On the Corner

めぐりあいつむぎつづれおる日々を生きていく中で感じたことを

シンフォニック・ソウル

2016-03-31 23:55:01 | Gospellers

まさに彼らのためにあるような言葉だな…。
魂がぶつかりあい、奏であう。

彼が東京でのステージに戻ってきました。
きっと、誰よりも楽しみにしていたであろうオーケストラとの共演で。

苗場衣装だった焦げ茶のスリーピースに身を包んで、にこやかに登場した北山さん、
「5人」並んでいるステージ、見慣れたその一体感。
よかった、その姿をみて本当にほっとした。ぐっときた。

「我々事ですが」と前置きして北山さんの復帰を語ったてっちゃん。
2週間ほどですが、もうすっかりいつものゴスペラーズです、と。

半年もかからずによくぞここまで・・・
うれしそうに会場全体を見渡す、その笑顔のかげに
どんな努力があったんだろう、葛藤があったんだろう、と思いを馳せる。

「永遠に」「街角-on the corner-」「After the Love Has Gone」と
どれも大好きな曲を演奏するとわかっていて、そして3月に復帰開始との
報せを受けてから、この舞台を目にしないわけにはいかないと。

色々な無理があったけど、でもやっぱりライブだから。
一期一会のチャンスを逃したくなかったんだ。


苗場で聴いた「街角-on the corner-」は、GBBのパワフルながらも
しっとりした壮大さがあって、でもすこしせつない北山さんの声がなくて。

あの、ちょっと秋の夕暮れみたいな、からだをぎゅっと抱きしめるような
北山さんの歌声がなくてさびしかったんだ。
4人の歌声に、それを想像で補っているような気持ちだったことを思いだし、そこに
今回のオーケストラに溶け込むような、それでいてはっきりと意志を感じる声が
すーっと入ってきて、うれしかったんだ。
やっぱりこの曲はこの声で完成するんだな…もちろんどの曲をとってもそうなんだけど。

中学の頃に大好きだったミュージシャンが尊敬する人として挙げていた
デヴィット・フォスター。ルーツとして、AIRPLAYのアルバムもよく聴いていたけど
プロデューサーとしての仕事を集めた「The Best Of Me」に収録されている
「After the Love Has Gone」。
これで聴いて、アースのアルバムを聴くようになったんだと思う。

大好きでずっと聴いていた曲を、今回オーケストラで、彼らのカバーで
聴けたのも至福。
夏のSoulPowerの頃に打ち合わせが始まっていたとのこと。
ゴスと共演するならばぜひこの美しい曲をやりたいなと思っていた先生と、ゴスが(たぶんてっちゃんが)選んできた曲が一致したそうです。
その後モーリス・ホワイトの訃報があり、何か偶然ながらもこの曲への思いが強まったというようなことをおっしゃっていたかと。

サビのファルセットはてっちゃんの声で想像ついていたのだけど、
saxの流麗なイントロから、酒井さんが歌い始めて、ただただタオルを
握りしめて、耳を澄ませていました。
私の席の位置の関係か、酒井さんのマイクの音が細くてよく聴こえなくて。

PA通さない楽器の音圧、その隙間を縫うように酒井さんの音を
息をつめて聴いている感じだったなあ。

一番のリード酒井さんから、二番は北山さんへ。
おお、やはり英語詞カバーといえば2speですよね的な納得とともに
「Beginning」みたいな贅沢さを味わう。

ここ!というこの曲のツボが、掛け合いになるところ。
二階席から、酒井さんのささやきに悶絶しておりました。

そして、一番の盛り上がりを見せるブリッジ。
ああ、なんてひたひたとしみてくる美しい曲なんだろう…とあらためて聴きほれた。

GILLEちゃんも本調子ではなく、北山さんの復帰を祝いながらも
彼女はこの日をもって休養に入るとのことだったけれど、
歌い、気持ちを表すことが大好きなんだな、と思わせてくれる
パワフルさをみせてくれました。
一部でのミュージカルナンバーもよかったけれど、二部のソウルフルなナンバーのほうが
彼女の声をぞんぶんに味わえたな。

彼女が「Whitney」と口にしたとき、いつぞやテレビでみていたグラミー賞の
司会者がコールしたときの発音と一緒だわ~と思っていたのだけど
楽屋でゴスもざわついていたそうで。
「ぼくらは「ほいっとにー・ヒューストン」て言っちゃいますからね~」と。

モスラ組曲への先生の熱い思いをはじめ、どの選曲も素敵で、
特にカルガリーオリンピックのテーマ曲、あれを久しぶりに聴けて
なんだか目覚めるような気持ちで、テンションあがったなあ。
なにより、「北山さんがこの舞台に間に合った」ということを本当に喜んでくださって。

つい打楽器に注目してしまうけど、今回コントラバスとかビオラのみなさんを
じっくり見て聴いておりました。

またこんな贅沢な組み合わせ、観てみたい。

慌ただしい日常から、少し切り離した時間。
時間も金銭も気持ちも、余裕って大事ね、としみじみ思った年度末。

終演後は祝杯を。
握り合う手について力説しつつ。
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