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Eko's スクール日記

米国ロースクールJD課程に在籍中です。こちらは旧ブログなので更新はありません。

女優冥利 Notes on a Scandal, Babel

2007-06-22 22:06:08 |  Movie
最近、ケイト・ブランシェットつながりの映画を2本観ました。
「あるスキャンダルの覚え書き」と、遅ればせながら「バベル」です。

「あるスキャンダル・・」の方は、見たときは知らなかったけど、ケイトが助演、ジュディ・デンチが主演、各女優賞にノミネートされていたんですね。
ご存知「バベル」の菊池凛子さんも助演女優賞ノミネートだったから、オスカー関係2本だったことになります。
どっちの映画でも、ケイトはすごくきれいです。

「あるスキャンダル・・」、ケイトの役柄は、まぁ愚かなんですが、でも、

恋をして、でも愚かになったことがないという人がいたら、
それは、恋をしたことがない人です。

(とはいえ、犯罪までいったらまずいですけどね。あれ、でもよく分からなかったけど何の罪だったんだろう?舞台はイギリスだけど、アメリカだったらstatutory rape?でも加害者が女性で被害者が男子だったら成立しない?Child molestation?んん~・・。
まっ、どっちにしてもやめときましょう!)


「バベル」は、結構期待して見たんですけど。感想としては、

・・・・で?

観念が先走ったというか、頭で考えすぎた映画ですね。
一応家族のあり方みたいなのをテーマにしたいのかなという感じはするけど、いかにも頭で考えた人工的な展開。3つの舞台をつなぐ1本のライフルっていうのも結局つなぎきれていない。
特に日本の絡み方は竜頭蛇尾な感じでしたね。
いや、日本のエピソード全体としてはよかったんですが、ライフルの絡みがね、しょぼかった。「え、結局ソレなの?!」って感じ。
「どうだ!!豪華キャストで、深遠なテーマで、モロッコとメキシコとジャパンまで縦横に駆けめぐっちゃってるもんね!」と気持ちよくなっているけど、結局消化しきれてなかった。

ただ、菊池凛子さんは素晴らしかったです。
個人的には、助演賞受賞したジェニファー・ハドソンよりずっと良かった。
この映画の唯一の見所でした。


それにしても。映画の出来は別にして、
この、「あるスキャンダル・・」のケイトとジュディ・デンチの役、
そして、「バベル」の菊池凛子さんの役、
いずれも、演技をする人なら一度はやってみたい役ばかりだと思いました。
愚か、狂気、ハンディキャップ、複雑、体当たり。
特に菊池凛子さんの役ね。あれはチャレンジのしがいがあるね。
ああいう役にめぐり合えたら、女優冥利に尽きるだろうなと感じました。


楽しいラブコメ The Holiday

2007-04-15 17:00:56 |  Movie
何だか最近夜よく眠れなくて疲れてる気がする。今日のダンスもゼイゼイ言ってしまった。私の場合、汗を大量にかくときは体調が良くないサイン。来週からうんとのんびりすることにしよう。

リンク一つアップしました。My sis の映画ブログ「シネマ★らくだ」です。私以上に辛口なコメントが並んでおります。映画が好きな人だけ見てください。

さて、先日またいい映画観ました。けっこう豪華スター競演の「ホリディ」です。
恋愛でうまくいっていないアメリカ人(キャメロン・ディアス)とイギリス人(ケイト・ウィンスレット)がお互いの家を交換し合ってクリスマス・ホリディを過ごすというストーリーです。

えーまず、何といっても、

キャメロンってほんっとかわいーねーーーー!!
ジュード・ロウって、ほんっと顔きれいねーーーー!!!

