お里帰り１：タイムスリップ

1年ぶりの故郷は何も変わらず、暖かな春の香りで私を待っていた。
しかし、私は空港におりたったとたんにものすごく変な感覚に襲われた。
まるで、1,2週間の出張にでもいっていて、帰ってきただけのような。
そして、このままもとの職場にもどって仕事が始まるような。
そんな時間の感覚が麻痺したような感覚だ。
なつかしいお国訛りを周囲に聞きながら、長距離バスに乗ると、本当に東京でのこの1年の生活はただの夢を見ていたような気がしてきた。
ばかな。
自分で自分を笑って、うちに着くまでの1時間半、窓の外のかわらない景色を眺めていた。
ああ、ようやく少し休める。
＜写真＞長島美術館から見た市街地
私はここから見る桜島が一番好き。静かな美術館では美しい草木と鳥たち、澄んだ空気とどこまでも広がる海と空までも満喫できる。美術館入り口脇のベンチでお弁当を食べると、眼前にこの景色。
自然の絵画の特等席だ。