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プラムの部屋♪

長い長い休暇中デス。(*_ _) ゴメンナサイ。

『クイーニー』

2006-03-23 20:54:39 | 作家か行

 マイケル・コルダ・・・20年前に全米英ベストセラーになった作品です。

 

残念な事に絶版です。

とても良い作品なのに絶版だったなんて事、よくあるのですヨ。

ピーター・ディッキンソンあたり、復刊してほしい作品があるのですが。。



舞台は酷暑と雑踏の街、カルカッタ。

インドがまだイギリスの植民地だった時代です。

英印混血の美少女クイーニーが数奇な運命に翻弄されながらも、

しがないストリッパーを経てハリウッドの伝説的スターになるまでの

半生を描いた大作で、近親相姦、殺人、ギャング、陰謀、恋愛、同性愛等、

様々な問題を盛り込んだ超娯楽作品なのです。



最初にストリッパーとして舞台に立った時、

観客席にいたカメラマンとの出会いこそが

クイーニーの人生の大きな転機だったのではないかと思います。

そこから新しい恋、新たなる挑戦と、凄い勢いで人生の階段を昇っていくのですが、

同時に恐ろしい事件にも巻き込まれていきます。



このカメラマン・ルシアンは、クイーニーの良さを最も理解していた一人です。

ルシアン自らが、誰も期待していなかったクイーニーの成功を信じて

カメラテストに挑むくだりは最高に好きです。



自らメーキャップを施し、

「ここで創りだそうとしているのは幻影なんだ―――

美しい鼻だがカメラではそれをとらえられない。

だから強調するために陰影をつけた」

から始まって、衣装、目線まで一つ一つ指示を出し、いよいよ本番!という時に、

カメラの向こう側からある言葉をささやきます。

その言葉に物凄い衝撃を受けたクイー二ーの、ハッと振り向いた恐怖の表情を

見事に捕え、スクリーンに映し出す――

その場にいた全員が――本人のクイーニーですら――スクリーン上の

あまりの美しさ、妖艶さに圧倒されるのです。



誰も何も言わず、シーンと静まり返った中、監督がおもむろに立ち上がり、

クイーニーに「あなたにあげる物があった。」と言って、

その劇の原作本を渡し、去っていく――ヒロイン誕生の瞬間です

 

映画の撮影風景もリアリティに溢れ、とても興味深いものがあります。

ヒロインの演技を見つめつつ・・・

「何かおかしい。もっと幸せそうに見えてもいいはずだ」

と呟く映画監督。。

「ネックレスだ!これは衣装部の模造品じゃないか」

「もちろんですよ。でも本物のように映るんですから」とデザイナー。

「そうかもしれない。だが本物の感触はない。

まがいものの宝石じゃ女は本当に幸せな気持ちにはなれないんだ」

偉大なる映画監督の細部への拘り・・・。

実際にカルチェの美しい本物のネックレスを着けた女優の、

かつてない輝きを描写するシーンは読んでいてワクワクします。

あ~。こうやって歴史に残る素晴らしい映画は撮影されたんだな~なんて

感慨に耽りつつ・・・

しがないストリッパーだった少女が、押しも押されぬ大女優に成長していく過程は

ハリウッドに実在したあらゆる有名女優を思い浮かべてしまうくらい

リアルで楽しいです。

・・・というか実在したマール・オベロンという女優さんをモデルにしてます。

ご存知の方、いらっしゃいますでしょうか。。

 

でもこうした華やかさと対照的に、醜い裏側も克明に描き出し、

いかにおぞましい裏取引が日夜行われているか・・・

まさに現在のハリウッドそのもの・・・だと思われます^^。

 


今読んでも全く色褪せない、不思議な魅力に溢れたスケールの大きなこの作品。

是非是非復刊してほしいです~

 

素材提供:AICHAN WEB


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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ARIARI)
2005-07-07 21:34:21
こんにちは!こちらでは初めましてかしら?!

今日もYさんは重たーいですね・・・。

コメント書きたかったのにダメでした。。

すごく面白そうな作品ですね!!なのに、絶版?!

残念です。。
返信する
ARIARIさん♪ (プラム)
2005-07-07 23:31:47
 こんにちは^^



ご訪問頂きまして、有難うございます。

Yさん、相変わらずですね~。。



この作品、面白いですヨ^^

絶版なのにご紹介するなんてどうかと思いつつ・・・

でも大好きな作品なので、夢空間らしく

ハリウッドの華麗なる世界へ導かせて頂きました!

・・・・な~んつって!!



でも今はネットとか古本市場等

なんらかの手段を講じて手に入れる事も可能ですものね。
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そう!この本大好きでした!! (mimoza)
2005-07-12 00:17:01
こちらに遊びにきました。YBlogが閉鎖だなんて、哀しいです。でもこちらもとっても美しい!・・で、この本私も以前夢中で読みました。息もつかせぬ面白さ!つぼを心得てる作品でしたね。きゃ~この本の紹介を読んで

思い出しました!

そう、実在モデルもいたのですものね!
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mimozaさん♪ (プラム)
2005-07-12 12:02:19
 こんにちは^^



わあ!お好きでしたか。

嬉しいです~



そうなんですよね~。

息もつかせぬ面白さ!



復刊してほしいですよね~。。
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