この二人の美カップルが夢担当、ケイトとジャック・ブラックの non-美カップルが現実担当、という感じですね。
実際には、non-美カップルのsituationの方に共感する人が多いんではないでしょうか。

雪道をキャメロンがハイヒールで疾走するシーンが素敵でした。
往年の名脚本家という設定のアーサーのエピソードもよかった。
リンジー・ローハンやダスティン・ホフマンがカメオ出演しています。

ジュードの美貌は、さすがに20代の頃に比べるとかげりが見えてきたのは否めないけど、それでもやっぱり超美顔なのは間違いないところ。
"Take care."だか"You take care."だか言うシーン、あんなに美しくセクシーな take care は初めて聞いたよ。美形でセクシーでかつキュートな持ち味が十二分に生きている役柄でした。
キャメロンも、かわいいラブコメ女王の本領発揮です。表情の一つ一つが実にチャーミング。
あとの二人は、ま、あーいう感じで。

でもねー・・。映画というより、今回後悔したのは、ロケーション。
当然女性客が圧倒的に多いんですが、私の隣の女性一人客(若い)は、何と大きな缶ビールを開けて、するめとか焼き鳥とか本格的なツマミをかじっているし、反対側の女性一人客は、ハンバーガーをガツガツ食べている。
私はあんまり映画館で本格的にものを食べるのは好きではないんですが、怖いくらいにみんな一心不乱に食べ、かつしゃべっていました。
今後は、どこで見るかも気をつけようと思います。

見てよかった Blood Diamond

2007-04-05 21:11:12 |  Movie
試写会で「ブラッド・ダイヤモンド」見てきました。

内戦下のシエラレオネでの巨大なピンク・ダイアモンドを巡る話です。
内戦の悲惨な状況、ダイアモンドの採掘場で奴隷のように働かされる人々、感情を破壊されていく少年兵、そのような現実を知りつつそ知らぬ顔でできるだけ安価にダイアモンドを買えれば良いと利用する先進国のダイアモンド大会社、そして何も知らずに、または知っていても大して気にせずに喜んでダイアを買う消費者、そういった問題が、父と子の情愛や密売人の人生、ジャーナリストとの恋、などの映画的な筋書きの中に、かなりきちんと描かれています。

辛いのは、この内戦がちょうど、アメリカでクリントンのモニカとのスキャンダルが大盛り上がりだった頃のことだということ。
それだけ近い過去の話であること、また、これだけ悲惨なことが起こっているのに馬鹿馬鹿しいセックス・スキャンダルの方がはるかに世界中の注目を集めていたこと、そういったことが悲しく、何より自分の無知に恥ずかしさを覚えました。
また、(ジェニファー・コネリー演じる)一生懸命取材をするジャーナリストに、(ジャイモン・フンスー演じる)強制的にダイア採掘場で働かされていた元漁師が、「あなたの記事を読んだら、あなたの国の人たちは私たちを助けに来てくれるか。」と尋ね、ジャーナリストが一瞬詰まった後「多分来ないわ。」と答えるシーン。真実であるだけになんともきまりの悪い思いでした。
最後に字幕で、「世界中には現在も20万人の少年兵がいる。」と出るのも暗い気持ちになります。

映画としてうまくできてるなと思うのは、そういうシリアスな面と、映画的な筋書きと、戦闘シーンのアクションやこれからどうなるのというドキドキ感が、バランスよく織り込まれてentertainingに仕上がっている点です。
ところどころ現実離れしたハッピーな展開があったりするのですが、普段ならニヒルに「マー映画だから。」などと思う私も、現実があまりにも悲惨なので、せめて映画の中でだけでも人々が幸せになっていいじゃない、と思ってしまいました。

ジンバブエ出身の密売人を演じるディカプリオは、今回いい仕事をしています。
こんなにいい仕事をするのは、知的障害者の少年を演じた「ギルバート・グレイプ」以来では?あれ以降、押しも押されぬハリウッドスターの座は確立したものの、俳優としては本来の天才的な演技力を発揮することなく、俗っぽくなってしまったなと思っていたけど、今回は魅力的で複雑な人間像をきっちりとかつたくましく演じていました。

