「ハァ~、ハァー、ハァ~・・・・。」
苦しそうな息遣いが聞こえる・・・・。
高水温などの要因で、体調の変化をきたし、褐虫藻を吐き出し、体力の無くなった息も絶え絶えのサンゴに、
繁殖の足場にしようと、藻が付く(容赦なく襲い掛かる・・・)・・・・。
「・・・・・・!!!!」
一瞬、サンゴの悲鳴が聞こえたような錯覚に陥る・・・・。
まだ、パステルカラーの、もしかしたら、サンゴ本来の色合いを残しながら、何とか生き延びようと頑張っているサンゴに藻が付き侵していく・・・・。
サンゴに色付くパステルカラーの下から浸食する素だった死骸に刻々と覆われていく・・・・。
自然の営みは、いつも平等で、どんなに昔は強くても、弱ってしまえば・・・、落ちぶれてしまえば・・・・、それまでの隆盛など関係なく、
その時々の、強い者だけが生き残っていく・・・・。
環境の変化に馴染めない者は滅び・・・、その時々の生き方を見つけた者だけが、生き残っていく・・・・。
同種であっても、個々のサンゴの強さ・・・、褐虫藻の戦略・・・、それぞれの事情のタイミングが合えば生き残り、そうでなければ滅びる・・・。
・・・・でも、元を正せば、人が彼らの生き様に関わってしまった部分は、余りにも大きい・・・・。
・・・・・高水温、紫外線・・・・、温暖化・・・・。
・・・・・公共事業・・・、生活排水・・・・、サンゴの傷み・・・・。
昔、サンゴが家の前に、当たり前にあり、夜、の知り合いと飲んでいると、少なくなった泡盛のつまみを調達するのは、若い僕の仕事だった・・・。
潮が引いた入江は沢山のサンゴが剥き出し、エントリー出来ない僕は、サンゴを足で踏み崩しながら海中へと入り、魚介類を採った・・・。
次の年にも、また、次の年にも、サンゴは再生した・・・・。
森や山に行けば、草木が当たり前にあるように、海には当たり前にサンゴが群生していた・・・・。
今、聞けば、「何て事をしてたの・・・????」・・・・っと、非難されるだろう・・・。
港で飲んだオリオンビールの缶を投げ捨てる・・・、ちょっと語弊はあるけど、島のオジィが当たり前の様にやっていた・・・。
・・・・そう、彼らは、当たり前の様に、海が浄化してくれると信じ、海もそれに応え、それまでは何事もなくまわっていた・・・・。
・・・・もしかすると、「何て事を!!!」・・・っと、思う僕らの方が、「自然を守らなければ」っという概念に侵され、そう思う事自体が不自然だったのかもしれない・・・・。
でも、当たり前に在るものは当たり前でなく、歯車が狂えば、二度と戻らないという事も経験した・・・・。
沖縄は1998年の大規模な白化現象から、年月を掛け100%ではないけれど、沖縄のサンゴ達は奇蹟的な復活を遂げたし、遂げようとする途中だった・・・・。
「大丈夫!!」・・・・っと、言うけれど、今回も、本当に戻るのか・・・・。
信じたいし、信じようと思うけど・・・・。
ダイブ・エスティバン
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