ガンダムの1年戦争とグリプス戦役を多くのガンダムゲームを共有プレイして弩外道視点で物語たりたい。第六話なのです。
第六話のプレイ日記の部分に使用した、引き続き【機動戦士ガンダム戦記】(PS2ヴァージョン)です。
第六話ここからスタートです。
私は、考えていた、ジノビエフ准尉とガンス曹長の昇進をキシリア閣下に奏上するのは、厳しいという事を。
ガースキ・ジノビエフ准尉の前回作戦時の戦果は
陸戦型ジム:100mmマシンガン2機撃破
ガンタンク1機撃破
ジェイク・ガンス曹長の前回作戦時の戦果は
陸戦型ジム:100mmマシンガン1機撃破
ガンタンク1機撃破
直接キシリア閣下に二人の昇進を具申するには、二人ともそれぞれMS1機づつの追加の戦果が必用だ。
もし、私が、現在のまま昇進を具申すれば、閣下は公私の区別に殊更厳しいお方、二人の昇進が通らないだけでなく、私自身も閣下のお気に入りどころか部下が可愛いだけの、己を弁えぬ愚者として認識されてしまうのは目に見えている。
奥の手は実はある、しかしこんな所で使うべきじゃない。
何か無いか。何か無いか。何か無いか。。。。
情報端末室に籠って、情報を引っ張りだしては、解決策を探ってみるが、碌な情報が引っかからない上に、せめて解決の糸口だけでも捕めればと方向性だけでも思いつけば、もう少しマシな情報引っ張りだせるのにと思っても、何も思い浮かば無い。
ともかく気分転換と艦内のカフェへ移動して紅茶を飲む事にした。
3人掛けのソファの真ん中でだらしなくぐでっとくつろいでいるとたまたまユウキ軍曹が今時珍しい紙の資料の束を持って通りかかったので、ちょっと興味を引かれて何の資料か教えて欲しいと尋ねると、彼女は黙って私の隣に腰掛けると、『隊長、御覧になりますか?』と資料の束ごと手渡してくれた。
とりあえずありがとうだけ言うとさっそく、目を通し始めた。
結論から言うと、ジオン・連邦の支配地域の境界から近い地点にある連邦の前線拠点や基地などの、いわゆる脅威度が高いとされる敵の拠点の衛星写真を束ねたものだったのだが、私は、数枚目のヨーロッパ山中の拠点の衛星写真に目を見張り、思わず『これだ!』と声に出してしてしまったのでした。
『隊長、どうかされたのですか?いきなり大声を出されたりして?』
彼女が怪訝そうに私の顔をのぞき込んできたが、先ほどから考え抜いて頭を悩ませていた問題の答えの方からやって来てくれたのだから、それは機嫌も良くなろうと言うものだ。
早速、彼女に断りを入れて問題のページを引き抜かせて貰って、その衛星写真を広げて隅々まで観察したあと
『うんうん、これだよこれ、僕が欲しかったのは!ナカザト軍曹、君はもしかして勝利の女神様かい?なんか前からそんな気がしてたんだよね~♪』
と軽口言ったら、別に口説いてるつもりは、なかったんだけど、彼女が私のとなりで真っ赤に頬を染めて恥ずかしそうにしていたので、そう取られちゃったかあ、とやっと気づいたんだけど、今更取り消すのはなおさら悪手なので、そういう事にしておこうと思って、真面目なトーンに会話を戻して。
『ありがとう、君のおかげで助かったよ。』
と笑顔で言って、勢い良く席を立ち上がると取り合えず話を前に進めるために自室に戻ってデスクに向かい、急いで作戦具申書を作り始めた。
その作戦の内容はというと、先ほどのヨーロッパー山中な両軍の緩衝地帯からほどとおからぬ基地にビッグトレー級陸上戦艦が駐留しているのが、衛星写真でもはっきり確認できたのだけれどジオン軍側がその山中の基地に攻め込むには大軍を一気に通す広い空間が無いので狭い隘路を長い行列作って進軍するしかないけど、まずビッグトレー主砲の射程内で間接砲撃で一方的に撃ち減らされる上に隘路の両側の山麓に待ち伏せ部隊をおかないバカはいないから、まずたどり着くことはできないからだからだけど、その上みえてるだけでMS用と思しき掩体壕と格納庫っぽい施設の数が半端ないから待ち伏部隊主力はMSな最低の予感。
まあ、餅は餅屋だから、この作戦具申書に隊長どのの承認印を頂いたらさっそく軍事情報収集部門に問い合わせだっ、ちなみにキシリア閣下の指揮下にある諜報部とは、まったく別組織で、そういった派閥に属してないから、うちの隊には恩を売っときたいとこだろうし、飛び込みでも、問題無く教えてくれるだろう。
