「優しく見守る・・・。」
解っているようで、解っていなかった・・・。
こんな簡単な事が、やっと、ここ二年で解りかけはじめた・・・。
自分では理解してたつもりだったけど、全く解っていなかった・・・。
ザトウクジラと共有する時間は、僕に新たな思考を呼び、気付かせてくれた・・・。
この季節になると、彼女との夢を見るからかもしれない・・・。
彼女との昔の会話場面が夢に出てきて、考えさせられるのである・・・。
以前も書いたかもしれないけど、例えば、水深10mや20mにザトウクジラが止まって休んでいる・・・。
数年前の僕なら、当然、スキンダイビングで潜って近寄ろうとする。
「貴方は、素潜りで30mとか行けるかもしれないけど、普通の人はそうじゃないの・・・。」
「それに、知らない生き物が、急に近づいて来たら、ダダ(僕の事)だってびっくりするやろ・・・。」
二年前に、そんな昔の会話の場面を夢で見た・・・。
「そりゃ、そうだな・・・。それなら、彼らが来てくれるまで待つか・・・。」
そうやって、今までとは違った関係を築けるようになってきた・・・。
「子供だって、大人だって、好奇心はあるでしょ。だから、ダダだって面白い男がいたら、会いに行こう!!・・・って、言うじゃない。クジラだって、そうだと思うけど・・・。」
「そうだな、友達になるには、相手の事を好きになって、自分の事も解ってもらわなきゃな。」
そんな昔交わした会話の場面を、夢に見るのである・・・。
この季節、特に彼女を想い返す事も多いから、考え方もそうなっているのだろうけど、何だか感じるのである・・・。
水面をのんびりと泳ぎながらブローを繰り返し、ゆっくりと潜って行った彼が水中で休んでないか、出来るだけ静かに泳いで近づいて行った・・・。
逆立ちでもしているかのように頭を下にして、水深7mぐらいで停まっている彼が居た・・・。
嫌がって水深を深くしたら(僕との距離を作る為に)直ぐに止まるつもりで、見え始めてから、ほとんど泳がず、じっくり時間を掛けて少しずつ少しずつ近づいて行き、そのまま彼の真上で見ていた・・・。
彼らに、より近付きたいが為に橋の下の水路で、ここぞの猛ダッシュトレーニングを繰り返し、ミューフィンを何本も折ったの事を滑稽に思い出す・・・。
それはそれでガイドとしては大事な事だけれども、身体が近付くんじゃなく、心が近付かなければ駄目なんだ・・・・。
でも、以前までの僕は、万事そんなふうだったような気がする・・・・。
ゲストに魅せたい意欲が強すぎて、今思えば無理もしてきたと思う。でも、やはり、相手あっての事だし、ましてや相手は・・・・。
同じ地球(星)に生まれた者として、彼らを想う気持ちを、自分自身がもっと深く見つめるべきだった・・・。
10分ほど経った頃、何だか少しずつ近くなってきたなぁ~っと思っていたら、そのままの態勢で浮上して、尾鰭が水面から突き出るような姿勢になった・・・。
彼の眼を見る・・・。どうやら、僕を見ているようだ・・・。
彼の動きに邪魔にならないように、それ以上は近づかない・・・。
饗に乗ったようだ・・・。彼の贅沢なショーが始まった・・・。
ボート上に待機しているゲストに「入っていい」の合図を送る・・・。
彼が水面や水中で身体を反転させたり、停まり、尾鰭を水面から突き上げる・・・。
近い時には、僕の1m前で、尾鰭や胸鰭が行き交う・・・。
本当は、もう30cmか50cmは近寄りたいが止めておく・・・。
彼が安心して踊れる距離だし、僕の後ろにはザトウクジラに恋い焦がれるゲスト達が居るのである・・・。
・・・・その時に入っているゲスト達だけの事ではない・・・。
後ろと書いたのは、これからの出逢いを待っている未来の事だ・・・。
今年、そして来年、素晴らしい出逢いに恋い焦がれて来る、これからのゲスト達の為にも、彼らとの信頼関係を、じっくりと築く事こそが、僕のガイドとしての使命だと想うからだ・・・。
「優しく見守る・・・。」
まだまだ、解っていなのかもしれなけど・・・・。
陽気なパフォマーな彼の魅力を伝えたくて、反水面で撮ろうと思ったけど、表面張力が凄くて写真にならない・・・。
それならばと思い、水面に写し出される彼の躍動感も入れてと思ったけど、やんちゃすぎました・・・・(^_^;)
その後、もう一頭も加わり、宴は最盛を迎えた・・・・。
注・上の写真、実は排泄中でもあるんです・・・。何か出してるなぁ~っと思って写真を撮ってました・・・(^_^;)
ダイブ・エスティバン
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