感性のままに。

平凡な主婦の独り言です。

市松人形

2010-01-12 21:22:31 | 日記
我が家には一体の市松人形がある。

私の結婚祝いに、母の知り合いの人形作家さんが作ってくれたものだ。

その人は、私が初めての子を妊娠したときには雛人形を、産まれたのが男の子だと知って、改めて金太郎人形も作ってくれた。

雛人形は飾る場所もなく、子供が二人共男の子だったこともあり、親戚の家に置いてもらっていてうちにはないけれど。

先日の部屋の模様替えで、今まであまり人が見ない場所に置いていた市松人形が、リビングに置かれることになり、やっと陽の目を見ることになったのだ。

小さい頃はこの人形を怖がっていた長男。
昨日はじーっとよく見ていた。
この人形のことを私に詳しく聞いてきたり。

そして、今日、何を言うのかと思ったら、
「ネットで調べたんだよ。」
「え?何を?」
「この人形のこと。」
「えぇ?ネットでこの人形の何を調べたの?」
「どんなのがあるのかとか、色々見てみたんだけど、どの人形も顔がヤバかった。」
「変な顔ってこと?」
「うん。ネットで見た人形はみんな可愛くない顔だった。」
「うちの人形はいい顔してるでしょ?」
「うん。それから見ると、この人形は相当いい価値のヤツだとわかったよ。」
「そうでしょうとも!」
「それなのに、こんな風にしていたら勿体ないよ。ちゃんとしたガラスケースに入れないとダメになる。」

ごもっとも!
この人形にはケースがない。
貰った当初、新婚だったためお金もなく、あまり興味もなく、敢えてケースを作ってあげようとは思わなかった。
だから、ガラスの扉のサイドボードの中に飾っていただけ。

その割りに、汚れも少なくシミもないと思うのだが、長男が言うには白い帯締めにシミが出来てると…。

この作家さんは、今はもう亡くなっているが、一つ一つ丁寧にこだわって作る人で、どれもそこら辺では見かけないようなクオリティの高い物ばかり。

この市松人形も、着ている着物が素晴らしい。
総柄の辻が花で、小さな女の子の人形には珍しい押さえた色で染めている。

そして、顔が上品で可愛らしい。
やはり人形は顔が命。
よく見ると、眉の一本一本を極細の筆で描いてある。

私もネットで調べて見たが、辻が花の着物を着た市松人形が98000円だった!

これは長男が言うように、ちゃんとしたケースに入れてあげるべきか・・・・。
しかし、ケースを注文すると、一体いくらになるんだろう?

長男よ、その器用な手先で作っておくれ~!