と、予定通りダグラス閣下から、承認印を貰い。
ダグラス閣下には、もう一つマクベ大佐からザクⅡを3機、ド・ダイ・YSを3機貸してもらえるように調整をお願いしました。
軍事情報収集部第2課に秘匿通信をつなぎと言っても、いつもキシリア閣下に報告する時使っている最上位のものでなく、私の権限で使えるレベルの低いセキュリティーレベルの暗号通信だがまあ、話の内容からして、問題無いだろう。
私はヴィジホンの正面に立ち、画像が立ち上がると同時に敬礼して。
『キシリア閣下直属の特務MS遊撃隊の弩外道中佐です、この度ヨーロッパ山中のコードA110-R232基地を強襲する作戦の承認が降りましたので、お忙しい所申し訳ありませんが、駐留しているMS戦力を調べて頂けないでしょうか?』オペレーターの若い女性が退出して、上官らしき年配の将校の方に変わられました。
『もしかして、インビジブル・パーサカーの弩外道中佐殿でありますが?』と問われたので、
『はい、まあ一応。』と少し歯切れが悪くなってしまいましたが、
相手の将校の方は全く気にしたそぶりもなく
『それは、お話しできて光栄であります、自分はミハエル・ロッドマン少佐であります。ご用件は、ヨーロッパ山中のコードA110-R232基地のMS戦力でありましたね。少々お待ち下さい』と席を外された後、2分後には戻ってきて、最新の情報では陸戦型ジムが7機、ガンンタンクが3機、それにビームスプレーガン装備のジムが3~4機でほぼMSの全戦力です。』
とその場ですぐに教えて下さいました。
私は、すぐに対応頂いた事に対して感謝を伝え、今回のご協力にお礼を述べました。
最後の仕上げで、作戦具申書のダグラス閣下に承認印を頂いた複写をキシリア閣下の元へ送らせて頂きました。
キシリア閣下のご承認の連絡を頂いたら、さっそく出撃準備です。
【ヨーロッパ山中ビッグトレー破壊任務】
機動戦士ガンダム戦記(PS2ヴァージョン)ミッション03より
ブリーフィングでは、後日ミハエル少佐から提供頂いた、敵配置図を使って今回の作戦を説明しました。
『今回の戦術目標は敵ビップトレー級陸上戦艦の撃破だ』
『まずは、このMAPを見て欲しい。』
『この通り、敵陸上戦艦の外周を敵MSが13~14機きっちり守っている。しかも、進入路は山地を通る、南の隘路しかないから、敵の砲撃の餌食になるのは確実なので、現地MS大隊の指揮官もうかつに手を出せなかったそうだ。』
『そこで、我々はダグラス閣下に調達して頂いたザクⅡとド・ダイ・YSを用いて、空から侵入、敵MS部隊の壁を飛び越えて、直接ビッグトレーの所へ飛び降りて奇襲を掛ける。ビッグトレーの破壊は、私が担当するので、ジノビエフ准尉とガンス曹長は、集まってくる敵を牽制して、私が敵艦を白兵で撃沈するまで近づけないで欲しい。その時の注意点だが二人とも必ず敵MSを1機以上撃破してくれ。目標を達成したら敵の防護施設やMSが配備されていない基地北側より脱出、森に入ったらド・ダイ・YSを回収し、再び空から、敵を飛び越えてザンジバルに帰投する。』
『何か質問はあるか?』
『あの、隊長殿、隊長機に敵MSを近づけるなというご命令は理解しましたが、何故自分達が必ず敵MSを1機以上撃破しなきゃならないんでありますか?』
『すまないな、ジノビエフ准尉、それは完全にこちらの都合だ、貴官ら二人の昇進をキシリア閣下に奏上するのに、二人ともどうしてももう1機づつMSを撃破した戦果が必要なんだ。』
『では、隊長殿はわざわざ我々を昇進させる為に、この作戦を立案して、あちこちに手を回して下さったのですか?』
『まあ、そうなんだが、君らの為だけではないぞ、実際ビッグトレー級陸上戦艦は、その方面で対峙している我がジオンのMS大隊には大きな脅威だからな、早めに取り除くべきだと思ったのだ。』
ちょっと照れ隠しに、ついでの目的の方を特に強調しておいたが、逆にそれが彼らの琴線に触れたらしく、ジノビエフ准尉とガンス曹長は椅子から立ち上がると、これ以上ないくらい直立不動になって、私に敬礼して
『ありがとうございます隊長。自分は隊長の部下になれて幸せであります。』
『自分もです、自分も隊長のような素晴らしい方の下につけて、これ以上ないくらいに感激しております。』
