あなたの街にハーモニーを
2度目となる完全アカペラアルバムをひっさげてのツアー。
緊急事態宣言による会場の都合で大阪公演が延期になったものの
7月8日、千秋楽を迎えました。
本当に、本当に!
無事に終えられたということが自分のことのように嬉しかった。
コロナ禍になり、多くのライブ、舞台が延期になり、中断となり…
こういう時期でも、考え抜かれた工夫と趣向で、いかにやりきるか、
エンターテイメントとして彼らの安全も担保しながら成立させるか、
さすがゴスペラーズ、と思わせてくれるライブでした。
一席空けた千鳥席販売、と聞いたときは、慎重だな…と思ったけど
結果的にはそれが継続できる要素のひとつだったと思う。
興行的には痛いところをよく思い切ったなと尊敬の念。
何より、人が密集せずに、自分たちの音楽活動を続けるのに
アカペラという手段は最適だなと。
ここで止まらずにアルバムが出来るのも、日ごろからの積み上げと。
あらためてこの対応力に感服です。同年代として尊敬。
私はKAATの2回と日本青年館の1回を観ることができました。
アカペラ2の曲を中心に、黙読の「わたし」の物語。
ちょっとね、ここだけの話、苦手な演出でサワサワしていたんですが。
話の筋に??と呑み込めずにいると舞台の5人を見逃したり
逆にサカイさんロックオンしていて字幕を見逃したりすることもありつつ。
3回目には「こういうことだと思う」という自分なりの設定ができました。
「手が痛くなるくらいの拍手で彼らを舞台に駆り立て」
というくだりには、そうありたいし、ずっとそれができたらいいなと
思う時間だったよ。
声を出さず、拍手とサムズアップだけでコールアンドレスポンスも
双方向でうれしかったよ。むやみにマスクの下でニヤニヤしていた気がする。
早くなりきりゴスペラーズができる日がくるといいな。
4月のKAATから一か月空いて、青年館公演。
久しぶりにつゆちゃんと一緒に観ることができて、それもまた
嬉しかったことのひとつ。
映像も至るところで効果的で美しく、「誰かのシャツ」の背景に流れる
水面はこの曲への自分のイメージとおりの揺らぎときらめきで心地よかったり、
「いろは」の床照明が、歌詞にある鋭敏さと鮮やかさにインスパイアされたような
弾け方をしていて、二階席最後列から視覚でも楽しめたり。
そうそう、「インターバル」ではアーチからの登場時、背後から当たるスポットが
下手側の壁に大きくその人のシルエットが映し出されるのだけど、
その大きさを堪能できたのも二階席ならでは。
アルバム聴きしていたときに、この曲に爆笑したりほろりとしたりだったけど
改めてライブで『観る』と「はああああ、歌う順番はこういう仕組みになっていたのか」
という新鮮な驚きもあった。紹介された人が次の歌いだしになっているのね。
アカペラならではの、歌詞がとんじゃったときの無音時間に
ひやりとした緊張感と祈る気持ちもまた、ライブだ・・・と噛みしめる感があったよ。
ライブで聴いて「!」と思う曲と、イヤフォンでアルバム聴いて「好き」と思う曲が
今回も違ったなあ。
「雨上がり」はまだ後者が勝る感じでした。
前者はやはり歌いこまれた強さというか、「星屑の街」とか心への沁みいり方がね。
何度聴いてもいい曲。しかしなんだか舞台がものすごく暗くて、・・・瞼が落ちた。
小池さんの照明演出のひとつだったようですが、あんなにほんとに夜の空の下で
歌っているようなの初めてだったんじゃないかな。
そして、今回のライブ視覚聴覚NO.1は「マジックナンバー」でした。楽しかった!
いまだに、つい頭のうえでクラップしたくなる症候群。裏拍最高。
「讃歌」も「北極星」も久しぶりに聴けて、
サカイさん、北山さんの歌声の変化も感じながら、今が一番いい、って
すごいことだよなあと。
前半の衣装、それぞれのパーソナルカラーの衣装も、なるほどーと観ていたのですが
ほんとにバラバラで(笑)
鮮やか赤、朱赤、渋赤、薄ピンク、緑、と
観る側としては、んんん??と思う色合わせだったりするものの、
それもまた彼らを構成する要素としてわかりやすい5人の違いなのかもな、と。
「ヤスオカとクロサワはスター性がある」とてっちゃんがニヤニヤしていたけど
ヤスが着ていた上下セット、宙組のキキちゃんが型違いのジャケットを
GRAPHのポートで着ていて個人的にツボでした。
そして今回キタヤマ博士に発表された「ハーモニオン」なる物質も
大いに客席を沸かせてくれました。
初挑戦の歌詞にも、彼なりの音楽を通した人間関係や響きそのものへの
リスペクトが感じられるよね。
4月のKAATで、
「コンサートに来るという選択が当たり前ではない中で来てくれたことに感謝します」
というてっちゃんの言葉にぐっときて。
何が正解か、先の見えない中で、自分の欲することだけに向かっていいのか
迷い悩む気持ちがあるのは確か。
無自覚無症状、なんていうことがある以上はなおさら。
それでも。
信頼している彼らが考え抜いて創る場には、来たい、と強く思ったよ。
そのために出来る対策はしっかりとる。
ゴスもまた、ケータリングなし、打ち上げなし、ホテルの部屋でお弁当といった
街を移動する楽しみもなく過ごしてきての、千秋楽後のリモート打ち上げ!
その様子に一緒に参加させてもらえるなんて、本当に本当にありがとう!!!
ライブを終えての、ネタバレ解禁&場面ごとの苦労話なんかも
それぞれの部屋でいい感じに酔っぱらっていく(サカイさんのみ)様子に
PC画面見ながらニヤニヤして、私もワインをぐいぐい飲んでおりましたよ。
気を張った日々だったと思うし、本当におつかれさまでした。
ここで気を抜かずに各部屋からのリモートなのも、
ちょこんと「むらかみあられ」がいるのも、
何にしようかわくわく選んだであろうおつまみがドヤっと披露されるのも、
延々話していられるけど、スタッフさんがまだ食事もとれず休めないからとの
リーダーの一言でおひらきになるのも、
ああ、好きだとなるよね。
また、ライブで会える日を心待ちにしつつ。
元気でいてね。