかなぁ。

現在の集団検診では、一人の検査技師が読影するフィルムの量は膨大で、1枚10秒程度の読影時間をかけられません。その中でも病変所見のあるフィルムの割合は1枚/数千枚程度です。10秒で千枚を見たとして2千秒(=30分)の間フィルムを10秒刻みで見続けて1枚発見できるかどうかという状況で、疑わしき病変を見つけることができるわけがない。私はそう思います(実際どんな感じでフィルムを見てるのか分からないので誰か教えてください)。

ちょっと前にはやった「マーフィーを探せ」じゃないんだから、このような劣悪な労働環境で病変を探しきることができるとは思えませんし、「マーフィーを探せ」だったら確実にマーフィーがいることが分かっているから探してやろうって気になりますが、あるかないか分からないものを探せって言われたって、見落とさないわけがありません。ましてや「ドコの馬の骨」とも分からない人のレントゲン写真だもん、仕事だからといって気が抜ける事も多々あると考えると……。

だから、検査技師の労働環境に照らし合わせて考えてみると、現場の先生が役立っているって言っている事に対してもおかしいと感じてしまいます。

 

(近藤)「症状がある人の多くは病気で、診断と治療を受ける利益は大きい。健診では、ほとんどの受診者は健康で、医療の恩恵を受けない。」

(富田)「産業医学を知る大多数の心ある医療関係者がその存続を必要としている。」

私の健診に対する距離感は前にも書いた通りです。健康に対してシンプルでいたいと常々思っています。また、自分のことは自分で解決したいと思っています。近藤先生も言っている通り医療機関に近づかないことが健康の秘策だとしたら、これからもそうならないように注意したいと思っています(でも、最近のマイブーム……カップヌードルSIOなんだよね…)。幸い私には鍼灸という武器があるのでこの武器を頼りに患者さんを守り抜きます。

ということで……

 

おしまい

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