ジャーナリスト役のジェニファー・コネリーも素晴らしい。
この人、ティーンの頃も「世界一の美少女」とかって騒がれてた記憶があるけど、今の方がずっと美しい。
何か透徹した凛とした美しさを感じます。きっとおばあさんになっても美しいでしょうね。

この映画で確かアカデミー助演男優賞にノミネートされたジャイモン・フンスーも、とても説得力のある名演技でした。
朴訥とした名もない漁師の彼の、息子を思う情愛の強さ、激しさ。家族のためにどこまでも強くなれる尊さ。何度も涙しました。

あと、政府軍の兵士役で、マイケル・シーンが出ていた。見た顔だなと思ったら。

本当に、見てよかったです。
長い(2時間24分)ですけど、その長さをまったく感じさせませんでした。

で、話はディカプリオに戻りますけど、
(以下、ネタバレありなので、中に入れます。結末を知りたくない方はここでやめといてくださいね。)

デンゼルよ・・ Deja Vu

2007-03-23 01:41:56 |  Movie
コメントやメールをいただいた方々、ありがとうございました。
改めて喜びをかみしめております。長かった・・。待ちくたびれて、あやうく宝石鑑定士になってしまうところだった。

同じく今年のJD進学を目指している方から、ご自身もロースクールに合格されたとのお知らせをもいただきました。
あのプロセスの大変さ、待つ日々の辛さを知り抜いているだけに、自分のことと同じくらい嬉しいです。
いい知らせをいただいて、ハッピーが倍になりました。


という喜びを胸に、デンゼル・ワシントンの最新作「デジャヴ」を見たんですが。
これがまー何というか、ほんとに、

なにコレ。

例によって、「とにかくデンゼルが出ている。」というのと「何かを見たことがあるらしい。」ということ以外ほとんどストーリー知らないまま見にいったのですが、まーいわゆるハリウッド映画(大型予算で、派手なアクションと美男美女が出てきて、単純ストーリーで、後には何も残らない。)だから何も考えず一瞬一瞬を楽しめばいいと思ったんですよね。

そしたら、何か余計な味付けがなされてるんです。
それがまた、もう荒唐無稽としかいいようがないんです。
それを、画面に出てる人たちがデンゼルも含めてさもシリアスそうに、ギャアギャア言ったりわめいたり驚いてみせたりしてるのが、痛々しいっていうか、
「ねーねーお兄さんたち、「ぷぷ。」ってなんない?」と聞きたくなるというか。
あーいうことを大真面目に言えるってことだけでも実はものすごい演技力なのかも、なーんて気になったりして、ゴメン全然ノれませんでした。

荒唐無稽も、ジョン・トラボルタとニコラス・ケイジ主演の Face Off! くらい突き抜けていればそういうものとしてエンジョイできるんですけどね。なんとも中途半端で唐突だった。

唯一の見所はやっぱり、デンゼルですね。
Man On Fire(邦題「マイボディガード」。←何とかならなかったんですかね。)の時は、「アラ デンゼル、さすがにちょっと・・?」と疑問を生じかねないラインだったのが、気を引き締め体も引き締めて、とても50歳過ぎとは思えない見事なボディを披露してくれています。
それだけです。この映画で見られるところといえば。


とまあ、この映画はC級だったけど、フワフワいい気分のときだから気にもならないってものです。
幸いほかにいろいろおもしろそうな映画もやってるし、近所の桜が一輪咲いているのを見つけたし、春です。

ちょっと、かなり、きつかった The Last King of Scotland

2007-03-14 22:22:44 |  Movie
「ラスト・キング・オブ・スコットランド」見てきました。
ウガンダの悪名高いアミン大統領についての話です。

