早春、いち早く春の気配を感じ、木々が芽吹くころカタクリの花は咲きます。
地上の木々の葉が茂りだすころ地上部は枯れ翌年の春まで休眠に入ります。
それぞれの中心の雌しべが分かりますでしょうか。
カタクリの花は、開花(咲き始め)の頃、雌しべは短く、
雄しべに囲まれており見えにくい状態です。
しばらくして満開になると雌しべが伸び雄しべより長くなります。
アブの仲間が花にとまっているのが分かりますでしょうか。
カタクリの花は、雨の日、夜は花が閉じてしまいます。
カタクリは、虫媒花です。虫の来ない日は閉じてしまいます。
カタクリを訪れる昆虫は、ハナアブやチョウの仲間ですが早春のため、
訪れる数がすくなく、受粉を確実にするために花びらが反り返っているようです。
花の時期が終わると子房がふくらみ種がつくられます。
六日市では6月下旬頃に裂果し種が出てきます。
カタクリの種には、エライオソームがついています。
エライオソームとは、アリを誘引する物質であるオレイン酸などの脂肪酸、
グルタミン酸などのアミノ酸やショ糖などを含んだ種の付属品と考えてください。
カタクリの種は、アリにより運ばれ散布されます。
自生地では、時々種の殻を着けている針状の
1年目のカタクリを見かけることもあります。
アリによって散布されたカタクリの種は、翌年細長い針状
(柔らかい曲がりくねった松葉状)となって出現します。
自生地をよく観察してみてください。
カタクリの自生地には、よく一枚だけのカタクリの葉を見かけます。
葉は、年を重ねるごとに大きくなり、7~8年は1枚のままで過ごします。
カタクリは、1枚の葉で7~8年過ごした後、2枚の葉を出します。
ここでやっと開花します。その明くる年は1枚の葉で過ごし、
体力が回復するとまた2枚の葉を出し開花します。
カタクリは、これを繰り返し、寿命は15年から20年程度と
いわれています。
水と緑の森づくり