『まあ、これくらいはな、二人の階級が上がれば、貴君らに求める活躍もおのずとレベルが上げ易いからな。』
しかし、二人の純粋な尊敬の眼差しに気おされて、半分本気で半分冗談で言葉をにごしたんだけど、あんまり照れ隠しは、成功していなかったようだ。
ダグラス指令や美女3人組に暖かな目で見守られてしまった(-_-;)
『他に質問は?よし作戦開始は2時間後だ、各自それまでに準備を整えるように、以上解散!』
1番機はド・ダイ・YSをあやつるためザクⅡ(J型)
2番機、3番機もやっぱりダグラス閣下がマクベ大佐から貸してもらったサクⅡ(J型)
現地についたら、自軍制圧地域にザンジバルを着陸させ、さっそくド・ダイ・YSにザクⅡを載せて空の旅。
あーこりゃ、楽だ。
そして隊内通信で二人に呼びかける、
『ジノビエフ准尉、ガンス軍曹、今日はいつもと違ってザクⅡだ、当然めちゃ低スペックだから無茶してくれるなよ!』
『はっ!』
『了解であります!』
ここで、緊迫した空気をぶち壊したのは、オペレーターのユウキ軍曹だった。
『うふふ。隊長、まるで心配症で子煩悩なお父さんみたい。』
『なんだよ、お父さんって、俺は独身だよてか彼女もいないよ!悪かったな。』
すると。ジノビエフ准尉が
『隊長、よろしければ、基地戻ったら、自分の彼女の友達紹介しますよ。』
『えっ、マジ。』
『隊長!作戦中なのに私語は不謹慎です。ジノビエフ准尉も。』
そして、彼女はささやくような小さな声で
『そっか、ほんとに彼女いないんだ。うふふ。』
って、マイクがしっかり拾ってましたが、作戦用無線って結構高性能なんだよね。
と、ちょっと嬉しそうなニュアンスぽかった。。。
と、いうことは、そういう事でいいんだよなー、とか思ったけど、すぐにジオン側支配地域に踏み込んだので二人に周囲を警戒するように伝えて、自分自身も頭を切り替えた。
やがて、目標のビッグトレー級戦艦が射程内にはいったので、空中からザクバズーカをお見舞い、ついでにそばにいたホーバートラックも撃破しておいた。
できるだけ、奴らの司令部へ奇襲が伝わるのを遅らせたい。
頼むぞブースター、文字通り奇襲にすべくド・ダイ・YSから飛び降りてブースト全開で敵艦に肉薄、ド・ダイ・YSはオートパイロットで北の森に向かわせ、モニターで確認して安全な位置に降りさせた。
ビッグトレー級の隣接取った!やったね。くらえヒートホーク通常3段攻撃!を連撃で
左舷の主砲を破壊した時、運よく弾薬庫に引火したっぽい。
たちまち、敵艦全体を炎が包む。
敵艦の爆発に巻き込まれないよう、あわてて離れる。
すると通信が、入った。
『隊長、あの短時間でお見事っす。自分、ご命令通り陸戦型ジム1機撃破です。』
『隊長、自分もMS1機撃破です、ついでに61式戦車1両撃破です。』
『二人とも良くやった、今の内に北の森に突入して安全を確保後、ド・ダイ.・YSを呼び戻して帰りも安全で優雅に空の旅としゃれこもうw』
『了解!』
二人とも即座に声を揃えて、返事したが、嬉しそうなニュアンスは隠せていない。
ちなみに、下のキャプチャーは今まさに北の森にトンズラするべく、二人の合流を待ってる所。
すると、再びユウキ軍曹が、
『3人共、見事な連携でした、お疲れ様でした。』
『ああ、いつもながら君のナビも完璧だったよ、いつもありがとう。』
『いえ、私なんて、それにしても見事な作戦でした、敵は隊長の思い通りに命令系統が混乱したようで、集結が大分遅れたようです。完全に読み通りです。お見事です!』
『まあ、今回も作戦がはまって良かったよ。皆無事だから。戦果も大切だけど、一番はみんなの命だから。』
すこし、沈黙の後、再びユウキ軍曹が、
『あの、隊長が私たちの隊長になる前、宇宙空間でも大活躍してた頃のお話し聞かせて下さい!』
すると男子メンバー2人もさっそく乗ってきて。
『自分も、是非聞かせて下さい!』
『自分も、自分もインビジブル・パーサカーの戦略・戦術知りたいです!』
『話するくらい、いつでも話すよ。午後12時半から1時半はカフェで休憩しているから、その時においで。』
『ああ、でも3人共聞きたい内容が違うっぽいから、順番は3人で調整してくれよ。』
『はい。』
3人の返事が重なった。
弩外道の戦果