やっぱり、アミンを演じるフォレスト・ウィテカーの演技がすさまじかった。
ものすごい迫力。緊迫感。説得力。見ているだけで知らず知らずきつく拳を握ってしまうほどに。
「ハイ、オスカー文句なし!」という感じです。
この人、昔からいろいろな映画に脇役で出ていい味出してるんだよなぁ。満を持した主演、そしてオスカー。感慨深いです。
デンゼルに続いて二人目のアフリカン・アメリカンの主演男優賞です。
また、去年の「カポーティ」のフィリップ・シーモア・ホフマン同様、脇役で鳴らした実力派が最高の映画に出会って主演賞を取るというのも私の好みです。

フォレストの出てる映画の中で、特に好きなのは「クライング・ゲーム」。泣いたね。切なかったね。フォレストは死んだ恋人役として回想シーンにのみ登場します。すべての恋を知る人におススメの映画です。

・・しかし。「ラスト・キング」。正直、あれほどgrossと思わなかった。
そりゃーアフリカ好きのはしくれとして、あの国の歴史もちょっとは知ってるし、アミン治世下の悲惨な状況も小耳に挟んではいるけど、あそこまで映像で見せられると強烈。
特に後半は、悲惨な残酷grossシーンの連続です。心臓の弱い人、気の弱い人にはおすすめできません。
ウウ・・。あのケイの姿、夢に出てきそう。

映画としてはかなりキツかったけど、フォレストの演技は特A級でした。

フォレスト万歳!

B For Beautiful: Dreamgirls

2007-03-07 23:51:53 |  Movie
いやーおもしろかった、「ドリームガールズ」!
ストーリーほとんど知らないまま見たけどとても楽しめたしかなり泣けました。
思うけど、やっぱり映画はストーリー知らないまま観た方が絶対楽しめる。ということでここにもストーリーは書きません。

やっぱすごいのは、主要キャスト全員が自分でちゃんと歌ってるってとこ。
ビヨンセはもちろん、エディー・マーフィーまで。
ジェニファー・ハドソン、デビュー作(だよね?)と思えない貫禄。オスカー取るほどすごい演技かって言われたら微妙だけど、まあいいんでは、と思わせるには十分でした。

で、何よりもすごいのは、やはりBeyonce!!Bさま!!
もう目が釘付けになります、あのカオ!!
うんと減量して臨んだらしいけど、「これで生身?!」と驚愕するようなものすごいプロポーション。バービー人形よりスタイルいいです。
とにかくあのビヨンセ見るだけでも価値あります。

・・・、ただ・・・。
正直やっぱり、普段の迫力ボディの方が好き。
やせてると、何だか今にもパタッと倒れそうでハラハラしてしまう。何となく今イチ生気がないように見えるし。
今は元に戻ったらしいから安心しました。やっぱビヨンセは生命力あふれるcurvy bodyでなきゃね。

あと、ジェニファー・ハドソンのお兄さんC.C.役の Keith Robinsonっていう俳優さん可愛かった。今まで存在を意識していなかったけど、これから注意して見よ。

じいちゃん Won An Oscar!

2007-02-27 20:15:34 |  Movie
以前ここにも書いた、「リトル・ミス・サンシャイン」のじいちゃん役 Aran Arkinが、アカデミー賞の助演男優賞を獲得しました。やったね、じいちゃん!
さらに嬉しかったのが、主演男優賞の Forest Whitaker。「ラストキング・オブ・スコットランド」は、今年私的に大注目の映画、公開が待ち遠しいです。

「ラスト・キング・・」を始め、今年はアフリカを舞台・題材にした映画が豊作な気がします。
「ダーウィンの悪夢」、前ここにも書いた「輝く夜明けに向かって」、「ルワンダの涙」、ディカプリオ主演の"Blood Diamond"などなど。アフリカ好きとしては嬉しい。
ただ残念なのは、ぜひとも見たかった「ルワンダの涙」が、23区内では六本木の1箇所でしかも午前中1回だけしか上映していないこと。
せめてもっと普通の時間にやってくれれば。。

