今日、滋賀会館シネマホールにて
女流活弁士・澤登翠(さわと・みどり)さんによる
「活弁映画大会・ユナイト映画編」が行なわれました。
上映(上演?)されたサイレントの作品は、
「散り行く花」(1919・アメリカ)と、
「キートンの蒸気船」(1928・アメリカ)という、悲劇と喜劇の二本立て。
どちらも一時間を少し上回る作品ですが、通常では
「長編+短編」の組み合わせだそうで、
あわせて二時間以上になる実演をお願いするのは異例だそうな。
サイレント映画に語りをプラスする、「活弁」を
実際に体験するのが初めてだったのもありますが、
元WAHAHA本舗の吹越満が舞台でやっていた
「ソロ・アクト・ライブ」が大好きだったにもかかわらず、
そこに思いっきり影響を与えていたであろう
バスター・キートンのスラプスティック・コメディを
まだきちんと観たことが無かったのです。
その意味では、二重に楽しみなイベントでした。
(吹越満さんは、後に「ガメラ2」や「サムライ・フィクション」など、
スクリーンでもお馴染みの俳優さんになりましたが、
昔の舞台でのマイム、ホンマ面白かったなぁ。)
始まってまず驚いたのは、すっかり「活弁」を誤解していたこと。
弁士さんはト書きやナレーションを読み上げるのだと思っていたら、
登場人物の台詞まで、多様な声色で澤登さん一人が演じていきます。
「散り行く花」では、温厚な中国人男性、薄幸の少女、
暴力的な虐待パパ、その他の脇役…
声の使い分けが巧みなので、まったく違和感無く観てしまうのですが、
冷静に考えると一人で一作品分喋りっぱなし(!)だということで、
これは本当に職人の技だと感服いたしました。
もちろん、噛んだり、言い澱んだり、声色を間違うようなことはありません。
単に消え行く文化を体験できたに留まらず、
サイレントムービーのもう一つの楽しみ方を味わえたように感じました。
二作目の「キートンの蒸気船」、澤登さんの活弁はもちろん
バスター・キートンの演技も想像以上に魅力的なものでした。
喜劇俳優としてはチャーリー・チャップリンのネームバリューが圧倒的ですが、
チャップリンの説教臭いところが少し苦手でした。
その点、このキートンは純粋に「笑わせる」ことに
神経を注いでいたように思います。
(学生時代に舞台をやっていた経験から、
泣かせるより笑わせるほうが何倍も難しい、
高等な技術であると思っています。)
また、キートンの運動神経と体の柔らかさにも驚かされました。
コケる、落ちる、転がる…決して強い男ではないキートンですが、
あのアクションはジャッキーー・"お帰り、ヒーロー"・チェンに
勝るとも劣らないのではないでしょうか。
コミカルな動きを演じるため、受身もとらずに、
しかも無表情のまま転がるバスター・キートンの姿に感動しました。
今日上映されたユナイテッド・アーティスツの二作品、偶然でしょうが
「笑えない」リリアン・ギッシュと「笑わない」キートン、
どちらの作品も笑みの無い主人公でした。
キートンは他の作品でも無表情ですが、
彼の作品「西部成金」の中に、「散り行く花」のリリアン・ギッシュのように、
自分で頬を持ち上げて笑うシーンがあるのだとか。
もちろん「活弁」は付いていませんが、
他のキートンの作品もDVDで観てみたくなりました。
女流活弁士・澤登翠(さわと・みどり)さんによる
「活弁映画大会・ユナイト映画編」が行なわれました。
上映(上演?)されたサイレントの作品は、
「散り行く花」(1919・アメリカ)と、
「キートンの蒸気船」(1928・アメリカ)という、悲劇と喜劇の二本立て。
どちらも一時間を少し上回る作品ですが、通常では
「長編+短編」の組み合わせだそうで、
あわせて二時間以上になる実演をお願いするのは異例だそうな。
サイレント映画に語りをプラスする、「活弁」を
実際に体験するのが初めてだったのもありますが、
元WAHAHA本舗の吹越満が舞台でやっていた
「ソロ・アクト・ライブ」が大好きだったにもかかわらず、
そこに思いっきり影響を与えていたであろう
バスター・キートンのスラプスティック・コメディを
まだきちんと観たことが無かったのです。
その意味では、二重に楽しみなイベントでした。
(吹越満さんは、後に「ガメラ2」や「サムライ・フィクション」など、
スクリーンでもお馴染みの俳優さんになりましたが、
昔の舞台でのマイム、ホンマ面白かったなぁ。)
始まってまず驚いたのは、すっかり「活弁」を誤解していたこと。
弁士さんはト書きやナレーションを読み上げるのだと思っていたら、
登場人物の台詞まで、多様な声色で澤登さん一人が演じていきます。
「散り行く花」では、温厚な中国人男性、薄幸の少女、
暴力的な虐待パパ、その他の脇役…
声の使い分けが巧みなので、まったく違和感無く観てしまうのですが、
冷静に考えると一人で一作品分喋りっぱなし(!)だということで、
これは本当に職人の技だと感服いたしました。
もちろん、噛んだり、言い澱んだり、声色を間違うようなことはありません。
単に消え行く文化を体験できたに留まらず、
サイレントムービーのもう一つの楽しみ方を味わえたように感じました。
二作目の「キートンの蒸気船」、澤登さんの活弁はもちろん
バスター・キートンの演技も想像以上に魅力的なものでした。
喜劇俳優としてはチャーリー・チャップリンのネームバリューが圧倒的ですが、
チャップリンの説教臭いところが少し苦手でした。
その点、このキートンは純粋に「笑わせる」ことに
神経を注いでいたように思います。
(学生時代に舞台をやっていた経験から、
泣かせるより笑わせるほうが何倍も難しい、
高等な技術であると思っています。)
また、キートンの運動神経と体の柔らかさにも驚かされました。
コケる、落ちる、転がる…決して強い男ではないキートンですが、
あのアクションはジャッキーー・"お帰り、ヒーロー"・チェンに
勝るとも劣らないのではないでしょうか。
コミカルな動きを演じるため、受身もとらずに、
しかも無表情のまま転がるバスター・キートンの姿に感動しました。
今日上映されたユナイテッド・アーティスツの二作品、偶然でしょうが
「笑えない」リリアン・ギッシュと「笑わない」キートン、
どちらの作品も笑みの無い主人公でした。
キートンは他の作品でも無表情ですが、
彼の作品「西部成金」の中に、「散り行く花」のリリアン・ギッシュのように、
自分で頬を持ち上げて笑うシーンがあるのだとか。
もちろん「活弁」は付いていませんが、
他のキートンの作品もDVDで観てみたくなりました。
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