益田森林・林業普及情報

島根県西部農林振興センター 益田事務所

新たなスタートとなったチェンソー研修

2015年08月02日 | 機械と安全
 7月29~30日、島根県中山間地域研修センターを会場に、林業普及員を対象とした「チェンソー研修(島根県林業課主催)」に参加しました。講師はNPO法人ジット・ネットワークサービス 理事長 石垣正喜氏で、ソーチェーンの目立てとチェンソーワークを中心に実施されました。

 当方は、ソーチェーンの目立てが苦手中の苦手…。食わず嫌いの感もあり。まずは用意されたヤスリの柄が、これまでと違う。短い。自ずと持ち方まで違う。手の甲が上を向くのではなく、下を向かせる。「なぜ」と思いながらも脇を締め、ヤスリとヤスリを持った手首から肘までが一直線となるようにする。肩を軸に少し腕を振るとともに、上半身をスライドさせていく。この間常にヤスリは平行移動させる。しばらくはイメージトレーニング。イメージはつかんだ。
 実際、ソーチェーンに向かう。一つひとつの動作を確認しながら、目立てを行う。ぎこちないが、なぜかやりがいがある。自分の中で何かが得られる予感に、暑さを忘れる。きっと他の普及員も同じ気持ちだろう。

 できた。同僚が目立てをした当方のソーチェーンを覗き込む。一言、「これ全部フック*1です」。そのとおり。これまで「フック」や「バックスロープ*2」で、バラバラな仕上げだったソーチェーンが見事に「フック」で統一されている。やればできる。自らの「型」を確立させれば、「目立て」を自分のものにできる予感が、現実のものとなる(予定)。
              *1「フック」とは、横刃が極端にかぎ状になっている状態。
              *2「バックスロープ」とは、横刃が後方に傾いている状態。

 
 次はチェンソーワーク。これも「型」から。チェンソーを持ち、丸太を切る「基本姿勢」にはいる。エンジンを始動させ、丸太を切るつもりで一連の動作を行う。足幅は肩幅、左足に重心がかかると自ずとバーがまっすぐになるとのこと。イメージトレーニングの後、実際丸太を切ってみる。バーがまっすぐでない証拠に、切り口が斜め。残念。何度も何度もチャレンジ。講師に褒めの言葉をかけられると、さらに回数を重ねる。野球などのスポーツ選手は、素振りでの腰や手首の使い方、重心の移動など、細かな点にチェックを入れて、試合での成果を出す。伐倒作業も同じだ。「型」を習得することにより、効率的で安全な作業につながっている。体への負担も最小限に抑えられる。


 これまでチェンソーを使用して、何本もの立木を伐採してきた。教本と経験に基づき安全に留意していたが、たまたま怪我や事故がなかっただけかもしれない。今回の研修を通じて、その知識や技術の再確認をするとともに、「技能」としての習得にも力を注いでいきたい。
 また、林業普及員として、今回のような「役に立つ研修」を、自ら企画・運営するように心がけたい。

                                               (文責 大国隆二)

 *なお、写真は当方と関係がありません。

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