オスカーやゴールデングローブなどの華やかなイベントでは、賞の行方と同じくらい、レッドカーペット上のファッション、特に女優さんたちがどんなガウンで登場するのかがすごく楽しみです。
今年のオスカーでも素敵なガウンが色々ありましたが、今までみたところリース・ウィザースプーンのバイオレットのドレスが一番好き。
渡辺謙もかっこよかったですが、同伴の女性が着物を着ていたのが個人的にはちょっと残念でした。もちろん着物も素敵ですが、せっかくのブラック・タイ・イベントですから、ここは菊池凛子さんと同様、正々堂々正統なイブニングガウンで勝負してほしかった。

これまで見た中で史上最高なのは、何といってもオスカーを受賞した年のハル・ベリーのドレスです。色といいデザインといい、ほかでは見たことのないような素晴らしいドレスで、しかもハルに完璧に似合っていました。確かジュエリーも、パンプキンカラーの大粒ダイヤのスタッド・イヤリングだけだったと思うけど、ハルの美貌とボディにあのドレスでは、余計なジュエリーなんて不要と納得です。
自分で着るんだったら(スタイルは画像修正)、同じ年にニコール・キッドマンが着ていたシャネルのシャンパン・ピンクのドレスがいいな。あれも素敵だった。

不思議と、映画ってめぼしいものがまったくやっていない時とおもしろそうなのが色々やっている時と波がありますが、今は私的には見たい映画がいくつもかかっている「当たり時」。まずは「ドリームガールズ」とか見に行こうかな。

あなたの娘はどう言う Catch A Fire

2007-02-08 23:50:07 |  Movie
映画「輝く夜明けに向かって」(邦題がちょっとダサいけど、多分デンゼル主演の往年の名作「遠い夜明け」を意識したんだろう。)、見てきました。

アパルトヘイト下の南アフリカで、黒人にしてはいい生活を送っていた幸せなパトリック・チャムーソ。その彼が、テロリストの疑いをかけられ、逮捕され、拷問され、嘘の自白をし、不起訴になって釈放された後モザンビークに行ってテロリストの訓練を受ける、というストーリー。実話に基づいていて、本物のパトリックもちょっと出てきます。
ただ、テロリストというと昨今は無差別テロという響きがありますが、このアフリカ民族会議という組織は、アパルトヘイト下で基本的人権を剥奪され抑圧されている黒人の解放を目指していたもので、その手段も極力犠牲者を出さず相手の組織に打撃を与えることに重きを置いていたのが大きく違うところです。

映画の主題も私好みですが、どうしてもこれを見たかったのは、何といっても役者。主演のデレク・ルーク Derek Luke がだーいスキ♪なのです。
アンド、政府側のテロ捜査官ニックを演じるティム・ロビンス Tim Robbins も好きな役者です。「ミスティックリバー」(これまたいい映画だった)での演技が実に印象的でした。
あと、パトリックの妻役のボニー・ヘナ Bonnie Henna という南アの女優さんも大変美しかったです。


Derek(左)とTim。

映画の中には色々と印象的な言葉が出てくるのですが、その一つに、パトリックがニックに対して、「私の娘たちは将来私のことを自由の戦士だと語り継ぐだろう。でもあなたの娘はあなたのことをどう言うだろうか。」というのがあります。
また、プログラムに載っていた、デレクにパトリックが言ったという「もし許す心を持たなければ、心は悪意に殺されてしまうよ。」という言葉には感動しました。

で、デレクですが、デンゼル・ワシントン初監督作品である「きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー」でデビュー作ながら主役を演じているのを見て、そのあまりのかっこよさにフラッときました。
その後なかなかスクリーンでお目にかかれず「あの人は、どこへ・・」と思っていたのですが、こんな素晴らしい映画をセレクトして出演していたとは。お父さんが南アフリカ出身なのだそうです。

(ちなみに「アントワン・フィッシャー」もすごくいい映画だった。これも実話に基づいています。映画ではカットされていたけど本の方では、虐待を受けつつも大人になり海軍に入ったアントワンが、佐世保で初めて恋をする場面があります。とても素敵な日本人女性とともに、佐世保の街がノスタルジックに美しく描かれていて嬉しかった。)

・・途中パトリックがホールドアップされるシーンがあるのですが、
「手を上げろーっ!」「服を脱げーっ!」
(え、そんな特典映像アリ?)
「パンツもだーーっ!」
(ええっ?!)
「ゴク。」劇場内の女子の唾を飲みこむ音が聞こえた・・ような。もちろん、後ろ姿ですよ!

