もとなりくんの「今週の政治 ‘とんでも’」

日本の経済、安保危機を打開する力は、国民の結束と強い政治しかない

韓国が産経元支局長を提訴_ 自分で自分の首を絞める朴大統領の暗愚さ 漂う未開国家の悲哀!

2014-10-11 18:17:00 | 政治
2014年10月11日(16日、表題を一部改訂)
この件については既に国内外から強い批判、抗議が出ている。私も義憤を禁じ得ず、日本政府と産経新聞にエールを送りたいと思う。
「10日付の韓国各紙は、産経新聞のコラムをめぐり加藤達也前ソウル支局長が在宅起訴された問題で、日本政府が9日、韓国政府に「遺憾」の意を伝え、抗議したことを一斉に報じた。
 各紙とも菅義偉官房長官の遺憾の意表明など事実関係を伝えるとともに、「日本メディア、一斉に批判」(ハンギョレ紙)として日本側での反応を報じた。 京郷新聞は1面トップで、「大統領の名誉を守ろうとし、国家の名誉を落としている」との見出しを掲載。「起訴に対し世界の主要メディアは韓国の言論の自由に疑問を提起した」と、日本や米国をはじめとした問題を懸念する各国の反応を紹介。韓国当局の処分がむしろ、韓国のイメージを低下させる可能性を指摘した。…略…」(10日 産経)。
ところが、朝鮮、中央、東亜の保守系大手3紙は、どうやら今回の件を「反日」の問題と捉えるだけで、言論と報道についての問題意識は薄いようだ。中央日報(=広島、長崎の原爆は「神の懲罰」としたコラムを掲載した新聞)は慰安婦や日韓併合など歴史認識の問題で産経新聞が韓国と相容れない論調で報道を続けていることなどを批判しているようだ。政府高官も、いろいろ不満を述べているらしい。「与党セヌリ党幹部は、報道の自由を侵す行為だと日本メディアが批判していることを「盗人たけだけしいと言うべきで、理屈にも合っていない」と非難した。」(共同 11日 産経)。
どうやら、この人たちは、韓国政府の意向に沿った報道をするのが、韓国でのメディアのあり方であり、それをしないものは法律で処罰されるべきだとでも考えているようだ。要は、民主主義とか、言論や報道の自由などの理念が全く理解できていないものと思われる。この問題の本質が何であるかは、政府・与党、保守系よりも左翼系の人達の方がよくわかっているようだ。そのことは、次の記事からもわかる。
「最大野党・新政治民主連合は10日、「世界の主要言論が韓国の言論の自由に疑問を提起している点で、たいへん恥ずかしいことだ」と批判するコメントを出した。 副報道官名のコメントは検察が「権力だけを見ている」と批判。「いかなる場合にも、言論の自由は徹底的に保障されなければならず、取材と報道に心理的な影響を及ぼしかねないどんな行為も容認してはならない」としている。」(10日 朝日)。

韓国の法律では、名誉棄損での提訴には当事者の同意が必要とされているから、今回の提訴に朴大統領の同意があったことは明らか。というよりも、今回の産経への攻撃は朴大統領の意向によるものと見られている。「在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(48)は10日、「検察は権力の意向に逆らい私を不起訴にすることはできなかったと思う」と述べ、起訴決定は大統領府の意向が反映されたと受け止めていることを明らかにした。…略… 加藤氏は、事情聴取での主張をまったく聞き入られなかったと検察の捜査を批判し「裁判で無罪を勝ち取りたい」と強調した。」(10日 共同)。
つまり、検察側には産経側の言い分を聞く気など端から無いのである。これは、セウォル号沈没という国の緊急事態に不明瞭な行動を取っていた? 朴大統領の無責任さを、‘悪意による政治的な攻撃’の問題にすり替え、自らの責任をうやむやにしようという意図と読み取れる。と同時に、国内の政府批判勢力の言動に圧力を掛け、更には日本タタキによる支持率向上をも狙ったものだろう。
しかしこれはいくらなんでも虫のいい考えであり、無理筋であり、適菜 収(てきな おさむ)流に言えば「馬鹿ですね」となるだろう。ほんと、‘馬鹿’としか言いようがない。というのも、
第一に、これで韓国国内の野党勢力を勢い付け、日本の批判や反発、米国など各国の批判、世界のメディアの反発も買うことになったからである。このようなやり方が民主主義の常識から完全に逸脱していることが全く分かっていない。事前に日本、世界のメディアやその団体などから懸念声明や批判が出されていたのだから、それらの反発は避けられない。現に、日本政府は直ちに韓国に抗議しているし、与野党を問わず各党も、そして全国紙5紙をはじめとして国内メディアも一斉に批判している。今回のやり方は、日本国内や各国の潜在的な親韓勢力までも、韓国批判をせざるを得ない状況に追い込んでしまった。
第二に、裁判に勝っても負けても、何の得もないし損ばかりすることになる。提訴となれば裁判であるが、産経コラムは現地メディアの引用が主体のもので、しかも公人である大統領の行動を報道することの公益性は高いのだから、これを否定することは容易ではない。もし負けでもしたら、目も当てられない。裁判の間の朴氏側からの圧力や、自己正当化のための屁理屈が内外に明らかとなれば、野党の攻撃は強まるだろうし、日本を含めた海外からの批判も強まるだろう。そもそも、裁判をやればやるほど、「愛人」のうわさや「空白の7時間」問題がクローズアップされることになるが、これにどう対処するつもりなのか?!また、たとえ勝ったとしても、強権と屁理屈による勝利では、韓国の非民主的本質、後進国としての実態が内外に余すところなく示され、朴大統領と韓国の信用と権威は地に堕ちるだろう。
第三に、これは、「愛人」のうわさとそれを生む韓国国民と野党の姿勢、慰安婦問題などで譲歩しない日本、韓国に批判的な産経の報道姿勢などに対する朴大統領の苛立ち、私憤からのものだろうが、一国の指導者がこんなことで精神の安定を損ねるようなことでは、大統領としての資質に疑問符がつくのは必至である。女性で独身の朴氏にとって、「愛人」との関係のうわさ、しかもそれがセウォル号沈没事故と結びつくことは大変な精神的、政治的ダメージだろうが、国会での説明にも関わらず「空白の7時間」の穴は埋められたとは言い難い。国民から、こういう疑念を抱かれるというのも、それなりの理由があってのことだろう。こういう自分の問題を振り返ることなく、今回のようなヒステリックで異常に過剰な反応を見せれば、誰しもその理由をいぶかしむことになる。そして、国政よりも自分の体面を保つことだけに汲々としているとの印象を国内外に与えてしまうことだろう。結局、大統領としての資質に欠けるということにしかならない。

ともあれ韓国の無法ぶりは凄まじい。そのことは、この問題に限らず、最近のものだけでも、駐韓日本大使館前の慰安婦像不法設置の黙認、中国人靖国放火犯の中国への引き渡し、対馬からの東南仏像の返還拒否、戦時徴用工訴訟での原告勝訴判決など、とにかく政府、検察、裁判所が一体となって、恣意的な法の運用、法があって、ない状況を作り出している。今回の問題で韓国の非民主性、後進性をしっかり内外に明らかにしていくことが重要だろう。産経新聞と、日本政府の毅然とした対応を期待したい。間違っても腰砕けになったり、適当な線でいい加減な妥協をせぬように。