モーツァルトのオペラ三部作と言われる中の
「セビリアの理髪師」に次ぐ二作目で、とても明るく華やかなオペラですね。
その曲も馴染み深く、モーツァルトらしさに溢れています。
でも実は私・・・ストーリー自体は今に至ってもイマイチ消化出来ていません。
貴族社会をコミカルに表現していて楽しいオペラですが、
登場人物がとても多いうえ、それぞれに思惑があり、
変装したりしてお互いを騙しあい、ラストは大円団といわれていますが
個人的にはう~ん。。そうかな~??という疑問が終始付きまとっているのです。
ま~でも深い事は考えず、音楽と見た目の華やかさ、
明るさのみを楽しめさえすれば、極上のナンバーだとは思います。
「セビリアの理髪師」で、フィガロの尽力により、
伯爵は想い人ロジーナと結婚出来ます。
フィガロに対して、その時の褒美に約束してくれた事は
伯爵の従者として雇う事と、初夜権廃止でした。
初夜権・・・。今じゃ考えられない、というか考えたくも無い悪習ですね。
でも当時は領主の当然持つ権限として当たり前のように行なわれていたのです。
序曲から素晴らしく華やかなメロディに惹き込まれてします。
おそらく聴けば、ああ、この曲が・・・。と納得出来るはず。。大抵の人は・・・^^;
第一幕は、結婚が決まったフィガロとスザンナの楽しそうな様子から始まります。
スザンナは伯爵夫人の小間使いですが、実は伯爵の気持ちは結婚の倦怠からか
少々伯爵夫人に飽きていてスザンナに目を付けているのです。
言う事を聞かなければ廃止したはずの初夜権を復活させると脅しており、
そのことを知ったフィガロはスザンナを護る決意を固めます。
ここで二人が歌う二重唱「もし奥様が夜中に・・・」の掛け合いは良いですね~。。
ところが二人の結婚をよく思わない人物は他にもいて
医師バルトロは、姪にあたるロジーナ・・・現伯爵夫人をフィガロの画策により
伯爵に奪われた過去があり、未だフィガロに恨みを抱いています。
女中頭マルチェリーナはフィガロに貸したお金をたてに結婚を迫っており
この二人が協力する約束を交わすのです。
ここでバルトロが「ああ復讐とは楽しみだ」を盛大に歌い上げます。
そして、女性にちょっかいを出してばかりいる小姓ケルビーノは
伯爵の怒りを買い、軍隊行きを命じられるという出来事がありますが
フィガロの妙案により、軍隊行きを免れます。
このケルビーノの歌う「自分で自分が分からない」は素晴らしいです~。。
そしてフィガロの歌う「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」等々、
第一幕からかなり多彩で色々な魂胆が渦巻く様子が描き出されます。
第二幕は伯爵夫人の部屋で、フィガロとスザンナが伯爵の企みを訴え
みんなで伯爵を騙す計画を立てます。
まず、ケルビーノに女装させ、スザンナの代わりに伯爵の元へ行かせるのです。
ここでは有名なアリアが沢山歌われますね。。
特にケルビーノの歌うカンツォーナ「Voi che sapete」は学生時代、
音楽の授業で歌った人も多いと思います。
主にここでは裏工作が行なわれる様子を中心に展開されます。
特に医師バルトロとマルチェリーナの企み・・・
フィガロが借金を返せない場合の証文をたてにマルチェリーナがフィガロに
結婚を迫るシーンは、後に真相が判明した時の事を思えばかなり滑稽です。。
で。。第三幕^^
婚礼の準備が整った大広間での妙な展開・・・。
伯爵は”指をくわえて”従者フィガロの幸せを見てる気はありません。
なんとかしてスザンナをモノにしようと目論んでいます。・・・なんて奴だ!
その伯爵を騙す裏工作として、スザンナと伯爵夫人は
”スザンナが伯爵と裏庭での密会を承知し、伯爵夫人がスザンナに変装して
会いに行く”という計画を立てるのです。
その伯爵夫人。。最初の頃の伯爵の愛がどこへ行ってしまったの?
と嘆きのアリアを歌います。切ないですね~。。
続いて医師バルトロとマルチェリーナが
「借金を返済するかマルチェリーナと結婚するか」と迫ります。
フィガロは「結婚には両親の承諾が必要だ」と言って
行方不明の両親の存在を語り、生れた時の服装や腕のアザを見せます。
そして発覚した真実!フィガロの両親はバルトロとマルチェリーナ!?
ねえ、ちょっと待ってよ。それはないんじゃないの~??
って思ったのは私だけではないと思うのですが
それはともかく・・・「坊やこうして抱かれたら」の素晴らしい六重唱が
華やかに歌われ、バルトロとマルチェリーナも同時に結婚式をする事に・・・。
三幕のラストは伯爵夫人ロジーナとスザンナの二重唱。
第四幕は深夜の庭。
スザンナが伯爵と密会する、という事を知ったフィガロは
それが裏工作と知らず、「よりによって結婚式の日に密会とは!」
と怒り狂い、アリア「目を開け愚かな男達よ」を歌います。
そしてそこへ、衣装を交換し合ったスザンナと伯爵夫人の登場。
スザンナが歌うアリア「さあ早く来て愛しい人よ」は素敵です。
でもここからがとてもごちゃごちゃで・・・。
要するに、それぞれが騙しあいをしていた事が分かり、
最後は伯爵が伯爵夫人に対して「申し訳なかった。許しておくれ。」と謝って
みんなが収まるべきところに収まった。
めでたしめでたし・・・という事になるのですね。。
ま~冒頭にも書いたように、ストーリーに関しては深い事は考えず
音楽の素晴らしさに酔いしれるだけならとても楽しいオペラです~。。
素材提供:ゆんフリー写真素材集