余談ながら、この映画もなんだか字幕が不正確だな、と思っていたら、「リトル・ミス・サンシャイン」と同じ人でした。
「リトル・・」よりは少しましだったけど、それでも誰も全っ然言ってもいないようなしかも文脈上必要でもないことがシレッと字幕で出ていたりして、この人、「観客はどうせ分からないからいいや。ここは私の感性で。」とか思っているのでは、と大いなる疑問を抱きました。その感性がハズレなんですけどね。

判断の重さ それでもボクはやってない

2007-02-02 23:18:08 |  Movie
映画「それでもボクはやってない」、ストーリーは、ご存知のとおり痴漢と間違われて起訴された主人公が刑事裁判手続を否応なしに経験するというもので、人物像や背景などの描写は最小限に、捜査や裁判の場面がこの手の映画にしてはかなり正確に淡々と描かれています。
「日本の刑事裁判の問題を描きたい」という監督の狙いは十分達成されていると思います。

ただ、劇中、裁判官が無罪判決を出したがらない理由として、「警察や検察を否定するということは、国家に楯突くということだ。裁判官もしょせん官僚だからな。」というような趣旨の解釈が示されるのですが、それはちょっと違うのでは、と思いました。

この映画の後半で描かれる裁判官のような人がいるのかどうか、自分が直接見聞きしたことではないので分かりません。
だけど、裁判官の大多数は、大変な重責と激務に耐え、ぎりぎりの緊張感を持って「良心に従い独立して」(憲法第76条)職務を行っているのではないかと思います。

とかく「官僚」(そういえば「司法官僚」とかいう珍妙な言葉も聞いたことあるな。)が皆さんお嫌いですし、「官僚」だからダメなんだ、という落ち着き方というのがありがちなパターンですが、この場合は現実を反映していないと思う。
100歩譲って仮に裁判官が「官僚」チックに行動しているとして、ではその「官僚」の要素をなくせば誤判(裁判の段階では「冤罪」ではなく)はなくなるのか。
そんな単純な問題でもないと思います。

この映画を観る人たちは、主人公の目線から見るわけで、その目からは主人公が実際は無実であることは明らかです。
その無実の被告人をよってたかって前科者に仕立て上げようとしているさまには憤りを覚えるのが自然でしょう。
でも、実際の裁判では、法廷に出てくる証拠しか判断の基礎がない。初めから自明なことは何もないわけです。
ここには、人が人を裁くということ、そもそも人がなにごとかを判断するということに必然的に付きまとう根源的な困難さがあるように思います。
おそらくこの映画の趣旨からは外れるしそこまで広げると際限がなくなるから、映画としてはこれでいいのでしょうが、見る側としては、「官僚だから」と片付けて終わりにしたくないなと思いました。

現に、いよいよ実施も近づいてきた裁判員制度、最近の調査では、国民の皆さまの8割が「イヤだやりたくない。」とおっしゃっているとのこと。
「そんな責任重大なことはイヤだ。」というのが大きな理由みたい。
導入前はイヤだイヤだと言っていた法務省や裁判所が、いったん決まると一生懸命シンポジウムやったり模擬裁判開いたりハセキョウや中村雅俊まで動員して何とか皆さまのご理解を得て実施に至ろうとがんばっているのが何とも健気。
そもそもこれ最初に旗振ったの誰よ?どうするのこれ。

映画はおおむねよく出来てたけど、一つどうかと思ったのが、最初のhumaneな裁判官から「刑事裁判の目的は、何だと思う。」とたずねられた司法修習生たちが、「初めて聞いたー。」「初めて考えたー。」みたいな顔する場面。オイオイ研修所で何を勉強してきたんだ?

