goo blog サービス終了のお知らせ 

蝦式電影生活(新館)

ずっとほったらかしやったんですけど、ブログ人のサービスが終了するらしいんで、ここを作って過去のデータを引っ越しました。

『阿修羅展』に見るロケンロー。

2009-05-05 10:55:46 | 仏(ブツ)を見る。

武道館での「亀の恩返し」を目的に上京したついでに、
上野・東京国立博物館での『国宝 阿修羅展』に行ってきました。

奈良・興福寺で見慣れてる八部衆ですが、
わざわざ東京に来てまで見に行くのは、
この国立博物館の展示、いつもいつも見せ方が実に上手いので。

寺では見えない側面や背後からの鑑賞も可能で、ライティングも見事、
阿修羅像の持つ草食系男子的な中性っぷりが一層引き立っていました。

しかし、過去の『国宝 薬師寺展』や『仏像 一木にこめられた祈り』といった
最近の仏像系大規模フェスでは、ヘッドライナーを務める仏像が
2~3m強の中規模仏やったのに大して、
今回のキラーコンテンツ、阿修羅像は五尺(150cm)程度の小兵。
しかも、360度のオールビューからの鑑賞が可能ということで、
阿修羅の周囲にはかなりの人の群れが!!

阿修羅の立つ円形のステージを観客が取り囲み、
じりじりじりと時計回りに回転しながら鑑賞するスタイル、
GW中でもあり、満員で入場規制中の場内は大混雑。

このステージ周りの密集感と熱気、オーディエンスの恍惚感、
スポットを浴びるステージと、そこに一転に注がれる視線とレスペクト、
「どこかで経験がある」と、ふとデジャブを感じたと思ったら、
そう、これスタンディングのライブとシチュエーションがそっくり。
(というか、もう全く同じ。)
ステージを囲んだ群集が、押し合いへし合い、円形に回遊する姿は、
一種のサークル・モッシュ状態でありました。

みうらじゅんの「仏像はロックだ」説はやはり正しいと、
今にも泣き出しそうな表情の阿修羅の前で、身をもって感じた次第。

…しかし、ここ東京国立博物館ですよ?
みうらじゅん作詞・高見沢俊彦作曲の阿修羅FC公式ソング、
「愛の偶像(ラブ・アイドル)」が流れる日が来るなんて、
数年前は想像もできひんかったなぁ…

みうらじゅんのことを、
「平成の柳宗悦である」と評する友人がいるのですが、
これはなかなか達見ではないかと思います。

民藝を掘り起こした柳宗悦のように、
とんまつり、見仏、ゆるキャラ、勝手に観光協会…
光の当たっていない地域の資源を再発見するみうら先生の偉業、
今はサブカルですが、将来的には違った評価を得るのではないでしょうか。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。