だいぶ、時間がたちましたが、11月27日~28日、
北海道の環境モデル都市でもある下川町で、
『森の薬草使い~北海道モミづくし』の1泊2日ワークショップを、
村上さんと共に行ってきました。
下川町といえば、北海道モミの精油を作っている町。
北海道モミとの出逢いは7~8年前でしょうか。
新芽だけから蒸留しているエキストラのモミをかいだ時には、
柑橘系のような香りに感動しました。
アロマのトリートメントをするときにも、
日本人は木の香りが好きな人も多いのですが、
北海道モミはその中でもとても人気のある香りです。
それから、この精油、FSC認証マークが付いているのです。
FSCとは森林の管理や地域への利益、持続可能な運営がされているかなど
国際機関の厳しいチェックを受け認められた森ということです。
そうした町全体の取り組みや環境モデル都市であること、
そして、今回お招きいただいた
NPO法人森の生活では、
森を中心としたホリスティックな活動をしていることなど、
安珠的にはとても関心を持っており、
見習いたいこと満載なのが、ここ下川町なのです。
あと、パーマカルチャー先輩のかめちゃんがここ下川でガーデンを作っていて、
そんなこんなで、今年2回目の訪問となりました。
で、ワークショップの報告は何人もの方が書いてくださっているので、
報告というか、考えたこととか感想を書きます。
***
ワークショップの準備をするにあたって、
かめちゃんからモミの枝葉を送ってもらいました。
私の仕事は、そこの場の自然界と協力して、
参加者のみんなに自然との繋がり、自分の内面とのつながりを
深めてもらえるようなワークを考えて体験してもらうことです。
それを考える時には、必ず、『その場所』と相談するようにしています。
裏磐梯で行う時には、もう、自分が住んでいる場所なので、
なんとなくいつもコミュニケーションとっている感じなのですが、
下川の森は、何度か訪れているけれど、また裏磐梯とは違った波長の場所です。
そこと、再度コンタクトをして、その場で伝えるべきことは何だろうということに、意識を集中させます。
下川の北海道モミ(トドマツ)の森は、先にも説明したように、
人々が持続可能な林業にしていこうと努力して作られてきた森。
人々の生活と森の距離が近いというのが印象でした。
【植物のきもち】
…と、いろいろと下川の森をイメージしていたら「モミの木」の曲が頭に思い浮かびました♪
♪モミの木、モミの木、いつも緑よ
輝く夏の日、雪降る冬の日
モミの木、モミの木、いつも緑よ♪
♪モミの木、モミの木、こずえ静かに
喜び悲しみ、やさしく見守る
モミの木、モミの木、こずえ静かに♪
♪モミの木、モミの木、繁れ豊かに
雨にもくじけず、風に折られず
モミの木、モミの木、繁れ豊かに♪
そうなんです、いつでも緑なのです。モミの木は。
常緑なのが、永遠の魂や命を象徴し、クリスマスツリーなどに使われるんですね。
そして、植物たちというのは、自分達が「他の生命を支え、自分も支えられている」
という循環やつながりの中にいるということに喜びを感じているのですね。
そして、力強く太陽に向かってひたすら成長しようという素直な生命力。
今回は植物療法のワークショップでしたが、
人間が植物たちを利用させてもらうということに対して、
植物たちはどう感じているのかをみんなで感じてみたいなと思いました。
ここ、下川のモミたちは、ずっと人間と付き合い、人の生活を支えてきた存在です。
だから、そうしたことを学ぶにはとても良い場所だなと思いました。
実際に森に入ると、力強くまっすぐに伸びるトドマツたち、
そして、トドマツの赤ちゃん、葉や樹液の香りから、
生き生きとした生命力をみんな感じることが出来たのではと思います。
モミの枝葉を使って、浸剤、チンキ剤、温浸油づくりなどを行ったのですが、
それに使う材料を森で直接集める時にも、
植物たちの気持ちを考えながら、採取のときはちゃんと、
採取の理由と感謝の気持ちを伝えることなどを心がけてもらうようにしました。
そして、「自分達はただの旅行者ではなく、巡礼者と思いなさい」と
シューマッハカレッジのサティッシュさんの言葉がありますが、
外からその森を訪れるものの心構えとしては、
聖なる場所であるという意識を持つことが大事だと思います。
【季節のめぐり】
外に出てのワークをプログラムに組むと、当日のお天気が心配になります。
晴れると良いな~というのは、いつも思っていて、
だいたい、晴れ女なので、晴れる日が今までは多かったのですが、
最近事情がちょっと変わってきました。
夏に裏磐梯でやったときも雨模様で。
しかし、おかげさまで、晴れるばかりが良いわけじゃないということを学びました。
今回も予報では、ワークショップ当日、雪。しかも暴風雪!!
もう、「冬将軍」様とか雪の精霊と相談するしかありません。
裏磐梯もそうですが、下川のように「冬」という季節がちゃんとある場所は、
四季がはっきりしています。しかも、冬が長い。
しかし、その冬の季節というのは、次の春に向かうための重要な季節なのです。
そんな話をしながら、冬の森の空気を皆に味わってもらいました。
2日目の朝は、雪が降り出したかと思えば虹が見えたり、
ツリーハウスのウッドデッキで身体を動かしていたら、
風と雪が急に強くなったり・・・というめまぐるしい天気。
寒かったけれど、今思えば、雪や風や虹の精霊達と戯れて遊べたような気がします。
その後、寒いから皆で身体を動かすために、クラフト用に木を切ったのですが、
みんな寒さも忘れて没頭していたり、小屋の中でハーブティーを飲んでまったりしながら、
コミュニケーションを深めたり、それも楽しいひと時だったのではと思います。
直前までどんな天気になるか予想が付かなかったのですが、
雪が降る直前の森を1日目で歩くから、雪が降ったとしても、
こんな変化を一気に見れることはまずないので、寒くても森には行こう、
というのは前日の下見の時に、かめちゃんと決断したのでありました。
寒いので身体を動かすことをやりたいと思いつつ、
天気次第でどの場所を使うというのは、その時になってみないと
決めることが出来ないので、臨機応変に天気とみんなの様子を見つつ進めます。
今回はモミの赤ちゃんをたくさんみたので、種から成長して延びていくのを、
身体の動きで体感してもらったり、根っこをしっかり張って枝を広げていく様も、
身体を通して体感してもらうワークをしました。
植物の気持ちになってみるには、形から入ってみるのはかなり有効です。
それから、のこぎりで木を切るというのは、かなりのボディワーク的作業になるんですね。
あと、きれいに無駄な力を入れずに切るためには、ある種の集中力も必要。
都会にいるとなかなか出来ませんが、鋸で木を切るとか、
薪を割るとか、田舎暮らしでやるような作業を日常的に行うのは、
結構、武術に通じる心身の鍛錬になると思ったりするので、
天気がよかったら、もうちょっとそのあたりも突っ込んでやりたいところでしたが、
風雪が一瞬強くなり、小屋の中で身体が温まる肩甲骨ワークが出来たので、
それはそれで、よかったかなと思います。
そんなこんなで、今回はモミ(トドマツ)隅から隅まで味わい尽くした2日間でしたが、
視点を変えて植物の気持ちになってみたり、自分と自然界のつながりを感じることで、
森と人、心や身体のつながりに気づき、それが安心感とかワクワク感につながることに
少しでも役に立っていたらいいなと思ったりします。
ワークショップの写真や報告はこちら。
他の参加者の皆さんのブログへのリンクもあります。
↓
フプの森日記