Earth Spiral

Survival&Creative life. 
大地と魂の声を聴き、自分の道を歩め

ビル・モリソンの言葉①

2009-01-28 | パーマカルチャー的暮らし
パーマカルチャーの創始者、ビル・モリソンは、
『パーマカルチャー』の最終章、
”都市やコミュニティにおけるパーマカルチャー”
のなかで、とても重要なことを言っている。

自分のメモ的な意味もあるのですが、
数回に分けて紹介したいと思います。


「人類の抱える問題に対して、私自身にはパーマカルチャーや
適切な技術を取り入れた小さな責任あるコミュニティー形成以外に、
何も(政治的、経済的)解決法は見出せない。
中央集権的権力が続けられる日もあとわずかであろうし、
社会の再組織化は、たとえときには痛みをともなうことであるとしても、
避けることができない過程であると信じている」


今の石油に依存したライフスタイルから、違うライフスタイルを探ろうとした時に、
ガマンをするとか貧しくなるとか、そうしたイメージが付きまとうかもしれない。
世界的に石油から自然エネルギーに転換して行こうという流れもでてきているが、
日本では未だに全体的に、そうした危機意識が低いと感じられる。
エコ、エコとはメディアでよく発せられる言葉になっているけれど、
本気でライフスタイルを変えようという雰囲気は全く伝わってこない。
人は時として変化を恐れるものである。
今までのやりなれた習慣的な方法に安心感を感じる。
「変りたくても変れないのよね」というのは、
無意識レベルでは本当は変りたくないのである。
石油がこれからどんどん高騰していって、生活全般に関わるものも高騰していく。
そんなことはちょっとイメージすればわかるようなモノだけれど、
もしかすると無意識に、そうしたことに気づくことを拒絶しているのかもしれない。
環境問題も社会問題も行き着くところは人間の意識の問題にぶち当たる。

そういうことに、目を背けないで真実を見て、
真摯に生きていくためには、どうしたらいいのだろうか? 

ビル・モリソンはこう続ける。

「私たちの中には行動していくことに気が進まない人もいると思う。
だが、自分たちが生き残っていくためには、
そうするための方法を見出さなくてはならないのである」


今のままでは、自分が生き残れない。
そんな危機意識を持っている人が、今の日本にどれぐらいいるだろうか?
ビル・モリソンは漁師として、そして農夫として、
時には海に、時には大地で過ごすことが大半だった。
そこで地球環境の変化を感じとり、このままでは人類は危ないと察知し、
大学で学問を学び、持続可能な暮らしをどうつくったらいいのか、
という知恵を体系化した。危機感を感じる感覚、
それは、自然と接して自然の言葉を聞く感覚から生まれてきたのだと思う。
都市部で生活していると、「お金がないと生活できない」「流行に乗り遅れたら大変だ」そうした、
本筋から離れた無用な危機感ばかりがあおられる。
本当に危機を感じなければならないポイントがずれてしまう。


「わたしたちのすべてが農民や菜園かになることではなく、またそうである必要もない。
しかし、誰もがその人だからこそ提供できる技術や能力をもっている。
だからこそ、私たちの地域や政府の政治を変えるために、
また土地を持たない人々のために公の土地を使用できるように要求するために、
そしてまた資源を浪費と破壊から節約と有効利用へとむけるために
全世界的規模でてをつなげられるように、
誰もがエコロジー党や地域行動グループを形成することも可能なのだ」


パーマカルチャーでは農的暮らしを提唱しているが、
全員が農民になる必要はないといっている。
「その人だからこそ提供できる技術や能力」。
はたして、自分が提供できる技術や能力は何だろうか?

