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[2022年以後] ぼくらの時代、ぼくらの祖国

2022年以後、戦争で一変した世界、政治、映画や文学などについて書いてます。

「aftersun /アフターサン」エンディングで、えっ、と声が出た

2023-05-29 22:48:00 | 映画
 少しまえに観た「aftersun /アフターサン」(2022米)のことを何も書けずにいた。https://happinet-phantom.com/aftersun/事前に読んだイントロダクションにはこう書かれていた。「.....20年後、カラムと同じ年齢になったソフィは、懐かしい映像のなかに大好きだった父との記憶を手繰り寄せ、当時は知らなかった彼の一面を見出してゆく」だからエンデ . . . 本文を読む

韓ドラ「秘密の森」これまで見たNetflixドラマのNo.1だ!

2023-05-26 05:54:00 | ドラマ
韓国ドラマ「秘密の森」(シーズン1)は2017年に大ヒット、韓国のゴールデングローブにあたる百想芸術大賞TV部門大賞、最優秀演技賞、脚本賞を受賞した。さらにはNetflixを通じ全世界に配信しニューヨーク・タイムズの国際TVドラマTOP10賞も受賞。次々に起こる殺人事件を追う敏腕検事と女刑事が、検察や警察内部、さらに財閥や政府要人を含む社会に巣食う腐敗を暴いていく社会派サスペンス。重厚でスリリ . . . 本文を読む

西加奈子「Iアイ」世界の人々を思いやってもいいんだ

2023-05-23 23:38:00 | 小説
西加奈子「Iアイ」を読んだのは又吉直樹の影響だが、50頁くらいまではさほど引き込まれることもなく、不思議な小説だなぁと。でも最後の50頁くらいは気が急いた。同時多発テロ、東日本大震災、シリア内戦等々実際に世界で起こった悲劇、大惨事が語られる。そういう地獄のような世界に生きている人々のことを、豊かなこちら側でぬくぬくと生きている人間が憂う、思いやる。それって欺瞞じゃないかと登場人物たちは思う、悩 . . . 本文を読む

自由主義圏全ての国の協力&結束がなければロシアを止めることはできない。

2023-05-21 06:40:00 | 世界のこと
ゼレンスキーが仏政府専用機でやってきた。今月欧州歴訪した際にパリでマクロンに要請していたとのこと。この前後にマクロンはロシア寄りの発言をして批判されていたが、こういう仕事をやるのかとちょっと見直した。ゼレンスキーはさっそくモディ首相と会談。国連安保理でロシア非難決議案に棄権票を投じるインド首相とのこの会談。スナク首相やメローニ首相から労われ、打ち解けてる様子。プーチンは苦々しく思ったろう。カー . . . 本文を読む

G7首脳に原爆資料館を見てもらって全身が震えた

2023-05-19 20:02:00 | 政治や社会のこと
きのう国立劇場から帰宅したのは23時を過ぎていたし、雨の予報だったから外出もせず、10時からNHKのG7広島サミットの放送をつけていた。その後もG7首脳が宮島を歩いている中継を見ていた。かつて左でいま保守の私は、対中外交、防衛増税、憲法改正、LGBT法案などの対応を見るにつけ、岸田総理は安倍元総理に比べて危ういなぁと思うことが多いのですが。今日G7首脳に原爆資料館を見てもらい、平和公園で原爆慰 . . . 本文を読む

「あなたを抱きしめる日まで」アイルランドの教会が行っていた驚愕の事実

2023-05-19 17:15:00 | 映画
「あなたを抱きしめる日まで」(2013年、英)はイギリスでベストセラーとなったマーティン・シックススミスによるノンフィクションを映画化した作品。1950年代カソリック修道院は出産した男の子を勝手にアメリカの裕福な家庭に養子に出し、母親と切り離していた。ひとりの母親が50年後に息子を探すハナシ。こんなことをアイルランドのカトリック教会が行っていたとは驚く。監督は「クィーン」のスティーブン・フリア . . . 本文を読む

リーアム・ニーソン主演の「マークスマン」 はハラハラドキドキ

2023-05-19 16:46:00 | 映画
「マークスマン」 (2021年、米)の主演リーアム・ニーソンは96時間の俳優って思ってたらシンドラーのリスト、レミゼラブル、ラブアクチュアリーなどいっぱいでてる。でもぜんぜん印象に残ってない。元海兵隊の狙撃兵とメキシコ人少年、彼らを追う麻薬カルテルの攻防を描いたアクション映画でハラハラドキドキ。ニーソンはアイルランド人だが、これ見てたらハリソンフォードの従兄弟ちでも言えばいいような感じ。スピル . . . 本文を読む

数々の賞に輝いた「淪落の人」は困難な状況下で香港映画人が創った

2023-05-15 18:58:00 | 映画
2018年の香港映画「淪落の人」をWOWOWが先週放映した。香港電影金像奨をはじめ数多くの賞に輝き、大阪アジアン映画祭、ウディネ・ファーイースト映画祭など国際的映画祭でも数多くの受賞をした作品。https://rinraku.musashino-k.jp/事故で半身不随となり人生に絶望した中年男性と、フィリピン人の出稼ぎ家政婦の交流のドラマ。どのような困難な状況にあっても人は夢を求めるものだし . . . 本文を読む

角田光代「対岸の彼女」再生の物語が必要だった。

2023-05-13 11:41:00 | 小説
おとといは机上に積んである小説から1冊手にとっては2、3頁を読んで戻し、別の作品に代えて数頁読み、また別の作品にといったことを繰り返していたが。昨日になって角田光代「対岸の彼女」を手放せなくなって読了。そうさせたのは、勿論この作品の持つ力、質には違いないのだが、いまの私がこのような作品を必要としている状態、心境にあるから。そう言うのが当たっている。子育てや夫婦関係に疲れ何のために生きているのか . . . 本文を読む

是枝監督の「ベイビー・ブローカー」捨てるなら産むなよとは言えない

2023-05-09 20:27:00 | 是枝裕和
是枝監督が要請に応じて単身韓国に乗り込み、現地のスタッフで撮った「ベイビー・ブローカー」。カンヌでは最優秀男優賞(ソン・ガンホ)とエキュメニカル審査員賞の2冠。モチーフは赤ちゃんポストに捨てられた子供たちが、自分が生まれたことを肯定できずに大人になっていくという現実。「捨てるなら産むなよ」と思っていた観客が、最後にはその言葉を口にできなくなる映画を作ろうと思った、と是枝監督は語っている。涙を流 . . . 本文を読む

そして私には小説が必要になった

2023-05-06 06:48:00 | 小説
ソウルから帰ってまだ2週間も経っていない。先週私はチョ・ナムジュ氏の「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んだ。小説をほとんど読まなくなっていた私がたちまち読了し、小説を古典ではない現代文学を読む面白さがわかったような気がする、と書いた。そして続けて李箱(イ・サン)文学賞を受賞したハン・ガンの「菜食主義者」を読んだ。男尊女卑で封建的な家庭、韓国社会の中で育ち生きてきたヨンヘが心を病み、菜食主義者となる . . . 本文を読む