ついでにもう一言言わせてもらいますと、最後に最高裁判所の外観が出てくるのですが、あれが芸術的見地からどうかという点については私としても疑問なしとしませんけれども、時々「あんな冷たくてものものしい建物はよくない。もっと親しみやすく開かれた建物でなくては!」とか甘酸っぱいこと言う人がいますね。でもほんとにそうか?
コンビニやエステサロンじゃないですよ、裁判所ですよ。裁判所の中の、最高裁判所ですよ。
人が裁かれ、死刑が確定し、巨額の損害賠償額が確定し、絶対別れないと言っている人の離婚が確定する場です。
裁きの場というのは、そもそもが厳粛なものであり、ものものしいフォーマルな場であるはず。そんな厳しい場でありながら、一見親しみやすいような顔をしているほうがよっぽど嘘だと思う。
色ならピンク、線なら曲線を多用し、さんさんと日の光が降り注ぐ受付で、ヒーリングミュージックが流れアロマオイルがそこはかとなく香るなか、スタッフが全員笑顔で「いらっしゃいませ!」「またどうぞお越しくださいませ~!」ってマジで?!

・・しかし、この映画の冒頭で、「10人の真犯人を逃すとも、1人の無辜を罰することなかれ」という言葉が出てくるのですが、学生の頃なんかは「そうだそうだ」と思っていたけど、今では特に前半に「・・そうか?」となってしまうのは、年をとったということでしょうかね。

今年の最後の映画 Little Miss Sunshine

2006-12-29 00:25:43 |  Movie
今年最後に見た映画は、「リトル・ミス・サンシャイン」。

少女向けミスコンに出るオリーヴ(ぐりぐりめがねのぽっちゃり少女。かわいくないという設定。)を会場に連れて行くために、メチャメチャな家族(変な自己改革プログラムを売ろうとしているお父さん、疲れたお母さん、ヤク中で女好きのじいちゃん、ニーチェかぶれの兄貴、ゲイで自殺未遂直後の伯父さん)がオンボロ小型バスで小旅行、というロードムービーです。
これだけ読むとちょっとキワモノな感じがするけど、実際はとぼけた味付けで、いい意味で期待を裏切ってくれます。かなり笑った。そして心温まった。じいちゃん、やったね!!派手さはないけど、いい映画でした。

オリーヴ役のアビゲイルがとてもかわいい。すごく自然で引き込まれる。大人の役者さんたちも、私は知らない人ばかりだったけどみんな味があってよかったです。
ミスコンシーンでは、ジョンベネちゃんを思い出してしまいました。エグいというか、出ている少女たち(6,7歳)を見ていると空恐ろしくなってくる。多分現実もこういう感じなんだろうなあ。コワいコワい。

ところで今回文句を言いたいのは、字幕。「時制違ってるじゃない!」とか「そもそも全然意味違うじゃない!」というのが多くてウンザリした。字数制限が、という言い訳は聞かないぞ。

(おまけ)
上映前の予告編の中で、「さ●らん」という2月公開の日本映画があって、土屋アンナ主演の花魁の話です。いかにもどうでもいい、といって悪ければ全然私の趣味じゃないんだけど、困ったことに安藤が出ている。
安藤の顔見たさに、また日本での貴重な日々のうち2時間をドブに捨てるか、悩ましいところではあります。。
安藤~。メジャーではないちょっとオモシロ映画をチョイスする感性は好きだし、君は何の映画に出ても安藤なのでいいんだけど、映画じたいの当たり外れが大きくて。。ヨロシク。
(当たり:アドレナリン・ドライブ、サトラレ、スペーストラベラーズ  外れ:ギミーヘブン、イノセントワールド)