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自立支援法・後期高齢者医療制度の「廃止」に伴う混乱を防ぐために

チーム医療の推進に向けて「特定看護師」を創設 モデル事業を実施

2010年02月21日 10時17分23秒 | 高齢者医療・介護
厚生労働省の「チーム医療の推進に関する検討会」にて、医師の「包括的指示」のもと、特定の医療行為ができる「特定看護師」の創設について話し合われた。厚生労働省は、2010年度からモデル事業を実施し、報告書を取りまとめた後、特定看護師の要件の作成などに着手する方向で検討を進めている。

高度な医療行為できる看護師資格新設へ 厚労省が素案
http://www.asahi.com/national/update/0218/TKY201002170511.html?ref=goo

医師の指示で高度医療、「特定看護師」導入へ
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20100219-567-OYT1T01085.html

特定看護師の要件は、
・看護師免許を保有
・看護師としての一定期間以上の実務経験(例えば5年以上)
・新たに設立する第三者機関が認定した大学院の修士課程を修了
・修士課程修了後、第三者機関による知識・能力の確認及び評価
の4項目(素案)。
モデル事業にて検証し、問題がなければ、保健師助産師看護師法を改正し、法律上で明確に位置づけるとしている。

特定看護師ができる医療行為は、
・検査など
 患者の重症度の評価や治療の効果判定などのための身体所見の把握や検査
 動脈血ガス測定のための採血など、侵襲性の高い検査の実施
 エコー、胸部単純エックス線撮影、CT、MRIなどの実施時期の判断、読影の補助など(エコーについては実施を含む)
 IVR時の造影剤の投与、カテーテル挿入時の介助、検査中・検査後の患者の管理など
・処置
 人口呼吸器装着中の患者のウイニング、気管内挿管、抜管など
 創部ドレーンの抜去など
 深部に及ばない創部の切開、縫合などの創傷処置
 褥瘡の壊死組織のデブリードマンなど
・患者の状態に応じた薬剤の選択・使用
 疼痛、発熱、脱水、便通異常、不眠などへの対症療法
 副作用出現時や症状改善時の薬剤変更・中止
となっている(素案)。

看護師の業務範囲拡大の要件で議論
http://news.goo.ne.jp/article/cabrain/life/cabrain-26011.html

「特定看護師」創設、モデル事業実施へ
http://news.goo.ne.jp/article/cabrain/life/cabrain-26421.html

今後、都市部では、医療を必要とする高齢者が急増する。患者を病院がすべて引き受けることはできなくなるだろう。介護と同様、医療においても「施設から地域へ」の動きを加速させなければ、医療は「崩壊」してしまう。そうならないように、医師の負担を減らし効率化を進めること、医療の地域化を進めることが求められている。今回の看護師ができる範囲の拡大は、第一歩。他のメディカルスタッフの役割の拡大、組織と職種をまたがっての連携・役割分担など、検討しなければならないことは山積している。

目指すべきは、医師法第17条「医師でなければ、医業をなしてはならない」による縛りの見直しである。

医師法
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=2&H_NAME=&H_NAME_YOMI=%82%A2&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=S23HO201&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1