ビッグトレー級陸上戦艦1隻撃破
ホバートラック1両撃破
ガースキー・ジノビエフ准尉の戦果
陸戦型ジム:100mmマシンガン 1機撃破
ジェイク・ガンス曹長
陸戦型ジム:100mmマシンガン 1機撃破
61式戦車 1両撃破
これで前回作戦時の2人戦果も合算すればジノビエフ准尉とガンス曹長の昇進は確実だろう。
まあ、私も骨を折った甲斐があるってもんだ。
ザンジバルに戻って隊長に戦果報告と戦闘経緯の説明を終えると
自室に戻りパイロットスーツを脱いでシャワーで汗を流し、洗濯済みの軍服に着替えると、
メイ・カーウィン曹長の所に真っ先に行った。
『やあ、いつも完璧にMS整備してくれてありがとう。』
『ううん、隊長さんたちが上手に使ってくれてるからほとんど壊れてないもん。』
ニコッと微笑みながら少しうれしそう。
『それでさあ、悪いんだけど、今回のザクⅡとド・ダイ・YSいつも以上にピカピカにしてよ。』
『あれ、借り物じゃん、それでここだけの話し、マクベ大佐って五月蝿そうじゃん、ゴメン!』
私は腰まで上半身を折って深い礼をして、メイちゃんに助けてポーズのまま、
『お願い、こんなの頼むのは筋違い違いなのはわかってるんだけど、頼れるのはメイちゃんだけなんだ。助けて。』
すると、彼女はわらいながら
『わかったから、隊長さん頭上げてよ。私が隊長さんのお願い断ると思う?』
『新品以上にぴっかぴっかにして、返しとくよ!』
『ありがとう、助かるよ、そうだ今度お礼にカフェでおごるよ、ジャンボクリームパフェでも、これでもかアイスでもいいよ。メイちゃんへのお礼はそれくらいじゃないと釣り合わないもんな。』
『ほんと、ワーイ、嬉しいなー💛』
メイちゃんの笑顔もいいよなあ。
さーて、気を引き締めて。秘書官室の扉を叩いた。
『特務じゃないし、作戦の趣旨も理解してますが、もうちょっと戦果を欲張って頂かないと。ザンジバルをヨーロッパへ派遣するのに必要なコスト分かってますか?いつもの特務であればキシリア閣下の方で無償で補給頂けますが、今回の作戦は、うちの作戦だから補充品も自前なんですよ。全く、誰が調達しなきゃならないんですか。』
このままだと、永遠にお小言続きそうだったので、またも上半身を腰まで折って
『ごめん、今度自前の作戦計画は必ず事前にジェーン中尉に相談するよ、そしたら必用な戦果を言って貰えば、作戦案を修正かけるから。』
『それと、今回の戦果報告の時に消耗した、物資の一部だけでも供給お願いできないか、頼んでみるよ、まあ、保証は無いけど。頑張って頭下げるからからさあ。』
『ああ、いえ、そういう意味では、確かに並みの隊だったら、今回の戦果は大戦果な訳ですから、私も言い過ぎました。』
『いや、それって、俺たちみんながジェーン中尉に甘えてるってことだろ、いつもありがとうね、うちの部隊が活躍できるのもジェーンさんのお陰だよね、ホントいつもありがとう。』
『いえ、そんな、それ褒めすぎです。』
『次の作戦も頑張って下さいね。』
『了解です。』
とぴしっとしばらく敬礼続けた後二人で笑みくずれた。
それから3日間
休憩時間にユウキ軍曹、ジノビエフ准尉、ガンス曹長の順に、宇宙に居た頃の戦闘や作戦の話をした。
それほど、おもしろい話じゃないんだけど、みんな目を輝かせて聞いていた。
これって所謂プラシーボ効果!?みたいなもんなのかな?と思ったら3人から話を聞いたクルーが私も聞きたいという人が殺到したので、ダグラス閣下に大会議室を使って良いか確認に行ったところ、快諾してくださった。
『それから、貴重な休憩時間をつぶす事は無い、これは戦略・戦術の講義だよ、弩外道中佐、勤務時間中に警戒任務中のメンバーをうまく回せば、2回で済むだろう。そっちはワシが調整しておこう、それにワシも聞きたいしな、宇宙時代の君の活躍。』
と言って破顔された。
『ありがとうございます。』
と敬礼して、そんなに面白い話だったかなあ?と疑問を抱きつつも、まあ1回聞けば皆も飽きるだろ、話じたい面白い方じゃないもんねw
と、ひとりごちて、部屋に戻るとさっそく二人の昇進推薦状と戦闘経過書等の必要書類を整える作業に取り掛かった。
まあ、今日中には、終わるな。
さあ、頑張って書いちゃいますか。
次回も見てくださいね~♪
