スターティンググリッド/ドライバー/チーム/マシン重量/予想されるピットインラップ/予選タイム
1.L・ハミルトン/マクラーレン/ 653kg/ 15laps/1,39,,498
2.H・コバライネン/マクラーレン/655kg/ 16laps/1,39,,532
3.R・バリチェロ/ブラウンGP/ 662.5kg/19laps/1,39,,563
4.S・ベッテル/レッドブル/ 654kg/ 15laps/1,39,,789
5.J・バトン/ブラウンGP/ 661.5kg/18laps/1,39,,821
6.K・ライコネン/フェラーリ/ 661.5kg/18laps/1,40,,144
7.N・ロズベルグ/ウィリアムズ/ 665kg/ 20laps/1,40,,185
8.F・アロンソ/ルノー/ 656.5kg/16laps/1,40,,236
9.M・ウェバー/レッドブル/ 664.5kg/19laps/1,40,,239
10.R・クビサ/BMWザウバー/ 657.5kg/17laps/1,40,,512
突然何かの順位から始まりましたが、今日行われるF1ヨーロッパGP(スペイン)の
上位10位の予選結果と諸々の情報です。
F1好きは、これを見てレース前にああだこうだと展開を予想する
格好の材料になるので、今シーズンからレース後に公開される事になりました。
F1ではスタート順を決める予選に、他のレースとは違う特徴があります。
レース系の
エクストリームスポーツに良く見られる
経過とともに下位が脱落していくノックダウン方式を取る事です。
予選は3回に分かれていて、1回目、2回目それぞれ5台ずつが脱落して
最後に残った10台で最終予選が行われるのですが、
最後の予選も少し変わっていて、翌日の決勝分も燃料を積んで走るルールになっています。
純粋に速さを競うだけだと、やる前から大体の結果が予想出来てしまうので、
ある程度のギャンブル性を持たせようという趣旨です。
レースの世界では燃料をリットルではなくて重さで計算するのですが、
(余計な単位が増えると計算がややこしくなるからです)
F1の場合、大体、1kgあたり0.2~0.4秒ラップタイムが落ちると言われています。
最終予選に残っている面々は、大抵1秒以内の実力差なので、
燃料が多ければ決勝では有利ですが重たくなるので予選は不利、
少ないと逆の事が起こるので、
本当は一番速い車でも欲張って燃料を積み過ぎると予選の結果が悪くなり、
決勝での追い抜きも簡単ではないので、レースが台無しという事もある訳です。
そんな予選の結果が表された物が冒頭の順位です。
通称”ゲーセンスタート”と呼ばれているKERS搭載車のロケットスタート
猛烈な勢いで順位を上げているシルバーのマクラーレンと赤のフェラーリの例
最近、この表を読み解くのに新たに加わった要素があります。
今年から導入されたはいいものの、全く流行っていないKERSです。
KERSは電気モーターを介して一時的にパワーアップする装置なのですが、
システムの総量が30kgにもなってしまう装置なのと、開発に莫大な費用がかかるので
殆どのチームが開発を諦め、今年いっぱいで使用されなくなると言われています。
そんな中、
今更外せないという事情もあって開発を進めたマクラーレンとフェラーリが
最近、KERSをモノにしたのか特にスタートで大暴れするシーンが増えてきました。
Youtubeの動画の様に、運が良いと5番手程度スタートで順位を稼いでいます。
逆にKERSを積んでいないチームは、両チームより3番手程度予選が良くても
スタートで抜き返されしまう事がほぼ確定となってしまう訳です。
今日はこれで決まりでしょう。
搭載燃料と順位の関係、KERSを積んでいるか否かという事を踏まえて
改めて表を見直してみると、色々な事が浮き上がってきます。
先ず、KERSを積んでいて比較的軽量なマクラーレンは、
スタートで他を大きく引き離した挙げ句、軽量を活かして逃げて行く
という展開が予想出来ます。ヨーロッパGPを制する可能性大と言えます。
続いてチャンピオン争いをしているブラウンGPとレッドブル、
ウェバーが9位に沈みましたが、残り3人のスタート位置は拮抗しています。
そうなると燃料を多く積んでいる3位のバリチェロは優位という事になります。
ただし、ここで注目しないといけないのは6位のフェラーリ/ライコネン。
彼はKERSを積んでいるのでバリチェロの前まで来てしまう事が濃厚で、
更に燃料も多く積んでいるので、チャンピオン争いをする3人の前に
蓋をする様に居座ってしまう可能性があります。
これが今日はマクラーレンで決まりだろうと予想される理由の1つでもあります。
更には地元のアロンソは車が軽いのにこの順位だと、今日は期待出来ないなとか、
ウイリアムズ/ロズベルグは今日もダークホース的走りが期待出来るとか
色々な事が見えてきます。これもF1を楽しむ上での1つの要素になります。
F1ヨーロッパGPは間もなくスタート(珍しく速報性がある記事)
まだ正式に発表されてはいませんが、これらレースを面白くするかもしれない
2つの要素は今シーズンいっぱいで姿を消す事になる予定です。
エンターテイメントを強調するあまり、余りに作為的なルールはご免ですが、
かといってF1はオリンピック競技の様な物でもないので
殴り合いの喧嘩と足の引っ張り合いをしながら混濁が雪だるまの様に膨張しながら
ノンストップアクションの様に進んで行くのが、私はらしいのではなかと思います。
来年は来年でまた別の要素が出てくると思いますが、
計算機片手に算数をしながら見るF1も、あと6レースです。