「おおしたさん」のブログです

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立体的に診察するということ

2010年06月05日 | 東洋医学、東洋思想

アジサイがきれいですね

 


鍼灸治療は治療方針を立てるために独自の方法で身体の観察を行います。

それが四診法です

これによって現在の身体の状態を立体的に診ることができます。

 

四診は「望」、「聞」、「問」、「切」の4つの診断方法をさし、五感を駆使して行います。

これは治療方針を立てる時にとても重要で、治療はこの方針を立てる事がすべてだとも言えます。

 

①望診

顔や身体の表面に出ている特徴から身体の内側の状態を探る

②聞診

患者の呼吸音・発声・発語や口臭・体臭などから、身体の状態を観察する

③問診

主訴だけでなくこれを取り巻く様々な症状も聞く。現代医学的に見れば取るに足らないような事もふくめて…

④切診

脉診…脈を診る

腹診…お腹を診る

皮膚の艶を診る


この中で大切にしているのが望診と切診。

切診のうち脉診は体の様子がよく分かるのでとっても重宝します。
私が鍼をするたびに脉をしつこく診るのは、刺鍼がうまくいっているかを判断するためです。 


西洋医学で脈を診る場合、主には血圧を測る、心拍数を数える事が目的ですが、東洋医学の場合は脈の速さだけでなく、強弱、大小、形状などを目的にあわせて判別します。

時には頭部や顔面、足背などの脈も参考にします。

子どもの治療だと脈診は難しいので、症状からの経絡的弁別より治療を組み立てる事が多いです。

そこにもうひとつ突っ込んだ四診力を身につける事で、重層的に診断ができより、高度な治療が可能となります。


このためには位置の認識がとっても重要です。

これはいつか書いてみたいと思っていることですが、簡単に言えば、上半身の病気(上焦)は下半身で(下焦)、下は上で、上は下で治療するという事です。

 

そのためには中焦(脾土経、中央)がポイントで、ここから前後左右上下のバランスを考えるようにすることは大切ですね。

…と考えると…やはり脾土か…!

 

ここで「土」の存在を根源的なものと考えた、ルソーと並び称される江戸時代の思想家、安藤昌益 安藤昌益

古典を批判し、老荘をも否定している安藤昌益ですが、脾土の考えは面白いです!

 

考えが拡がる、つながるというのはこういうことなんですね。

最近引きこもってこんな事ばかり考えています(^◇^;)


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