『あなたの正しき行いが、ただしく周囲の人たちに理解してもらえますように~♪』
第六話のプレイ日記の部分に使用した、引き続き【機動戦士ガンダム戦記】(PS2ヴァージョン)です。
第六話ここからスタートです。
私は、考えていた、ジノビエフ准尉とガンス曹長の昇進をキシリア閣下に奏上するのは、厳しいという事を。
ガースキ・ジノビエフ准尉の前回作戦時の戦果は
陸戦型ジム:100mmマシンガン2機撃破
ガンタンク1機撃破
ジェイク・ガンス曹長の前回作戦時の戦果は
陸戦型ジム:100mmマシンガン1機撃破
ガンタンク1機撃破
直接キシリア閣下に二人の昇進を具申するには、二人ともそれぞれMS1機づつの追加の戦果が必用だ。
もし、私が、現在のまま昇進を具申すれば、閣下は公私の区別に殊更厳しいお方、二人の昇進が通らないだけでなく、私自身も閣下のお気に入りどころか部下が可愛いだけの、己を弁えぬ愚者として認識されてしまうのは目に見えている。
奥の手は実はある、しかしこんな所で使うべきじゃない。
何か無いか。何か無いか。何か無いか。。。。
情報端末室に籠って、情報を引っ張りだしては、解決策を探ってみるが、碌な情報が引っかからない上に、せめて解決の糸口だけでも捕めればと方向性だけでも思いつけば、もう少しマシな情報引っ張りだせるのにと思っても、何も思い浮かば無い。
ともかく気分転換と艦内のカフェへ移動して紅茶を飲む事にした。
3人掛けのソファの真ん中でだらしなくぐでっとくつろいでいるとたまたまユウキ軍曹が今時珍しい紙の資料の束を持って通りかかったので、ちょっと興味を引かれて何の資料か教えて欲しいと尋ねると、彼女は黙って私の隣に腰掛けると、『隊長、御覧になりますか?』と資料の束ごと手渡してくれた。
とりあえずありがとうだけ言うとさっそく、目を通し始めた。
結論から言うと、ジオン・連邦の支配地域の境界から近い地点にある連邦の前線拠点や基地などの、いわゆる脅威度が高いとされる敵の拠点の衛星写真を束ねたものだったのだが、私は、数枚目のヨーロッパ山中の拠点の衛星写真に目を見張り、思わず『これだ!』と声に出してしてしまったのでした。
『隊長、どうかされたのですか?いきなり大声を出されたりして?』
彼女が怪訝そうに私の顔をのぞき込んできたが、先ほどから考え抜いて頭を悩ませていた問題の答えの方からやって来てくれたのだから、それは機嫌も良くなろうと言うものだ。
早速、彼女に断りを入れて問題のページを引き抜かせて貰って、その衛星写真を広げて隅々まで観察したあと
『うんうん、これだよこれ、僕が欲しかったのは!ナカザト軍曹、君はもしかして勝利の女神様かい?なんか前からそんな気がしてたんだよね~♪』
と軽口言ったら、別に口説いてるつもりは、なかったんだけど、彼女が私のとなりで真っ赤に頬を染めて恥ずかしそうにしていたので、そう取られちゃったかあ、とやっと気づいたんだけど、今更取り消すのはなおさら悪手なので、そういう事にしておこうと思って、真面目なトーンに会話を戻して。
『ありがとう、君のおかげで助かったよ。』
と笑顔で言って、勢い良く席を立ち上がると取り合えず話を前に進めるために自室に戻ってデスクに向かい、急いで作戦具申書を作り始めた。
その作戦の内容はというと、先ほどのヨーロッパー山中な両軍の緩衝地帯からほどとおからぬ基地にビッグトレー級陸上戦艦が駐留しているのが、衛星写真でもはっきり確認できたのだけれどジオン軍側がその山中の基地に攻め込むには大軍を一気に通す広い空間が無いので狭い隘路を長い行列作って進軍するしかないけど、まずビッグトレー主砲の射程内で間接砲撃で一方的に撃ち減らされる上に隘路の両側の山麓に待ち伏せ部隊をおかないバカはいないから、まずたどり着くことはできないからだからだけど、その上みえてるだけでMS用と思しき掩体壕と格納庫っぽい施設の数が半端ないから待ち伏部隊主力はMSな最低の予感。
まあ、餅は餅屋だから、この作戦具申書に隊長どのの承認印を頂いたらさっそく軍事情報収集部門に問い合わせだっ、ちなみにキシリア閣下の指揮下にある諜報部とは、まったく別組織で、そういった派閥に属してないから、うちの隊には恩を売っときたいとこだろうし、飛び込みでも、問題無く教えてくれるだろう。
