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Eko's スクール日記

米国ロースクールJD課程に在籍中です。こちらは旧ブログなので更新はありません。

LSATについて

2008-06-02 00:52:50 |  ロースクール準備編・出願手続
リクエストにお応えして、すっかり忘れていたLSAT対策等戻ってみたいと思います。
いまやはるか忘却の彼方っていうかある意味トラウマ?ともかく二度と受けたくない試験であるのは確かです。

問題の形式には,Logical Reasoning,Reading ConprehensionそしてAnalytical Reasoning(俗にGamesといいます。)の3つがあります。
試験は,Logical Reasoningが2セクション,他は各1セクションの,計4セクションで行われますが,これに次回以降の問題作成のためのダミーが1セクション(人によって3つのタイプのどれが出るか異なります。採点されない。)あり,本番では途中休憩を挟んで5セクションを一気に解くことになります。
マークシート式で,各セクション23~28問,1セクションあたりの制限時間は35分です。戻って解いたり好きなセクションから先に解いたりということは許されません。
これが,採点されて最低120点,最高180点のスコアになります。
中央値は151点のことが多いようです。

さらに,セクション5の後にWriting Sampleというのがあって,これはある問題について2つの立場が示され,どちらかを自説として選んでそれを弁護する主張を書く(もちろん英語で)というものです。
Writing Sample自体は採点されませんが,各学校に写しが送られます。

アメリカでは学部レベルで法律は勉強しないため,法律知識はもちろん,どのようなものにしろ専門知識は要求されません。
純粋に頭の体操のような試験です。

予備校に行くにしろ,自分で勉強するにしろ,綿密な準備が必須です。
なぜなら,やり直しがきかない又は非常に難しいからです。
1回受けると,スコアは5年間有効で,出願した学校には全てのスコアが送られます。
まれにいい方のスコアだけ見てくれるところもありますが,ほとんどの学校は平均値で見るのです。
つまり,1回目にコケてしまえば2回目によい点を取っても挽回が難しい。

確かに,アメリカ人で,かつ飛び級ぽんぽんしている超秀才みたいな人は,ほとんど準備せずに受けても満点近い点を取れたりするみたいです。
しかし,大部分の人は予備校に行って,あるいは過去問を解いて,十分な準備をします。
ましてや言語のハンデが大きい日本人。アメリカ人以上の準備が必要です。

予備校は,日本ではKaplanがあるようです。
私もKaplanに行きましたが,よかったです。
もちろん決して安くないですから,時間と経済力を考えてのことになります。

また、苦手意識の強かったGamesについてはPowerScoreのテキストも使いました。これは非常に分かりやすかったです。Gamesに関してはカプランよりいいと思った。
他のセクションの分も出ているので、予備校のalternativeとしていいかもしれません。
(ただ、カプランとpowerscore両方やってみたけど、混乱するのでどっちか一方だけ使うほうがいいと思いました。反省。)

予備校に行くにしろ自力でやるにしろ,テクニックをある程度学んだ後は、どのセクションについてもLSAC(LSATを実施したりLSDASのサービスを提供する機関)から出ている過去問をたくさん&何度も解くのが最良の対策です。

参考図書に挙げたHow to Get Into the Top Law Schoolによると,外国人についてスコアをどう見るかは学校によって違うようです。
授業を英語で受けるのだからアメリカ人と同じ基準,という学校や,外国人はちょっと割り引く,という学校など色々。

このスコアと,GPA(Grade Points Average,学部の成績を4段階評価にして平均値を出したもの)の点によって,入ることのできる学校のレベルが決まってくるのです。この二つ、特にLSAT scoreで合否がほぼ決まるといって過言ではない。ほかの事はよっぽどでない限り参考程度というところでしょう。
ちなみに,George Washington大などは,LSATとGPAの点を縦軸と横軸に置いて,それぞれ何人くらい合格したかの一覧表をウェブで公開しています。
このような表は,多くの学校で使われていると聞きます。

私は2回受けましたが、点数はほとんどアップしませんでした。
LSATはやればやるほど点が伸びるという試験ではありません。英語力をアップすればスコアに直結するというものでもありません。そもそもJDを志す人であればもともと英語は上級レベルでしょうから。
1回目にほとんど準備せずに受けたというのでない限り、複数回受けても大幅アップは難しい(例外的)という、ある意味恐ろしい、ある意味よくできた試験です。
なので、個人的には、しっかり準備をするのは当然として、どこかの時点で踏ん切りをつけて受ける、そして出た結果を元に作戦を立てる、という姿勢が必要になってくるのかな、と感じました。
もちろん、1回目でよいスコアを取れるのが一番いいですが。

と、いったところですかね。
二度と受けたくないぜ。