だれしもが自分が得意なこと、人よりちょっとうまくできること、
しかも、無理せず楽しんでできることを持っているはずである。
それは、たとえば、特別な能力である必要は無い。
例えば料理が得意、電気関係に強い、日曜大工が得意、
お菓子を作るのがすき、裁縫が得意、そんなことでいい。
地域全体として考えたら、多様性が必要だ。


ここで、自分らしさとか自分探しという言葉につながってくるかもしれない。
ここでいう自分らしさとは、エゴから発せられるものではなく、
自分が持っている技術や能力で、人の役に立つこと、社会の役に立つことは何だろう? 
そういう視点でとらえる自分らしさのことである。

近代教育は、企業に雇われる労働者を育てる教育であるといわれている。
雇われるのではなく、自分という人間が地域で生きる時に何ができるか、
そういう視点から自分を考えることをやりなれていない人も多いかもしれない。
しかし、企業に雇われることが良くないとは思わない。
たとえ企業に雇われていたとしても、マインドは雇われていなければ良い。
自分自身として、この会社に何を貢献できるのか、そして社会に何を貢献できるのか、
そう主体的に考えることができれば、単なる歯車ではなく、
逆に組織を動かす力になるはずである。最近のリストラや派遣切りを見ていると、
組織は個人の力から成り立っていると考える法人は余りないのだなと思う。
雇われ労働者を育成する近代教育の中で、
個々人は力を奪われてしまっているのではないだろうか。


「ときどき、われわれ、地球上のものすべてが、
意識的なあるいは無意識的な陰謀にとらえられて、
自分自身を無力にしているようにおもわれる。
しかしながら人間こそが、
他の人が生きていくのに必要なすべてを生産するのであり、
そうしてはじめてともに生き残ることができるのである」

そう、ビル・モリソンは続ける。

自分ががんばっても世の中、変りはしない。
そんな諦めの念をどこかに持っていないだろうか?
何かの力によってそうさせられているとしたら、
今、再び個々人の力をエンパワーすることが
とても重要な時代に来ているのではないかと思う。

パーマカルチャーは、自然界の要素同士の良い関係性をつくり、
それぞれの力が最大限に生かせるようなデザインをして、
自然を豊かにし自分たちが食べるものをつくっていく。
人間だって同じである。良い関係性や環境をつくっていくことで、
個々人の力が生かせる社会をつくることも可能なのである。

一人ひとりが、自分らしくありながら、
全体としては調和している。

それが、私の中にある理想の世界観でもあるし、
セラピストと言う仕事をしている理由でもあり、
パーマカルチャーの考え方に惹かれた理由でもある。

(つづく)


パーマカルチャー―農的暮らしの永久デザイン
ビル モリソン,レニー・ミア スレイ
農山漁村文化協会

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6 コメント

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緑本・・・ (のん)
2009-01-29 01:35:46
読破してませんでした。
シュアありがとうございます。
ビル・モリソンって、改めてすごい人だなと。
わたしも~ (anju)
2009-01-29 11:06:00
読破してませんでした。
何も知らずに読むと、
難しくて読破する気がうせるよね。
でもやはり、大事なことが書いてあるなと
思いました。
Unknown (たえ)
2009-01-30 00:18:34
うーん。
安珠さんの記事を何度も読み返しました。

自分がパーマカルチャーを学ぼうと思った動機や
壁にぶち当たってひとりで閉じこもってしまいそうな時、このビルモリソンの言葉を読んだら
また良い方向に進む原動力となりそうです。

私も読破してなかったので^^;
もう一度読み返してみます。

Unknown (anju)
2009-01-30 09:29:13
今読むと、だいぶ理解できるようになったなと思います。
この章をもっと発展させたのが、トランジションタウンの考え方じゃないかなって思いました。
トランジションタウンも、目に見えるところの変化だけじゃなくて、インナートランジション。意識の変化を大事にしてるからね。

読むと、また、勇気づけられる気がします。
感謝 (豊田義信)
2009-06-22 13:20:09
記事を有難うございます。
Unknown (anju)
2009-06-24 11:32:09
豊田義信さま
読んでくださって、こちらこそありがとうございます。ブログのほうも興味深く拝見させていただきました。また、訪問させてください。

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