と、予定通りダグラス閣下から、承認印を貰い。
ダグラス閣下には、もう一つマクベ大佐からザクⅡを3機、ド・ダイ・YSを3機貸してもらえるように調整をお願いしました。
軍事情報収集部第2課に秘匿通信をつなぎと言っても、いつもキシリア閣下に報告する時使っている最上位のものでなく、私の権限で使えるレベルの低いセキュリティーレベルの暗号通信だがまあ、話の内容からして、問題無いだろう。
私はヴィジホンの正面に立ち、画像が立ち上がると同時に敬礼して。
『キシリア閣下直属の特務MS遊撃隊の弩外道中佐です、この度ヨーロッパ山中のコードA110-R232基地を強襲する作戦の承認が降りましたので、お忙しい所申し訳ありませんが、駐留しているMS戦力を調べて頂けないでしょうか?』オペレーターの若い女性が退出して、上官らしき年配の将校の方に変わられました。
『もしかして、インビジブル・パーサカーの弩外道中佐殿でありますが?』と問われたので、
『はい、まあ一応。』と少し歯切れが悪くなってしまいましたが、
相手の将校の方は全く気にしたそぶりもなく
『それは、お話しできて光栄であります、自分はミハエル・ロッドマン少佐であります。ご用件は、ヨーロッパ山中のコードA110-R232基地のMS戦力でありましたね。少々お待ち下さい』と席を外された後、2分後には戻ってきて、最新の情報では陸戦型ジムが7機、ガンンタンクが3機、それにビームスプレーガン装備のジムが3~4機でほぼMSの全戦力です。』
とその場ですぐに教えて下さいました。
私は、すぐに対応頂いた事に対して感謝を伝え、今回のご協力にお礼を述べました。
最後の仕上げで、作戦具申書のダグラス閣下に承認印を頂いた複写をキシリア閣下の元へ送らせて頂きました。
キシリア閣下のご承認の連絡を頂いたら、さっそく出撃準備です。
【ヨーロッパ山中ビッグトレー破壊任務】
機動戦士ガンダム戦記(PS2ヴァージョン)ミッション03より
ブリーフィングでは、後日ミハエル少佐から提供頂いた、敵配置図を使って今回の作戦を説明しました。
『今回の戦術目標は敵ビップトレー級陸上戦艦の撃破だ』
『まずは、このMAPを見て欲しい。』
『この通り、敵陸上戦艦の外周を敵MSが13~14機きっちり守っている。しかも、進入路は山地を通る、南の隘路しかないから、敵の砲撃の餌食になるのは確実なので、現地MS大隊の指揮官もうかつに手を出せなかったそうだ。』
『そこで、我々はダグラス閣下に調達して頂いたザクⅡとド・ダイ・YSを用いて、空から侵入、敵MS部隊の壁を飛び越えて、直接ビッグトレーの所へ飛び降りて奇襲を掛ける。ビッグトレーの破壊は、私が担当するので、ジノビエフ准尉とガンス曹長は、集まってくる敵を牽制して、私が敵艦を白兵で撃沈するまで近づけないで欲しい。その時の注意点だが二人とも必ず敵MSを1機以上撃破してくれ。目標を達成したら敵の防護施設やMSが配備されていない基地北側より脱出、森に入ったらド・ダイ・YSを回収し、再び空から、敵を飛び越えてザンジバルに帰投する。』
『何か質問はあるか?』
『あの、隊長殿、隊長機に敵MSを近づけるなというご命令は理解しましたが、何故自分達が必ず敵MSを1機以上撃破しなきゃならないんでありますか?』
『すまないな、ジノビエフ准尉、それは完全にこちらの都合だ、貴官ら二人の昇進をキシリア閣下に奏上するのに、二人ともどうしてももう1機づつMSを撃破した戦果が必要なんだ。』
『では、隊長殿はわざわざ我々を昇進させる為に、この作戦を立案して、あちこちに手を回して下さったのですか?』
『まあ、そうなんだが、君らの為だけではないぞ、実際ビッグトレー級陸上戦艦は、その方面で対峙している我がジオンのMS大隊には大きな脅威だからな、早めに取り除くべきだと思ったのだ。』
ちょっと照れ隠しに、ついでの目的の方を特に強調しておいたが、逆にそれが彼らの琴線に触れたらしく、ジノビエフ准尉とガンス曹長は椅子から立ち上がると、これ以上ないくらい直立不動になって、私に敬礼して
『ありがとうございます隊長。自分は隊長の部下になれて幸せであります。』
『自分もです、自分も隊長のような素晴らしい方の下につけて、これ以上ないくらいに感激しております。』
『まあ、これくらいはな、二人の階級が上がれば、貴君らに求める活躍もおのずとレベルが上げ易いからな。』
しかし、二人の純粋な尊敬の眼差しに気おされて、半分本気で半分冗談で言葉をにごしたんだけど、あんまり照れ隠しは、成功していなかったようだ。
ダグラス指令や美女3人組に暖かな目で見守られてしまった(-_-;)
『他に質問は?よし作戦開始は2時間後だ、各自それまでに準備を整えるように、以上解散!』
1番機はド・ダイ・YSをあやつるためザクⅡ(J型)
2番機、3番機もやっぱりダグラス閣下がマクベ大佐から貸してもらったサクⅡ(J型)
現地についたら、自軍制圧地域にザンジバルを着陸させ、さっそくド・ダイ・YSにザクⅡを載せて空の旅。
あーこりゃ、楽だ。
そして隊内通信で二人に呼びかける、
『ジノビエフ准尉、ガンス軍曹、今日はいつもと違ってザクⅡだ、当然めちゃ低スペックだから無茶してくれるなよ!』
『はっ!』
『了解であります!』
ここで、緊迫した空気をぶち壊したのは、オペレーターのユウキ軍曹だった。
『うふふ。隊長、まるで心配症で子煩悩なお父さんみたい。』
『なんだよ、お父さんって、俺は独身だよてか彼女もいないよ!悪かったな。』
すると。ジノビエフ准尉が
『隊長、よろしければ、基地戻ったら、自分の彼女の友達紹介しますよ。』
『えっ、マジ。』
『隊長!作戦中なのに私語は不謹慎です。ジノビエフ准尉も。』
そして、彼女はささやくような小さな声で
『そっか、ほんとに彼女いないんだ。うふふ。』
って、マイクがしっかり拾ってましたが、作戦用無線って結構高性能なんだよね。
と、ちょっと嬉しそうなニュアンスぽかった。。。
と、いうことは、そういう事でいいんだよなー、とか思ったけど、すぐにジオン側支配地域に踏み込んだので二人に周囲を警戒するように伝えて、自分自身も頭を切り替えた。
やがて、目標のビッグトレー級戦艦が射程内にはいったので、空中からザクバズーカをお見舞い、ついでにそばにいたホーバートラックも撃破しておいた。
できるだけ、奴らの司令部へ奇襲が伝わるのを遅らせたい。
頼むぞブースター、文字通り奇襲にすべくド・ダイ・YSから飛び降りてブースト全開で敵艦に肉薄、ド・ダイ・YSはオートパイロットで北の森に向かわせ、モニターで確認して安全な位置に降りさせた。
ビッグトレー級の隣接取った!やったね。くらえヒートホーク通常3段攻撃!を連撃で
左舷の主砲を破壊した時、運よく弾薬庫に引火したっぽい。
たちまち、敵艦全体を炎が包む。
敵艦の爆発に巻き込まれないよう、あわてて離れる。
すると通信が、入った。
『隊長、あの短時間でお見事っす。自分、ご命令通り陸戦型ジム1機撃破です。』
『隊長、自分もMS1機撃破です、ついでに61式戦車1両撃破です。』
『二人とも良くやった、今の内に北の森に突入して安全を確保後、ド・ダイ.・YSを呼び戻して帰りも安全で優雅に空の旅としゃれこもうw』
『了解!』
二人とも即座に声を揃えて、返事したが、嬉しそうなニュアンスは隠せていない。
ちなみに、下のキャプチャーは今まさに北の森にトンズラするべく、二人の合流を待ってる所。
すると、再びユウキ軍曹が、
『3人共、見事な連携でした、お疲れ様でした。』
『ああ、いつもながら君のナビも完璧だったよ、いつもありがとう。』
『いえ、私なんて、それにしても見事な作戦でした、敵は隊長の思い通りに命令系統が混乱したようで、集結が大分遅れたようです。完全に読み通りです。お見事です!』
『まあ、今回も作戦がはまって良かったよ。皆無事だから。戦果も大切だけど、一番はみんなの命だから。』
すこし、沈黙の後、再びユウキ軍曹が、
『あの、隊長が私たちの隊長になる前、宇宙空間でも大活躍してた頃のお話し聞かせて下さい!』
すると男子メンバー2人もさっそく乗ってきて。
『自分も、是非聞かせて下さい!』
『自分も、自分もインビジブル・パーサカーの戦略・戦術知りたいです!』
『話するくらい、いつでも話すよ。午後12時半から1時半はカフェで休憩しているから、その時においで。』
『ああ、でも3人共聞きたい内容が違うっぽいから、順番は3人で調整してくれよ。』
『はい。』
3人の返事が重なった。
弩外道の戦果
ビッグトレー級陸上戦艦1隻撃破
ホバートラック1両撃破
ガースキー・ジノビエフ准尉の戦果
陸戦型ジム:100mmマシンガン 1機撃破
ジェイク・ガンス曹長
陸戦型ジム:100mmマシンガン 1機撃破
61式戦車 1両撃破
これで前回作戦時の2人戦果も合算すればジノビエフ准尉とガンス曹長の昇進は確実だろう。
まあ、私も骨を折った甲斐があるってもんだ。
ザンジバルに戻って隊長に戦果報告と戦闘経緯の説明を終えると
自室に戻りパイロットスーツを脱いでシャワーで汗を流し、洗濯済みの軍服に着替えると、
メイ・カーウィン曹長の所に真っ先に行った。
『やあ、いつも完璧にMS整備してくれてありがとう。』
『ううん、隊長さんたちが上手に使ってくれてるからほとんど壊れてないもん。』
ニコッと微笑みながら少しうれしそう。
『それでさあ、悪いんだけど、今回のザクⅡとド・ダイ・YSいつも以上にピカピカにしてよ。』
『あれ、借り物じゃん、それでここだけの話し、マクベ大佐って五月蝿そうじゃん、ゴメン!』
私は腰まで上半身を折って深い礼をして、メイちゃんに助けてポーズのまま、
『お願い、こんなの頼むのは筋違い違いなのはわかってるんだけど、頼れるのはメイちゃんだけなんだ。助けて。』
すると、彼女はわらいながら
『わかったから、隊長さん頭上げてよ。私が隊長さんのお願い断ると思う?』
『新品以上にぴっかぴっかにして、返しとくよ!』
『ありがとう、助かるよ、そうだ今度お礼にカフェでおごるよ、ジャンボクリームパフェでも、これでもかアイスでもいいよ。メイちゃんへのお礼はそれくらいじゃないと釣り合わないもんな。』
『ほんと、ワーイ、嬉しいなー💛』
メイちゃんの笑顔もいいよなあ。
さーて、気を引き締めて。秘書官室の扉を叩いた。
『特務じゃないし、作戦の趣旨も理解してますが、もうちょっと戦果を欲張って頂かないと。ザンジバルをヨーロッパへ派遣するのに必要なコスト分かってますか?いつもの特務であればキシリア閣下の方で無償で補給頂けますが、今回の作戦は、うちの作戦だから補充品も自前なんですよ。全く、誰が調達しなきゃならないんですか。』
このままだと、永遠にお小言続きそうだったので、またも上半身を腰まで折って
『ごめん、今度自前の作戦計画は必ず事前にジェーン中尉に相談するよ、そしたら必用な戦果を言って貰えば、作戦案を修正かけるから。』
『それと、今回の戦果報告の時に消耗した、物資の一部だけでも供給お願いできないか、頼んでみるよ、まあ、保証は無いけど。頑張って頭下げるからからさあ。』
『ああ、いえ、そういう意味では、確かに並みの隊だったら、今回の戦果は大戦果な訳ですから、私も言い過ぎました。』
『いや、それって、俺たちみんながジェーン中尉に甘えてるってことだろ、いつもありがとうね、うちの部隊が活躍できるのもジェーンさんのお陰だよね、ホントいつもありがとう。』
『いえ、そんな、それ褒めすぎです。』
『次の作戦も頑張って下さいね。』
『了解です。』
とぴしっとしばらく敬礼続けた後二人で笑みくずれた。
それから3日間
休憩時間にユウキ軍曹、ジノビエフ准尉、ガンス曹長の順に、宇宙に居た頃の戦闘や作戦の話をした。
それほど、おもしろい話じゃないんだけど、みんな目を輝かせて聞いていた。
これって所謂プラシーボ効果!?みたいなもんなのかな?と思ったら3人から話を聞いたクルーが私も聞きたいという人が殺到したので、ダグラス閣下に大会議室を使って良いか確認に行ったところ、快諾してくださった。
『それから、貴重な休憩時間をつぶす事は無い、これは戦略・戦術の講義だよ、弩外道中佐、勤務時間中に警戒任務中のメンバーをうまく回せば、2回で済むだろう。そっちはワシが調整しておこう、それにワシも聞きたいしな、宇宙時代の君の活躍。』
と言って破顔された。
『ありがとうございます。』
と敬礼して、そんなに面白い話だったかなあ?と疑問を抱きつつも、まあ1回聞けば皆も飽きるだろ、話じたい面白い方じゃないもんねw
と、ひとりごちて、部屋に戻るとさっそく二人の昇進推薦状と戦闘経過書等の必要書類を整える作業に取り掛かった。
まあ、今日中には、終わるな。
さあ、頑張って書いちゃいますか。
次回も見てくださいね~♪
『あなたの正しき行いが、ただしく周囲の人たちに理解してもらえますように~♪』